2ntブログ
03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月

2016.07.28 (Thu)

蒼い月光 44(原案 あすか)

『やられる!!』

覚悟を決めた瞬間、石つぶてが男の後頭部にぶつけられた。

コツン・・・
勢いのない石つぶてだったが千代を切りつけようとする意識を逸らすには充分だった。

「誰だ~~!!!」

「千代さまに刃を向けるとは、この不届もの!!!」
八重が息を切らしながら峠道を駆け上ってきた。
20150309_wimax1.jpg

「八重!!」
来てはいけない!!来ないで!!
力の限り叫んだが八重は懐刀を解きながら駆け寄ってくる。

「千代さま、遅れまして申し訳ございません!!」
城を抜け出す千代に気づき、慌てて後を追いかけたがとんでもない老馬であったため
途中でヘバッてしまい、馬を捨てて駆け上ってきたのだという。

「この不届きもの!!成敗してくれようぞ!!」
懐刀を脇に構え、突き進んだもののいとも簡単に身をかわされてしまった。

この!!この!!この!!!
八重はむちゃくちゃに懐刀を振り回してみたが、男にひと太刀も浴びせることができなかった。

『八重どの・・・・がんばってくだされ・・・あともう少しで解毒が完了いたしまする』
兵吉の手は痺れているものの脚力は戻りつつあった。

だが、八重の動きなど男にとって捕まえることなどいとも簡単なことであった。
「ちょこまかとうるさいやつめ。いい加減に往生せえや!!」
懐刀を持つ手を、あっという間に鷲掴みされてしまった。

男は鉈を振りかぶって、八重の脳天を打ち砕こうとした。

「八重~~~!!!」
千代は足元の小石を拾い上げると指で弾いた。
養父、疾風が教え込んだ「石弾丸」の技であった。

養父ほどの威力はないものの、
急所に当てることができれば絶命させることも可能であった。

この一撃で・・・・
必死の思いをこめて弾いた小石は無情にも男の肩をかすめただけだった。
先ほど男の鉈を受けて、小刀を折られた時の衝撃が手を痺れさせていたからだった。

「こいつも、お前もウザイ奴らよ!!」
まずは邪魔者から失せろと八重の襟をぐいと引き寄せ吊るし上げた。

「ひゃははは~~~谷底へ落ちてしまえ~~!!!」
力任せに八重を谷底めがけて投げ飛ばした。

「きゃあああ~~~」
八重の体は紙吹雪のように舞った。
IMG_7155.jpg


「兵吉~~~~~!!!!!」
八重を助け出せと千代は命じた。

「かしこまってござる!!!」
谷へ落下していく八重を目指して兵吉も宙を舞った。

八重を追いかけながらも兵吉は懐に手を忍ばせ、火薬玉を山賊めがけて投げつけた。
だが毒がまだ完全に解毒されておらず、痺れが手元を狂わせた。

フラフラと放り出された火薬玉に千代は気づいた。
あの勢いでは届かない!
小太刀を折られた千代にとって、その火薬玉が唯一の武器だった。

火薬玉を求めて千代も地を蹴った。
見ようによっては男に斬り殺されるよりは谷へ身投げして
命を落とす事を選んだように思われた。

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

09:00  |  蒼い月光(コラボ作品)  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

Comment

八重来たぁ~~~♪
微力だけど、千代を救う事は出来ましたよね♪

この場面って。。。
ドラマ終焉の20前位の見せ場でしょ?(^^;
猛者の山賊でも何とかなる? 3対1だし・・・(汗)
朱里は勿論、疾風とかウズメとか見えないチカラも出て来そうな、、、

この際、エロスは置いといて・・・
何とかなるに決まってるよね!
じゃなきゃ、抗議文送るゾ!(爆)

影依 |  2016.07.28(木) 14:54 | URL |  【編集】

Re: 影依さん コメントありがとうございます

> 八重来たぁ~~~♪

期待を裏切らずに登場しましたよ~
ほとんど戦力になってませんが・・・( ´艸`)

いよいよラストです
「つまんねえぞ!」という抗議のお言葉は受け付けません(笑)

>疾風とかウズメとか

ギクッ!!
影依さん、毎回、鋭すぎます(^_^;)
ほーくん |  2016.07.28(木) 22:17 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://hawks5810.blog.2nt.com/tb.php/228-e45467f9

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME |