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2016.03.30 (Wed)

女優 2

熱い湯の放射を体に浴びながら、
このまま溶けて消えてしまいたいと思った。
シャボンにまみれた乳房をそっと揉んでみた。
こんなふうにあのマッチョに胸をまさぐられるのだろうか・・・

恋愛禁止のアイドルグループに所属していたとはいえ、
愛子はバージンではなかった。
初体験は中2の冬だった。
当時、学年がひとつ上の先輩と付き合っていた。
早熟で大人びた愛子からしてみれば、
少年の面影を残す先輩とのお付き合いは
周りから見てみればしっかり者の姉と
だらしない弟がじゃれあっているかのようだったろう。

そんな彼が卒業を迎えるとともに
愛子にオーディション合格の通知が届いた。
そのアイドルグループは恋愛禁止という厳しいルールがあったので、
愛子は涙ながらに彼の部屋で別れを告げた。
「なんだよ!俺よりもアイドルの道を選ぶのかよ!」
彼は烈火のごとく怒った。
そして獣のように乱暴に愛子をベッドに押し倒した。
「お前の体に俺と付き合っていた痕跡を残してやる!」
乱暴に下着を剥ぎ取られた。
キスやペッティングはすでに経験済みだったが、
セックスはお互いに高校生になってからという約束だった。
でも、求められたら許そうと思っていた。
しかし、こんな乱暴な方法でロストバージンしたくなかった。
お願い、今はしたくないの。
哀願しても彼の心には届かなかった。

彼の指が、まだ淡い翳りの割れ目をまさぐる。
やがて指先は湿地帯を探り当てた。
「待ってろよ今すぐぶちこんでやるよ」
そう言いながら彼は愛子にのし掛かりながら器用にズボンを脱ぎ捨てた。
やめて!やめて!やめて!
泣きわめく愛子の口を彼の唇が塞いだ。
彼とは何度もキスを重ねてきたが、初めて彼の唇が汚いと感じた。

愛子の脚を開いて彼が態勢を整えた。
薄い翳りに灼熱のようなぺニスが当たるのを感じた。
彼はがむしゃらに腰を打ち付け始めた。
その硬い先端は陰核を擦り、尿道口を叩き、
そして何度目かにまだ受け入れたことのない扉を探り当てた。
まるで凹凸が合致するかのように硬いモノがメリメリと食い込んできた。
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愛子はその瞬間を屈辱的に迎えた。
痛いと泣きわめく代わりにじっと目を閉じて耐えた。
初潮を迎え始めた頃、
学校の視聴覚室で女児だけ集められて命の誕生の仕組みを教えられた。
あの時から、いつかは愛する人と結ばれることを楽しみにしていた。
そんな淡い夢をこんな形で奪った男の顔とその瞬間を一生引きずりたくはなかった。
これは初体験ではない。単なる事故だ。交通事故のようなものだ、そう必死に思い込んだ。
そして男はあっけなくスペルマを放出した。
膣がじんわりと温かくなったので中に出されたのだとわかった。


数日後、タレント事務所で愛子は正式に契約書に署名捺印した。
今日から面倒を見させていただく臼杵ですと、
蛇のような目をした男をマネージャーとして紹介された。
「まず確かめておきたいことがあります」
臼杵は愛子に現在付き合っている男はいませんねと念を押した。

愛子は彼と別れた事、別れ際にセックスを強要されたことを正直に話した。
その後の臼杵の行動は迅速だった。
まず愛子を産婦人科を受診させ、懐妊していない事を確かめると、
元カレのもとへ出向いた。
元カレに10万円を握らせて
愛子の事を週刊誌などに売らない事を誓約させた。
10万円では物足りないとゴネた男に対して
「あなたが無理やりしたことは犯罪に近いのですよ。
その金額で足りないのであれば、
こちらとしては出るところへ出て決着させてもいいのですよ」と凄んでみせた。

その後の愛子の活躍は順風満帆だったが、
卒業してみて背後に大物プロデューサーがいてこその活動だったと思い知らされた。

そして今回の仕事・・・
グラビアで水着の経験はあるものの
オールヌードだなんて初めてだった。
でも、必ずヒットさせて、もう一度華やかな舞台に戻ってやろうと心に決め、
過去の栄光はシャボンと共に流した。
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テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

22:10  |  女優  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.29 (Tue)

女優

宮崎愛子は台本を読んで愕然とした・・・・

「マネージャー!なんなの?これは?!」
恋愛映画というふれこみだったが8割がベッドシーン・・・
これではまるでピンク映画ではないか。

「愛子ちゃん、ここらで一発、
アイドル路線を脱却しましょうよ~」
マネージャーの臼杵はヘラヘラしながらも目は怒っていた。

「私に素っ裸になれというの?!」
愛子は元国民的アイドルグループのセンターだったが、
女優を志してそのグループから卒業した。
最初の頃は元国民的アイドルグループというレッテルで
いくつかのドラマにも出演したが、
次第に演技力がマズイということで仕事が減っていった。

「もう誰も元アイドルという神輿を
担いでくれなくなったということに目を覚ましたらどうだ」
もう脱ぐしか仕事がないんだよ!と、
マネージャーは台本を愛子の胸に押し付けた。
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そしてクランクインの日がやってきた。

愛子を乗せたマネージャー臼杵の運転する車は
都内のとあるラブホテルに入っていった。
「マネージャー、これは・・・・」
さあ、到着しましたよと降車を促す臼杵に
愛子は不審に思って尋ねた。

「なにせ低予算の映画だそうで・・・
セットを組む予算を削りたいそうなんです
このホテルの一室が映画の内容にぴったりの部屋だそうですよ」

その時点で愛子の不機嫌は絶好調に達したが
心の片隅には隠微なスペースに足を踏み入れるという
微かなドキドキ感も同居していた。

部屋に入ると、すでにカメラマンと監督がスタンバイしていた。
マネージャーから聞いていた話では
この映画の監督は巷で有名な新鋭の女性監督ということであったが、
「私が監督の押本です」と名乗り出たのは
髭面の冴えないオヤジだった。

「女性監督だったのじゃありませんか?」
そう言うと、
「あ~彼女は降りました。ギャラが折り合わなかったのです」
私は安いギャラでも引き受けましたけどね。と言って
髭面の冴えないオヤジは卑屈に笑った。

さあ、部屋代がもったいないからさっさと撮ってしまいましょうと
バスタオルを手渡された。
「こ、これって・・・」
戸惑っていると、
「濡れ場を撮るのにシャワーも浴びないつもりですか」と
バスルームからマッチョな男が姿を現した。
「きゃあ!!」
マッチョ男はタオルで前を隠そうともせず
男性自身をブラブラさせながら愛子の横をすり抜けた。
「お先にシャワーを使わせていただきましたよ」
そう言いながらマッチョは全裸でベッドに寝転んだ。
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「ま、前張りなしですか?」
そうマッチョに言うと
「今時、前張りなんかして撮影したりしないですよ」と
小馬鹿にしたように笑った。

と、とんでもない!!
アンダーヘヤーもすべて見られるなんてとんでもない話だわ!
私、この映画、降板させていただきます!!
そう言って帰りかけた愛子の耳元へマネージャーの臼杵が
「そんなことしたら違約金が発生しちまうだろが!
この仕事を取ってきた私と会社に泥を塗るつもりか!!」と
小声ではあるがドスのきいた声で愛子を叱った。

そんな二人のやり取りを遮断するかのように
「これだから元アイドルとかいう奴と仕事をするのはイヤなんだよなあ」
とベッドのマッチョ男はふてくされた。

「バカにしないで!与えられた仕事はちゃんとやるわ!!」
そう言うと愛子はマネージャーの手からバスタオルを奪い取ると
バスルームに駆け込んだ。

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12:00  |  女優  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.28 (Mon)

黒い瞳 20

それからは愛し合うときは薬を服用し、
とめどもない快楽の波に溺れた。

心で拒絶しても体が薬を求める。
やがて、SEXをするしないに関わらず、
日常生活においても薬がほしくなってきた。

薬を飲めば疲れが取れる。
いや、疲れが麻痺するのだ。
なんとすばらしい薬だろう。

「順平・・・あの薬、ほんとは媚薬なんかじゃないんでしょ?」

「へへへ・・・気付いたかい?
あれはいわゆるドラッグってやつだ。
あいつの虜になったらもう止められないぜ」

ドラッグ?麻薬なの?
そう問い詰めると、麻薬じゃないけど、
まあ似たようなもんだと順平がニヤニヤしながら答えた。

なんということだ!警官の妻だった自分がドラッグの中毒に・・・。

順平・・・ひどい!そんなものに私を溺れさすなんて!
もう薬は止めよう。
中毒反応はつらいかもしれないが、絶対に乗り越えなければ。


しかし、その決意は1日としてもたなかった・・・

欲しい!薬が欲しい!
薬!薬!薬!!!

「順平!薬!!薬をちょうだい!!」

「あれさあ、けっこう高いんだよねえ」

「いくらなの!いくらでもいい、欲しいのよ!」

やがて、生活費のほとんどが、ドラッグを購入する金額に化けた。

そして、由紀子の養育費にと
貯蓄しておいた健太と義父母の生命保険の返済金にまで
手をつけ始めるようになってしまった。

とにかく、ドラッグが欲しかった。
他のことは何も考えられなくなってきていた。


やがて、フロアに大量の蟻が這うようになった。

もちろんドラッグが見せる幻覚症状なのだが、
淳子にはそれがはっきりと見えるのだ。

蟻が蠢くのが気になり、1日中、掃除機をかける日もあった。

由紀子の育児も疎かになり始めた。
由紀子の発育も悪くなり、やせ細って来だした。

順平は、狂ったように掃除を続ける淳子と、
衰弱していく由紀子を見てはケラケラと笑った。



夜になれば、二人は獣のようなSEXをした。
ドラッグの服用は1錠から2錠、2錠から3錠へと次第に増えていった。

淳子の部屋でSEXをしても、由紀子は泣かなくなった。
泣く力もないほど衰弱しだしたのだ。

順平に跨り、淳子は一心不乱に腰をグラインドさせた。
「もっとよ!もっと下から突き上げなさいよ!」

「はあ・・・はあ・・・・こうかい?」
順平は白目をむきながら、淳子の要望に応えた。

しかしやがて「うううう・・・」と呻き声を発したかと思うと、
順平は動かなくなり、男性自身が一気に萎んだ。

「順平!なにしてんのよ!早く勃たせなさいよ!」
淳子の罵声にも応えず、
順平は目をカッと見開き、口から泡を吹いていた。

「順平?」

順平は呼吸さえしていなかった。
ドラッグの多乗摂取による心不全で命を落としたのだった。

「いやあああ~~っ!!」
淳子はパニックに陥った。
どうすればいいの?どうすればいいの?

その時、衰弱しきっている由紀子が
力を振り絞ったように泣き始めた。
『うるさい!うるさい!うるさい!!!』
淳子は、ふいに由紀子の大きな黒い瞳が恐ろしくなった。

「なによ、その目は!そう、お腹が減ったの!!
それならミルクをあげるわ!食べなさいよ!!」
そう言って、古くなったミルクの粉を由紀子の口へ流し込んだ。

「食べなさいよ!さあ、食べなさいよ!」
ミルクの粉をどんどん由紀子の口に流し込み、
顔中が粉だらけになった。

由紀子はすでに息絶えていた。
しかし、その黒い瞳が淳子をしっかりと見据えていた・・・


~エピローグ~

淳子は静かに目を覚ました・・・
白い天井、白い壁・・・
懺悔の思いで目から涙が溢れる。

「由紀子・・・」
愛する健太の忘れ形見をこの手で・・・・


淳子は病院の隔離病棟に収監されていた。
体は拘束衣で自由を奪われていた。

順平のように命を落とせばよかったのに・・・
この心の傷は一生消えることはないだろう。


カツ、カツ、カツ・・・

数人の靴音と、杖を着く音がドアに近づいてくる。


キィ~という金属音とともにドアが開く。
担当医が入室してきて話し始めた。

「若林さん、あなたの身元引受人が名乗り出てくれましたよ。
これからは全快を目指してがんばりましょうね。」

さあ、どうぞ。という担当医の声に促されて、
杖を着いた男が入室してきた。

男は「淳子、探したよ・・・」
そう言ってニヤリと笑った。

淳子は男の声を聞き、目を見開いて男を見た。



そこには、こめかみに傷跡を残した父が、
不気味な笑顔で立っていた・・・・







。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

あとがき

「黒い瞳」いかがでしたでしょうか

やや猟奇的要素の含んだ作品となってしまいました
エロよりも幸せに縁遠い女の半生モノを思って書き始めたものの
アンハッピーな作品になってしまいました

08:29  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

2016.03.27 (Sun)

黒い瞳 19

順平は徐々に淳子たちの生活に入り込んできた。

1週間に1度から2度3度と淳子の部屋を訪れ、
今ではすっかり生活を共にするようになってしまった。
しかし、淳子が順平に抱かれようとするたびに
由紀子が泣きやまず、淳子の部屋で愛し合うことはなかった。

順平は執拗に淳子を求めた。
淳子もまた、順平の求めに応じたかった。

順平は由紀子が眠っているときを見計らって淳子を近くのラブホテルに誘った。
「だめよ、いくらスヤスヤ眠っているとはいえ、
いつ目を覚まして泣くかもしれないじゃない」

「大丈夫だよ。ほんの2、3時間じゃないか。
愛を確かめ合いたいんだよ」

順平の懇願に根負けし、
ラブホテルで愛し合ったものの
淳子は由紀子のことが気がかりでまったく燃え上がらなかった。
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「なんだい、せっかくの二人の時間だというのに
あの喘ぎ声はなんだよ。まるっきり演技じゃないか。
俺に抱かれるのがイヤだっていうのか」

「そうじゃないの。こういうのはやっぱり無理よ。
由紀子が気がかりで・・・」

「なら、一週間に一日でもいいからベビーシッターを雇えよ。
ゆっくりと俺とお前の時間を作ってくれよ」

あまり気乗りはしなかったが、
ベビーシッターに由紀子を預け、順平と愛し合うと、
由紀子への気がかりの負担がなくなった分、
淳子は心の底から燃え上がることができた。




ある日のこと。

いつものようにラブホテルで二人は愛し合っていた。
順平が一度目の吐精したあと、
おもむろにベッドを抜け出し、脱ぎ捨てたスーツのもとへ行った。

「順平、どうしたの?」

「へへへ・・いいものが手に入ったんだ。」
そう言ってスーツのポケットから、なにやら錠剤を取り出した。

「クラブで遊んでいるときに、
顔見知りの外人から分けてもらったんだ。・・・これ、なんだと思う?」
そう言って、手のひらの錠剤を淳子に見せた。

「さあ?強壮剤かしら?」

「そんなちんけなものじゃないさ。これは媚薬。それもとびっきりの・・・」

「どうするの?それ」

順平はニヤリと笑い、水差しからコップに水を注ぎ、ベッドに戻ってきた。

「二人で楽しもうじゃないか。さあ、飲めよ」

「いやよ」
そう言いつつも、
父に媚薬で責められた時の
あのなんとも言えない快感の深さを思い出して体が疼き始めていた。

「変な薬じゃないからさ。俺も飲むしさ」
そう言って1錠を口に含んだ。

「さあ、飲めよ」

順平が飲んだのなら、
変な薬ではないのだろうと淳子も1錠を口に含んだ。


錠剤を飲んでから数分後・・・・
淳子の瞳孔は著しく絞られていった。
視野が極端に狭くなる。
動悸が激しく、体が熱い。

『なにこれ?媚薬?ほんとに?』

しかし確かに感じやすくなっている。
順平の手が胸を揉む。
その手がまるで何十本の手によって揉まれている感覚。

「へへへ・・・すごいだろ。これ。」

順平の囁きがエコーがかかったように聞こえる。
目眩がする・・・だが、決して不快な目眩ではない。

順平の舌が首筋を舐める。
それがまるで蛇が這っているようだ。

「す、すごい!なに、これ!」
あまりの快感に口から涎が垂れる。
瞳からは涙が、尿道からは小水が漏れる。
おそらく淳子の女性自身も激しく濡れそぼっているであろう。

順平が淳子の中へ入ってくる。
まるでビール瓶を突っ込まれているかのような固さと太さ・・・

『すごい・・すごすぎる・・・こんなの初めて・・・』
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1時間後、
ようやく薬効が薄れてきたのだろう、意識が次第に戻ってくる。

「はあ、はあ、はあ・・・・どうだい、すごかったろ?」

「ええ、すごいわ、これ。」

「まだまだたくさんあるからな。」

もういいわよ。その薬、きつすぎるわ。
そう思っているはずなのに
順平に錠剤を見せられると、
口を開き舌を出して薬の催促をしてしまった。
08:00  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

2016.03.26 (Sat)

黒い瞳 18

~淳子20歳~


若林がこの世を去って、義父母はすっかり老け込んでしまった。
寝込む日も多くなり、
4ヶ月後に義父が心不全で亡くなり、
さらにその2ヶ月後には後を追うように義母が脳溢血でこの世を去った。

新しい1つの生命の誕生と3つの命の終わり・・・
なんと波乱の1年。

淳子の心の支えは由紀子の笑顔と、
義父母の看護に尽くしてくれた看護師の佐々木順平の存在であった。


佐々木は事あるごとに、
淳子を食事に誘ったり、由紀子の喜ぶおもちゃをプレゼントしたりしてくれた。

淳子は次第に佐々木に思いを寄せていった。
『健太が亡くなり1年にも満たないと言うのに・・・』
淳子は自分の心を否定しようとしたが、
佐々木の澄んだ瞳に見つめられると、頬を染め、ときめいてしまうのだった。

そして、何度目かの食事を共にした時のことであった。
「若林さんは、僕のことを、どう思われていますか?」
唐突に佐々木が淳子に問いかけてきた。
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「えっ?」

「僕はあなたに惚れてしまった。
真剣にあなたとお付き合いをしたいと思っています。」

「私は・・・」

健太を忘れることなどできないと思っていた。
しかし、こうして佐々木に口説かれると、
気持ちは20歳の娘に戻ってしまいつつあった。

佐々木は、この食事をしているホテルの1室に部屋を取ってあるという。
淳子と一夜を共にしたいと誘ってきた。

『私はそんなふしだらな女ではありません!』
そう言って席を立とうとしたが、なぜか体が動かなかった。



部屋に入り、すやすやと眠っている由紀子をソファに寝かすと、
佐々木が後ろからそっと抱きしめてきた。
淳子は佐々木に身を委ね、甘い吐息を吐いた。

二人は熱い口づけを交わし、抱き合いながらベッドに崩れ落ちた。

「待って、洋服が皺になっちゃう・・・」

「僕が脱がせてあげるよ」
佐々木は慣れた手つきで、
あっという間に淳子を一糸まとわぬ姿にしてしまった。

『健太・・・ごめんなさい・・・』

一度、火が点いてしまった体は、もう止めることができなかった。
「佐々木さん・・・」

「順平と呼んでほしいな。」

「ああ・・・順平・・・」


順平は今までの男のなかでも群を抜いて上手だった。
前戯だけで何度も絶頂を味わった。
そして、今まさに順平を迎え入れようとしたその時。
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今までソファでスヤスヤと眠っていた由紀子が
火の着いたように泣き出した。

あやしに行かなくては・・・

そう思うのだが、
順平の魔術にかかってしまった身体は由紀子よりも順平を求めた。

ママ・・・だめよ!
ママ・・・だめ!!
まるで淳子に警鐘を鳴らすかのように由紀子は泣き続けた。

しかし、順平に貫かれた瞬間、
淳子の耳にはもはや由紀子の声は届かなかった。

久方ぶりの男との交ぐあいに何度も達し、
最後にとてつもない大きな波が淳子を襲った。

いつしか、由紀子は泣き止んでいた。
由紀子はソファの上で淳子を見つめていた。
その大きな黒い瞳は、
まるで淳子を非難しているかのように、じっと淳子を見据えていた。
08:00  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

2016.03.25 (Fri)

黒い瞳 17

翌日、面会時間の始まりにあわせるかのようにドアをノックする音がした。

「はい?・・どうぞ」

「失礼します」と言って入室してきたのは、
制服姿の健太の上司である春日警部ともう1名、50歳ぐらいの年輩の男だった。

春日は年輩の男性を署長の大山だと紹介してくれた。

上司と署長が?一体なぜ?それも制服姿で・・・


「署長の大山と申します。
昨夜から自宅とあなたの携帯の方へ何度もご連絡をさせていただいていたのですが・・・
署の総務に聞けば、こちらでお子様をご出産されていたということで。
若林警部のご両親には昨夜すでに、」

「ちょっと待ってください。」
淳子は大山の言葉をさえぎるように言った。
「若林の階級は巡査部長のはず・・・さきほど警部とおっしゃいましたか?・・・」

淳子は動悸が早まるのを感じた。
巡査部長が警部?2階級上の階級ではないか。
それが意味するもの・・それは・・・

「若林は・・・」
春日が大山に代わって話し始めた。
「若林は昨日、人質立てこもりの被疑者の発砲した銃弾を被弾し・・・
至急、病院のほうへ搬送し手当をしたのですが、
手当の甲斐なく・・・殉職いたしました。」

発砲された?被弾した?殉職?
あなたたち、なにいってんのよ?

言葉が理解できない・・・
部屋の景色がグルグル回り始めた。
そうして淳子は気を失った。




点滴の針の痛みで淳子は意識がもどった。
義父母が心配そうに淳子の顔を覗き込んでくれていた。

「淳子さん、気がついた?
産後で疲れているのだから健太の事を話すのは
もう少し時間を置いてからとお願いしたんだけど・・・」
義母が淳子の手をしっかりと握ってくれた。
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「じゃあ・・やっぱり健太は・・・」
現実を受け止め、淳子は号泣した。
それは母の死に心の中で流した涙の
何倍もの悲しみの涙だった。

健太が警察官である限り、
こういうことはありうると覚悟はできているつもりだった。
でもまさか現実になろうとは・・・

「つらい話なんだが・・・」
義父が健太の葬儀のことについて話はじめた。

淳子の体調を考え、
警察葬は1週間後にしていただいてはどうだろうということ。
その間、遺体は冷凍安置しようと思うということ。

「ほんとうは、そんな冷たい箱の中に何日も寝かせるのは忍びないんじゃ・・・
密葬して早く荼毘にしてあげるのがいいのかもしれん・・・
だが、あいつに一目、娘を対面させてやりたいんじゃ。
医者が言うには、生まれてすぐに外出させるのは許可できんと言いよる・・・」
そう言って義父は歯を食いしばって泣いた。


一週間後、若林健太警部の葬儀が執り行われた。
葬儀に先立ち、淳子は由紀子を抱いて
遺体安置所の冷凍庫からだされた健太と対面した。

由紀子を大勢の人たちの中へ連れ出すのは
感染等の問題から控えるようにきつく言われていたからだ。

健太の遺体は警察の制服を着せられていた。
まるで静かにねむっているようだった。

「健太・・・娘の由紀子よ・・・」
女の子だと知ったらどんな顔をしただろう・・・・

父親が口を揃えて言うように、
この子はどこにも嫁にださん。そう言って壊れ物を抱くように、
ぎこちない手つきで抱いただろうか・・・

「あんなに楽しみにしてたのに・・・バカよ、あんたは・・・」
そう言って遺体にそっとキスをした。
以前のように甘い吐息はなく、かすかにホルマリン臭がした。

「ほら、由紀子・・あなたのパパよ」
父の死を知ったかのように由紀子が火がついたように泣き出した。

「あなた・・・由紀子が泣いているわ・・・
あやしてあげてちょうだい・・・あなた・・あなた・・・」


警察葬はしめやかに執り行われた。
署長の弔辞は、やたら長く、どうでもいい内容に思えた。

白い菊の花に飾られた祭壇の中心に、
若林警部の遺影が誇らしげに微笑んでいた。
健太の妻として気丈に振舞わなければ・・・
そう思ってみても、さきほど遺体と対面し、
ようやく若林の死を受け入れたばかりの淳子には、あまりにも過酷だった。
涙が止まらなかった。
白いハンカチが、あっという間にグッショリと湿った。

控え室で看護婦さんに抱かれている由紀子の鳴き声が会場に聞こえると、
婦警さんたちが一斉にむせび泣きはじめた。


焼香を済ませた順に警官たちは
見送りの整列のために会場を出て行った。

出棺の準備の前に、最後のお別れにと棺に花を手向けた瞬間に、
それまで気丈に振舞っていた義父母の目から大粒の涙が溢れ出した。

淳子は健太との出会いから今までのことが
走馬灯のように淳子の脳裏を過ぎ去り、
人目をはばからず遺体にすがりついて泣いた。



パア~~ン
霊柩車が出棺の合図であるクラクションを鳴らす。
「若林警部に敬礼!!」
署長の掛け声と共に、整列した警官たちが一斉に敬礼する。
その敬礼の列は、長くどこまでも続いているかのようだった。
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08:30  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.24 (Thu)

桜・・・・ 2

店内で冷たいジュースを買って喉を潤すと
私は再び自転車に乗ってスーパーをあとにしました。

再び、ノーパンで自転車に乗って走っていると
公園でフリーマーケットをしていたので立ち寄ってみました。
花見に興じてる人が多くて、フリーマーケットは閑散としていました。
20歳くらいの男の子が店番をしているブースに狙いを定めて
そのブースの前にしゃがみこみました。

商品を選ぶふりをしてわざとその男性に
スカートの中が見えるようにしゃがんであげました。
予想通りチラチラと見てくれていたので、
もっと見てもらおうと、足を開いてスカートの中が
見えるようにしてあげると、目を丸くして
じっと見始めたので、それに気づいた私は
さらにドキドキしながら足を開き濡れ濡れになった割れ目を
じっくりと見てもらいました。

男性の股関を見ると、立派なテントを張っていました。
私も感じてきてしまっていたので、
ついその若い男性に
「彼女いるの?」と聞いてしまいました。

男は蚊の鳴くような声で「いません」と言う返事をしたので、
「じゃあエッチしたことある?」と聞くと、
顔を真っ赤にして、
言葉にせず首を横に振りました。

可愛いわ・・・
私は興奮していました。
そしてエスカレートした私は
「女の子のアソコは見たことある?」と聞くと、
さきほどよりも更に小さな声で
「今・・・初めて見ました」と言って私の股間を凝視していました。
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「どうだった?」と聞いてあげると
「すごくきれいです・・・とてもいやらしくて・・・」と
ハアハア荒い息を吐きながら答えました。

「もっとよく見たい?」と聞くと、
興奮し鼻息も荒く「はい」と言うので、
私はお尻を床に落としてM字開脚して指をアソコに押し当てて
逆V字にしてビラビラを開いて見せつけてやりました。

たまらずに男は膨れた己の股間に手を伸ばして
グニグニと揉み始めました。

『欲しいのね・・・私が欲しくてたまらないんでしょ?』
私も膨れたお豆を弄りました。
電撃が脳天を突き抜けました。
見知らぬ男に見られているという快感に酔いしれました。

あああ・・・・
このままお互いのオナニーを見せ合いっこしたい
そう思っていると、
年配のご婦人がブースに近づいてきました。
私は慌てて立ち上がり、男に「休憩出来る?」と聞くと、
「そろそろ休憩しようと思ってました」と言うので、
「じゃあその時にあそこのトイレに来て」と
少し離れた場所のトイレを指さしました。

しばらくトイレの前で待っていると、
さきほどの若い男性が走って来ました。
女性用のトイレを覗いて、誰もいないのを確認すると
彼に「来て」と促しました。

あたりを見回して素早く二人で個室に入り、
早速私はスカートを捲り男性に
「見ていいよ」と言うと、
男性はしゃがんでまじまじと私の割れ目を
食い入るように見つめました。

これが視姦というのでしょうか、私の割れ目の奥から
どんどんといやらしい汁が溢れ出ました。
見られていてこんなに感じるんだもの。
きっと触られたら・・・・
私はいてもたってもおられず、
男に「指でそっとなぞってみて」と指示を出しました。

でも興奮している男は制御ができずに指を割れ目に強くあてがい、
グリグリと擦りつけました。
濡れまくって潤滑油がタップリの割れ目は
男の指を滑らせ、やがてヒダヒダの中に
指を迎え入れてしまいました。
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「こ、これがオ○ンコなんだね?」
興奮した男が大きな声を発しました。
だめ!声を出さないで!!
私は彼の口を自分の唇で塞ぎました。

付き合っている彼女もいなくて、
オ○ンコさえ今日初めて見た男だというのに
本能というやつでしょうか、
男は舌を私の口の中に忍び込ませてきました。
私の舌を舐めまくり、
歯茎を、歯をベチョベチョ舐めて暴れ回りました。

舌とシンクロするように、
オ○ンコの中に突っ込んだ指までグチュグチュと掻き混ぜ始めたのです。
私は思わず「あっまだダメ」と声を漏らしてしまいました。
もちろん本音ではありません。
その証拠に私の腰は彼の指をもっと奥深くへ導こうと、
クイクイと細やかに振っていたのです。

興奮した彼は、さらにオ○ンコの中を指でグリグリとしてきたので、
もう我慢できなくなり「あっあっあん・・・」と声を漏らしながら、
オ○ンチン入れて!!と哀願していました。
彼は自分でズボンとパンツを同時に下ろし、
カチカチに勃起したオ○ンチンを露出しました。
私は無我夢中でしゃがみこみ、
大きく反り返ったオ○ンチンの先を口にくわえ、舐め始めました。
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洗っていないオ○ンチンはイカ臭くアンモニア臭さえしましたが
私はおかまいなしに首を前後に振り、舌を蠢かしました。

男は「うっ」と呻くと、私の口の中にたくさんの白い液を出してしまい、
私が全て飲み干して、さらに舐め続けると、少し柔らかくなりかけてたモノが
再び硬く大きくなってきました。

私は男を便座に座らせて自分のお尻を突き出し
男の大きなオ○ンチンをオ○ンコに誘導すると、
ズリュという感じでいとも簡単に私の中に男を侵入させました。

男は私の腰をぎゅと痛いくらいに掴み
激しく下から突き上げました。
初めてで加減を知らなかったのか、あっという間にイッてしまいました。

二人で満足した後、男は私とお付き合いしたいと言い出しました。
「ご覧のように私は露出好きの淫乱女よ、
それでもいいのかしら」と言ってあげると
「ただ見せるだけじゃ物足りないでしょ?
俺がカメラマンを引き受けるよ、一緒に楽しもうよ」と言った。

こうして私たちは露出モデルとカメラマンとして歩き始めました。





。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

あとがき

ただいま「黒い瞳」という作品を執筆してますが
あまりにも重い話なので箸休めならぬ筆休め的に短編を書いてみました。
これから陽気がよくなって屋外露出にはもってこいの気候になるので
ちょっとした露出モノにしてみました

残念ながら屋外露出も被写体を撮影した経験もなく
妄想だけで筆をすすめたので
フィクション的要素が満載ですが楽しんでいただければ幸いです

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13:25  |  短編集  |  Trackback(0)  |  Comment(11)

2016.03.23 (Wed)

桜・・・・ 1

春の暖かさが私の性癖を目覚めさせた。

いつものように朝のベッドの中でオナニーして
2度もイッたというのに、私の心のモヤモヤは晴れれなかった。

もっと刺激がほしい・・・・

不意に私は小学校に通っている頃を思い出した。
当時、スカートめくりという遊びが男児の間で流行っていた。
ある日、私は同級生の男児にスカートをめくられ、パンツを見られた。
「きゃー」と叫びながらも、なぜか私は快感を覚えた。

あの日のような快感がほしい・・・
そう思った私はバスルームに駆け込み、
アソコの毛を念入りに剃った。
ツルツルにして
縦すじだけの股間を眺めると、
なんだかあの日に
タイムスリップできたような気持ちになった。
201602011800nh6033f5is.jpg

そしてパイパンでパンティも穿かずに
自転車に乗って外出しました。

桜満開の河川敷に通りかかると、
花見を楽しむ人たちで
いっそう春らしさがあふれだしました。

向こうから歩いて来た親子連れとすれ違うとき、風に吹かれてスカートがめくれました。
小さな女の子が私のノーパンに気付き
「ママ、あのお姉ちゃんパンツ履いてなかったよ」と言うと、
お母さんがすかさず「あんなの見ちゃいけません」と叱っていた。
『ああ・・・私は変態だわ』
たくさんの人たちに見てもらいたくて、
ワクワクドキドキしながら、想像しただけですでにアソコはヌレヌレで
サドルをいやらしい汁で濡らしていました。

暖冬で、例年よりもすごしやすかった冬でしたが
やはりみなさんは春の到来を待ちわびていたようで、
満開の桜の河川敷にはたくさんの人たちが花見をしていました。

私はブルーシートを敷いて宴会をしている男性だけのグループの近くに
自転車を止めて、
すぐ脇をドキドキしながらソックスを直すふりをして、
『皆さん私の花びらもたくさん見て下さい』と思いながら前屈みになり、
桃のようなヒップと濡れたアソコを見ていただきました。
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2人ほどの男性が私の痴態に気づきました。
そしてヒソヒソ声で『おい、見てみろよ』と
伝言ゲームのように私に注目するように感染していきました。
ワイワイと騒いでいた賑やかさが
まるで水を打ったように静かになりました。

『声かけろよ』
『いや、お前が誘いに行ってこいよ』
そんな男たちの声が聞こえてきました。
ああ・・・注目されてる・・・・
こんなに多くの男達にオ○ンコとお尻を見られている・・・

誘われてブルーシートに寝転され、
たくさんの手で体をまさぐられるのを想像しただけで
私は軽くイってしまいました。

でも、いくら待っても男たちは声をかけてきてくれないので
私はあきらめて再び自転車に乗ってその場を立ち去りました。

途中の交差点で信号待ちしていると、
反対側に中年男性が信号待ちしていたので、
スカートをめくりあげ、その男性にツルツルの縦スジを見てもらいました。
予想通りその男性は目を丸くして私の下半身を見ていました。
信号が変わるとすれ違うまで下半身をじろじろ見てきました。
私はドキドキしながらも急いで渡り何事もなかったように通りすぎました。
150825-106.jpg

立ち寄ったスーパーで、自転車を止めると
ベンチに座ってカードゲームをしている数人の男の子たちがいました。

性教育してあげるねと思いながら、
お尻を男の子たちの方に向けて前屈みになり
自転車の鍵をかけながら、チラッと見ると、
気づいてこっちを見てくれていたので少し長めにサービスしてあげました。
『ああ・・・見られちゃった・・・』
ドキドキしながら店内に向かいました。
私の背後からは男の子たちの
「お尻見た~♪」
「パンツ履いてなかった~♪」
と歓声が聞こえました。

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10:15  |  短編集  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

2016.03.20 (Sun)

黒い瞳 16

「もうすぐよ。がんばって!」
産婦人科医が声をかける。

「ああーっ!くうーっ!!」
淳子は歯を食いしばり、力を振り絞った。

ズルッとした衝撃とともに・・・
「おぎゃああ・・おぎゃあああ!!」
けたたましい産声が分娩室に響いた。

「おめでとう!かわいい女の子よ!」
女医が、へその緒を切り、
きれいに体を拭った我が子を胸元に抱かせてくれた。

「始めまして、由紀子・・・私がママよ。」
我が子をいとしく見つめながら心の中で健太に報告する。

『健太・・・残念でした。女の子よ』
images (34)



一方、犯行現場ではSATが犯人を取り押さえ、
事件は一気に終息した。

『俺は撃たれたのか?』
何人もの足音が聞こえる。

「被疑者!確保!!・・・人質無事救出!!」
捜査員の声がする。
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『よかった。人質は無事のようだ・・・』

「1名負傷!!!タンカ!タンカ!早くしろ!!早く!!」

『俺のことか?やはり俺は撃たれたのか?』
体が急に冷たくなる。

『寒い・・・』
何人もの手が若林の体に伸びる。
ベルトを緩められ、すばやくタンカに乗せられる。

『寒い・・・俺は・・・俺は・・・死ぬのか・・・?』
体の感覚が無くなる。

『淳子・・・どこだ・・・淳子・・・会いたい・・・

淳子・・・そしてまだ見ぬ我が子・・・

ゴメン・・・俺・・・・先に逝くわ・・・・』

健太は深い闇に包まれた・・・・
images (35)




淳子は隣の小さなベッドで、
すやすやと眠っている由紀子を
飽きることなく愛しそうな眼差しでみつめていた。

母も私を産んだときに、
こうしてみつめてくれていたのかしら。
そう思うとなんだか心が温かくなった。

『早く健太来ないかしら・・・
女の子と知ったそのときの顔が見ものだわ。うふふ・・』
健太には署の方へ義母が連絡してくれているはず・・・
まだ来ないところをみると、事件の解決が遅れているのかもしれない。

そう思う反面、なんだか胸騒ぎがする・・
由紀子を産み落とした瞬間、
『淳子・・・ゴメン・・』という健太の声が聞こえた気がしたからだ。

出産の一報を聞き、駆けつけてくれた義父の顔色も悪かった。
『おめでとう・・かわいい孫を産んでくれて本当にありがとう・・
健太も喜んでいるはずだ・・・』
そういって涙ぐんだ義父。

あの涙は歓喜のあまり流した涙ではなかった気がする。
まるで悲しみの涙・・・

「ばかね淳子、なに変なこと考えてるの」
声に出し自分で自分の胸騒ぎを打ち消してみた。

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16:27  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.18 (Fri)

黒い瞳 15

~淳子19歳~

「淳子、もうすぐだな」
そういって若林は大きく膨れた淳子のお腹をさすった。

「あなた、まだ予定日まではあと10日もあるのよ。」

「10日なんて、あっと言う間じゃないか。
そうだ!俺が非番の日に帝王切開してだしちゃえ。なら、あと3日だ」

「いやだ、なに言ってるのよ。私たちの初めての子よ、ちゃんと産むわ」

「ああもう、早く生まれてくれよ。俺の息子」

「娘かもしれないわよ」

二人で相談して、生まれてくる子の性別は、
産婦人科の先生に聞かないことにしていた。

『でも、この子は女の子・・・』
淳子には確信があった。
エコーで見たわが子の影には
男のシンボルがなかったような気がしていたからだ。

『この子は女の子・・・かわいい、かわいい私たちの娘・・・』

しかし、若林は男の子だと信じて疑わなかった。
ベビー服も、おもちゃも、男の子用を用意していた。
『ふふふ・・おバカなパパさんですこと』

「なあなあ、名前・・・
俺たちの一文字を取って「淳太」ってやっぱり変かなあ?」

「いいわよ。男の子ならね。でも、女の子なら私が決めるわよ」

「ああいいさ。絶対に男に決まってるさ。なあ、淳太」
そう言ってまたお腹をさすった。

「おっ!今、蹴ったよな?」

「そうね。私は女よバカなパパさんって言ったのよ。うふふ」
淳子は、女の子なら母、由江から一文字もらい
由紀子にしようと決めていた。


それは、梅雨の中休みと言うべきか、
昨夜からのシトシトと降っていった雨があがり
久しぶりの太陽が顔をのぞかせていた。

しかし、梅雨時期独特の湿った空気が体にまとわりつき、
じっとりと汗ばむ昼下がりであった。

さて、夕飯の買い物にでかけるか。
テレビは朝から人質立てこもりのニュースでもちきりだった。
『健太が朝早くから呼び出されたのは、この事件ね』
だとしたら、解決するまで健太は帰って来ないかもしれない。

夕飯の支度、難しいなあ。
淳子の分だけでいいのか、
それとも早く解決した場合は二人分必要だし・・・

迷っているうちにお腹に痛みを感じた。
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『イタタ・・あれっ?これって・・陣痛?』
いざというときの為に、入院出産の準備は整えてある。

「初産だし、不安・・・やっぱりお義母さまに来ていただこう」
電話をすると、
嬉しそうに「そう。ようやくきたのね。
大丈夫。すぐいってあげるわ」そういってくれた。

義母が到着するころには陣痛が規則ただしく襲うようになっていた。

「まあ大変。さあいそぎましょう」
タクシーで病院へ行くと、すぐさま分娩室に入った。


一方、健太達警察と人質立てこもり犯との睨み合いは続いていた。

「課長!俺が先陣を切ります!」
立てこもり12時間・・・
犯人は苛立ち、人質の女性も体力的にきつくなりつつあった。

犯人の要求どおり食事を用意させた。
その出前もちに変装し突入を試みることとなった。
その大役を若林が買って出たのだ。

「奴は拳銃を所持している。防弾チョッキを着用すること!
そして、くれぐれも無理はするな。いいか!」
指揮をとる管理官の目も緊張と疲労からか真っ赤に充血していた。

「はいっ!」
健太は同僚から防弾チョッキを受け取ると
慎重に装着した。



「はい、ひーひーふー。がんばって。ひーひーふー」
ベテラン助産婦さんののんびりした声が分娩室に響いた。

『なにがひーひーふーよっ!こんなに痛いなんて思ってもみなかったわ!』
看護婦たちの事務的な台詞。
力をいれてもなかなか我が子はでてくれそうにもない。
額から大粒の汗が流れる。

『まったく冗談じゃないわ。この子、健太に似てしぶといんだから』

「はい、ひーひーふー。もう少しよ、そうそう頭がでてきたわ」

『うわあーっ!なんっていう痛さよ!は・や・く、でなさい!このっバカ娘!!』
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若林はビルの陰にバックアップの捜査員の姿を確かめ
アイコンタクトを取ると、おかもちを手に提げハイツの中に入った。
犯人と接触し、注意を逸らさせているうちに
裏の窓からSATが侵入する作戦なのだ。

ドアの前に立ち、中の様子を伺った。
室内からは物音ひとつしない。
ドアホンを鳴らす。

「誰だ!」
苛立ちの声を荒らげて犯人が応答した。

「まいど~。食事をお持ちしました~。」
犯人を刺激しないように、間の抜けた声を発した。

「警察だろうが!」

「とんでもないですよ。
ほんとに食事を持ってきた近所のレストランの店員ですう~」

「カギを開けてやるから、ドアを大きく開けて姿をみせろ」

カチャというカギが外れる音・・・
若林はドアを大きく開けた。
犯人が人質のこめかみに銃口を当てている。

「なんか物騒っすねえ」そう言いながら一歩踏み出した。

「動くな!メシをそこへ置いてとっとと帰りやがれ!」

『ダメだ・・・中へ入れない・・・』
言われるまま、おかもちを玄関内へ置き
立ち去ろうとしたそのとき・・・

パリン!ガラスの割れる音がした。

「くそっ!サツか?」
男が後ろを振り返り、女を自由にした。

『今だ!』
若林は中へ踏み込み、
人質の女の手を取り外へ連れ出そうとした。

「野郎!!」
若林の動きに気づいた犯人が振り返り、
犯人の銃口が若林を捉えた。
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パンッ!!
乾いた音とともに若林の側頭部に衝撃が走った。

21:17  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.17 (Thu)

黒い瞳 14

ある夜、店に訪れた若林はいつになく無口であった。

いつも以上にグラスを空け、途中、席を立ちトイレに駆け込みリバースした。
「健太・・・大丈夫?」トイレから席にもどった若林の耳元で淳子は尋ねた。
ああ、大丈夫。といいながらも若林の顔面は蒼白だった。

店が終わるまで、若林をカウンターの隅で休ませた。


「綾ちゃん、後片付けはいいから若ちゃんを送ってあげなさいな」

ママさんの好意に甘え、さあ、若ちゃん帰りましょ、と、若林に肩を貸し店を後にした。

酔い覚ましに、近くの公園のベンチに二人は腰掛けた。

若林はいくぶん酔いから醒めたようで、自販機で買った水をガブガブ飲んだ。

「いったい今夜はどうしちゃたの?」

思いつめた顔をしていた若林は「よしっ」と小さく気合を入れると、
淳子の前に回りこみ膝まづき淳子を見上げた。
そして、背広の内ポケットから小さな箱を取り出し、
箱のフタを開けながら淳子に「結婚してください」とプロポーズした。
images (23)

箱の中には小さなダイヤが付いた指輪が輝いていた。

「こんなおじさんだけど、
淳子を愛する気持ちは誰にも負けないつもりだ。
幸せにすると約束する。結婚してください」

淳子の頬を涙が伝った。
そして、その涙は過去に何度も流した悲しみの涙でなく、
初めて流す喜びの涙であった。


結婚式は仲間内で淳子が勤めているお店でおこなった。

盛大に・・・というわけにはいかなかった。
なにせ淳子には身内がいないからなのだ。
集まってくれたのは若林の身内と同僚、淳子の仕事仲間だった。

「若ちゃん、うちのナンバー1を引き抜いたんだから幸せにしてやってよ」 
ママさんが化粧が崩れるのも気にせず、おんおん泣いてくれた。

「綾ちゃん、たまには遊びにきてよね。ナンバー1の座は私が引き継ぐから」

「ちょっと、なにいってんのよ。私が引き継ぐの」

「若さからいったら私が引き継ぐべきよねえ」

ホステスたちは軽口をたたきながらも目は潤んでいた。


「若、年寄りのくせに、どえらい若いべっぴんをものにしたのお」

「早く2世を作らなきゃ還暦がきますよ」

「ムリムリ、こいつのはマグナムじゃなく12口径だからな」

「淳子さ~ん、若さんで物足りなかったら俺のところへ来なよ~」

いかつい顔の刑事たちも
アルコールが入ると茶目っ気たっぷりのおじさま族に変身した。


淳子は幸せだった。
花嫁衣裳の白のウエディングドレス姿を
母に見せてあげれなかったのが残念だが・・・


「淳子さん、いたらぬ息子ですけど、どうか添い遂げてやってくださいな」
若林の母がフロアに正座して深々とおじぎした。

「お義母さま、私こそふつつかな女ですが、よろしくお願いします」
あわてて淳子もフロアに正座して三つ指をついておじぎした。
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「なに固い挨拶をしてるんだ。
今日からは淳子さんは、わし等の娘じゃないか。
それよりも、わしは早く孫の顔がみたいわい。
なにせ片足、いや体半分、棺おけに突っ込んでるからのう」
二人の肩をポンポンと手で叩きながら立ち上がることを促しながら、
若林の父は照れながら軽口を言った。

「親父、なに縁起でもねえこと言ってんだよ」
若林も上機嫌だった。
仲間たちからお酒を勧められ、断りもせずに次々とグラスを空けていたので
すでに真っ赤な顔をしていた。

淳子は今まで孤独だと思っていたが、
こうして祝福の輪の中に入って
初めてこんなにも素晴らしい人たちが私を支えてくれていることに感謝した。

私はもう一人じゃない。
仲間がいる。
友がいる。
愛すべき健太がいる。


そして、お腹の中には・・・

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20:43  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.16 (Wed)

黒い瞳 13

~淳子18歳~

 

淳子は鏡台に向かって化粧の最後の仕上げに紅をひく。

もうすぐ、日が暮れる。
夜が淳子の出勤時間だ。



父の家を飛び出した後、淳子はとにかく逃げた。

翌朝の新聞を買いあさり、
傷害事件や殺人事件の記事を探したが父の事は載っていなかった。
案外と軽症だったのかもしれない。
それに父は鬼畜の行為がばれるのを恐れ、
被害届を出さなかったのだろう。

しかしながら、なににもまして、
淳子は生きていくために職を手に入れなければならなかった。

淳子が選んだのは夜の仕事だった。
実入りのよさに惹かれたのはいうまでもなかった。

15歳という年齢は18歳でごまかし通した。
化粧をすれば大人びた顔立ちと体つきで
すんなりと面接にパスした。

夜の仕事といっても風俗関係でなくお水の方を選んだ。

『カエルの子はカエルね』
母と同じ仕事についた自分を淳子はそう思った。
この仕事について3年。
今や面接時に嘘をついた年齢に追いついてしまった。

自分でも天職ではないかと思えるほど、
お水の仕事には早くからなじめた。

今や、お店ではナンバー1の売れっ子ホステスだ。
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お給料もトントン拍子に増え、
賃貸ではあるがマンションに住めるようにもなった。

ある夜、ご新規さんのお客さまの接客をすることになった。
席に着き、お客様の顔を見て淳子は悲鳴を出しそうになった。

なんと、母が結婚詐欺の被害にあったとき、
犯人に手錠をかけた若い方の刑事だったからだ。

「あれっ?君どこかで前に一度会ったかな?」
刑事は淳子を覚えていた。
いや、正確には母を覚えていたのだ。
それほど、淳子は母の生き写しであったのだ。

「そうかい、あの時の娘さんかい。
それでお母さんはお元気に暮らしているかい?」

あれから必死になって生きてきたこと、
そして母の死などをかいつまんで話した。

「犯人を検挙したものの、
ろくに相談にも乗ってやれず申し訳ないことをした」
そういって刑事は頭を下げた。

「ちょっと、やめてくださいよ。
さあ、頭をおあげください。
こんなとこ、ママさんに見られたら怒られちゃうわ」

「えっ?あっ、そうか。それはすまん」
そういって、また頭を下げた。

「もう、いやだわ。刑事さんったら。うふふ」

「その刑事さんというのはやめてくれないか」

刑事は若林健太と名乗った。
淳子の家で初めて出会ったのが25歳で、
現在37歳だと教えてくれた。

話をするうちに若林はこの度、仕事上で失敗をしてしまい、
落ち込む気持ちを吹っ切る為に飲みにきたのだと言った。

「しかし、この店を選んで正解だったよ。あなたのような奇麗な人に出会えたし」
そう言って、水割りをおいしそうに飲んだ。

おかわりを作りながら、綾子と言います。どうぞ、ご贔屓に。
そう笑顔で言って、グラスをテーブルに置いた。
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「それは、源氏名でしょう?本名は?」
若林は執拗に淳子の本名を知りたがった。

だ~め。教えない。
もっと、もっとお店に顔をだしてくれたら教えるわ。
淳子はそう言って営業スマイルではなく、
なぜかこの男には自然な笑みで接していた。



若林は非番の日には必ず店に顔をだした。

ついに淳子は根負けしてしまった。
「私の本名は淳子。」

「淳子かあ・・・いい名だ。
どうだろう、本名を教えてくれた記念日として、
この後、寿司でもつまみにいかないかい」

えっ?アフターのお誘い?

「こんな、おじさんが相手だといやかな?」

「いいえ、とんでもない。お付き合いさせていただきますわ」
淳子は思いがけず胸がときめいた。

アフターは何度も経験してる。
指名してくれて、お金を落としてくれる客には体も許した。
そう、何人もの男が私を抱いた。

そうやって淳子はトップになったのだから。

だが今回は違う。胸がときめくのだ。
若林のバリトンの声・・・。
均整のとれた引き締まった体躯・・・。
刑事らしからぬ甘いマスク・・・。
淳子は若林に惚れてしまったのかもしれない。

淳子はその夜、若林に抱かれた。
若林は淳子をやさしく扱ってくれた。
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今までアフターをしたあと、
男に抱かれることはあっても心は許さなかった。
ビジネスとして割り切った。

だが、若林と共にした一夜は別だった。
すばらしい一夜であった。

淳子は、若林に惚れていることを確信した。
その後もアフターを重ね、何度も愛し合った。
それはアフターというよりも、深夜のデートといっても過言ではなかった。

20:10  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.15 (Tue)

黒い瞳 12

父の陵辱は毎夜続いた。
父の男根が勃起せぬときは姓具の張形で弄ばれた。

父が外出する際は手錠をかけられ、鎖でベッドの足に拘束された。

『私は生きる屍だ・・・まるであの男の玩具ではないか・・・
悔しい・・・悔しい・・・悔しい!!』

一時は舌を噛み切り絶命の道を選ぼうとした。
しかし、それではあの男に屈服したことになってしまう。
そしてなによりも、亡き母に幸せになると誓った思いが、
絶命の道を思いとどまらせた。



「さあ、淳子。今夜はどんな体位で責めてあげようかな」
ある夜、父はそう言うと淳子をベッド上に拘束し、口をテープで塞がれた。
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『この男は私の反撃を恐れている』
父は決して男根を口に含ませたり、接吻をしようとはしなかった。
恐らく男根を、唇を、噛み千切られるのを恐れたのだ。


「そうだ。今夜は趣きを変えて、素晴らしいひとときを、お前にやろう」
男はそう言うと、
バッグから怪しげな小瓶を取り出した。
それは小さな軟膏ビンだった。
男はその軟膏ビンの蓋を開けると
怪しげなクリームを指にからませ淳子の女陰に塗りたくった。

しばらくすると秘所が燃えているように熱くなってきた。
堪らず身悶える淳子をみて男は
「舶来の高級媚薬の味はどうだ?ふふふ、たまらんだろう。」と言った。

男は淳子の秘所を掻き混ぜた。
女の部分がドーンと爆撃を食らったような衝撃が走った。
「あうっ!!うううっ!!!」
淳子はたまらずにベッドの上で身体をバタン、バタン、と跳ねた。
あっという間に淳子の秘所は白濁の泡立った。
男は潤みを確かめると、中へ入ってきた。
そのときの衝撃はまるで火箸を突っ込まれたかのようだった。

男に注送されてると、
やがて今までに感じたことがなかったのに身体が反応してしまったのだった。
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『いやだ!いやだ!私はこんな男に感じさせられている!』
頭では嫌悪を抱き男の侵入を拒んでいるのに、身体は男を求めている。

「どうだ!たまらんだろ!悶えろ!もっと悶えろ!」

『ううう・・・・』

テープで塞がれた口から喘ぎ声を漏らす自分自身が情けなく、淳子は涙を流した。
やがて喘ぎ声と共に流す涎の為に、口のテープが少し剥がれた。

一瞬、正気に戻った淳子にある考えが閃いた。

「ああ~ん・・ああ~・・」
テープの剥がれた口から悩ましい喘ぎ声をだした。

「ああ・・たまらないわ・・・お願い、身体を自由にして。
もっと快楽を与えてあげるから・・・」

「ふふふ・・・そうかい。そんなにいいのか。
では、自由にしてやろう」

「あああ・・・・お願い、早くぅ~~~・・・
今度は私が上になって腰を振ってあげる・・・」

男は媚薬を過信しすぎたのだ。
媚薬の虜になり、身も心も淫乱な女に変身を遂げたと感じていた。
淳子の拘束を外すとベッドに仰向けに寝転んだ。

「さあ、淳子。来ておくれ・・」

淳子は男にまたがり、男を埋没させる格好をした。
しかし、次に淳子が取った行動は、
すばやくベッドの宮付きに手を伸ばし、
男が愛用しているガラスの灰皿を取り、
思いっきり男の側頭部に一撃を加えた。

「ぐわあー!」
男は頭から血を噴出し苦しんだ。

「死ね!死ね!!死んじまえ!」
淳子は怒りにまかせて何度も何度も灰皿を振り下ろした。
そして男がピクリとも動かなくなったのを確認すると
淳子は衣服を身に着け、一目散に屋敷を後にした。
19:07  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.14 (Mon)

黒い瞳 11

「お父さん、失礼します」
寝室を訪ねると、父は上半身を裸にして、ベッドに横たわっていた。

「肩が凝って堪らないんだ。よろしく頼むよ」
肩を指で押すと、父の言うように、カチカチだった。

20分ほどマッサージを続けると、ようやく肩がほぐれてきた。

「淳子・・・」
おもむろに父が問いかけた。

「はい?」

「お前は自分の血液型を知っているかい?」

「ええ、A型ですけど・・・」

「そうだったね・・・私は・・・O型だ」

「・・・・?」

「お母さんもO型だった・・・これが何を意味するかわかるかね?」

「お父さんもお母さんもO型・・・それがなにか?・・」

「血液型の組み合わせって決まってるんだよ・・・
O型同士の父母からは、A型の子供は生まれないんだよ!」

え?・・・・それって・・・

「そう、つまりお前は私とお母さんの間の娘ではないということだ!!」
父はおもむろに起き上がり、淳子を組み伏せた。

「お前は私とは赤の他人なのだ!」
父は私のシャツを引き裂き、胸に顔を埋めた。

「いや!お父さん!なにを・・・」
暴れて抵抗する淳子の頬を父の大きな手が振り下ろされた。
バンッ!大きな音と共に淳子の意識がとんだ。
その隙をぬって、淳子はあっという間に身包みを剥がされた。

意識が戻ったときには淳子の股間に父の熱いたぎりを感じた。
「いやあー!!お父さん!やめてえー!!!」
淳子の許しを乞う声を無視して
父は亀頭を淳子の陰唇をめくるように充てがった。

そして一気に貫かれた。
熱い肉棒に串刺しされ、涙がとめどもなく溢れた。
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「ひどい!ひどすぎます!」
淳子の耳には、父の、はあっ、はあっ、という荒い息づかいしか聞こえてこなかった。

初めて男性を受け入れた感動も淳子には与えられなかった。
ただ父に処女を奪われた痛みと犯された悲しみと怒りだけが淳子を支配した。

「お前は、これから私に尽くすのだ!私を愚弄したお前の母の罪をお前が償うのだ!」
うぉぉー、という野獣の雄たけびと共に、父は淳子の中へ熱いものを注ぎ込んだ。


淳子を陵辱し、満足しきった父はタバコに火をつけ一服するとフーっと紫煙を吐き出した。
「どうだ、女になった気分は」
淳子は父に背を向け、シーツに包まり止めどもなく涙を流した。
「鬼・・・」

「ん?なんだって?」

「あなたは鬼だわ!娘を犯して!人の皮を被った鬼よ!」

父はタバコを、ベッドの宮付きに置いてある灰皿に押し付けて揉み消すやいなや、
淳子の髪を引っつかみ自分の方に振り向かせた。

「鬼だと!では、お前の母はどうなんだ!
他の男の子種で生まれた子を我が娘と騙し、
のうのうと母と妻の座に胡坐をかき、自分の事は棚に置き私を責めたのだぞ!!」

「それは、あなたと母の間の確執ではないですか!
私にその怒りをぶつけるなんてひどすぎます!」

「ふん、あの女が生きていて、私の前に現れたのなら、
もっとひどい凌辱をくれてやったわい!」
そう言うと再び昂ぶってきたのか、猛々しくそそり立った男根を、
処女喪失の証で赤く染まった女陰に荒々しく突っ込んだ。
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「いやっ!やめてくだい!!」

「うるさい!お前は母の過ちを私に償うのだ!
これから毎夜、私を満足させるのだ!」
悪魔のように叫びながら男は腰を振り続けた。
20:12  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.08 (Tue)

黒い瞳 10

父は静かに語り始めた。
「確かに不倫をしてしまったのは、私の不徳のいたすところだ。
だが、あなたの母も清廉潔白な女ではなかったのだ。
あいつには、私のところへ嫁いで来る前に、交際をしていた男がおった。
私は男に金を握らせ、身を引かせた。
しかし、私の目を盗み、二人は通じあっておったのだ。
私の不倫生活が3年になろうとしたときに、
あなたの母は私に不倫を清算してほしいと懇願した。
私は不倫相手に恋愛感情などもっていなかった。
だが、若かった私は不倫をひとつのステータスと考えていたのだ・・・・」

そこまでを一気に語り、父は一口、茶をすすり喉を潤した。

「不倫の清算は、私が来るべきときに私自身の手で幕を下ろそうと考えていたのだ。
あいつに促され精算するなど、もってのほかだと思ってしまった。
あいつは、煮え切らない私の態度をなじった。
私は、ついカッとなり、あいつに手をあげてしまったのだ。
感情が昂ぶってしまった私は、言ってはならぬ言葉をあいつに投げてしまったのだ」
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当時の事を思い出してるのか、父の手は微かに震えていた。

「そういう、お前はどうなのだ。私が何も知らないとでも思っているのかと・・・
この、売女(ばいた)となじってしまった。
あいつは狼狽し、喚きたてた。その態度をみて、
私はまだあいつと男が通じ合っているのだと確信した。
あいつは、私と別れて家を出て行くと言った。
男のところへ行くのは明らかだった。
あいつが家をでたあと、その筋の者に手を回し、男を懲らしめてくれと依頼した。
あなたの話を聞く限り、どうやら男はあいつの前から姿を消したようだな・・・」

ふふふ、と父は静かに笑った。

「私のことを、身勝手な男だと思っておるだろな。
度量の小さな男だと・・・
本質は些細なことではないのだが・・・」

それは今はまだ、話すべきではないだろうと話を結んだ。

「それはそうと、あなたはこれからどうするのだね。」

その相談にきたのです。まだ私を娘と思っているのなら、
なんらかの援助をお願いしたいのです。
そう話そうとする前に父が口を開いた。

「よければ、この家で暮らさないか?
私はごらんのとおり気ままな一人暮らしだ。
あなたも私以外に身寄りもないのだし・・・
そうしなさい。ここで暮らしなさい」

父娘として、もう一度やり直そうと言う父の言葉に甘え、
淳子は父と暮らし始めることにしたのだった。



父は淳子によくしてくれた。
流行の服を買い与え、お茶やお花といった習い事もさせてくれた。
二人のわだかまりも消え、穏やかな日々が流れていった。


ある夜、淳子は入浴中の父に声をかけた。
「お父さん、もしよければ、お背中お流ししましょうか?」
淳子なりに父への感謝の気持ちから、でた言葉であった。

「えっ?そりゃあ、嬉しいなあ。」
淳子は急いでTシャツと短パンに着替え、
浴室に入り、父の背中を流してあげた。

「こりゃあ、気持ちいい。至り尽くせりだな」
父の言葉に嬉しくなった淳子は
「お父さん、お風呂からあがったら、肩と腰を揉んであげる」と言ってあげた。

「ほんとうかい?こりゃあ淳子にご褒美あげないと罰があたるかな?」
そういって父は豪快に笑った。

「淳子、一生懸命洗ってくれて汗をかいたろう。
服を脱いで一緒に風呂に入りなさい」

「えっ?それはちょっと・・・」

「なにを恥ずかしがってるんだね、親子じゃないか。さあ、早く」
父は背を向け湯船に浸かった。

それじゃあ、お言葉に甘えてと淳子は服を脱ぎ、湯船に入った
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恥ずかしいからこっちを見ないでね。
そう言って、背中合わせに湯船に浸かっていると、
父の大きな背中に安心感を感じた。

「これがほんとの父娘水入らずだな。」
そういって、はははと再び豪快に笑った。

二人は風呂からあがり、居間でくつろいだ。


「淳子、ほんとうにマッサージをしてくれるのかい?」
水割りを飲みながら、父が尋ねた。

「ええ、あとで寝室で揉んであげるわ。」

「そうかい?そりゃあ楽しみだ。じゃあ、寝室で待ってるからね。」
上機嫌で鼻歌まじりで父は寝室へ消えた。

そう言って、父は寝室へと消えていった。
17:08  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.05 (Sat)

黒い瞳 9

これから、どうしよう・・・

パートの収入だけでは、かなり苦しい生活になるだろう。



母の父母は母が若いころに亡くなったと生前に母に聞いていた。
祖母や祖父がおれば、相談することもできただろうにと淳子は途方にくれた。

そうだ、お父さん・・・
幼い頃に別れて、顔も知らないけれど私の唯一の肉親・・・

父に相談してみよう、もしかしたらなんらかの援助をしてもらえるかもしれない。

たしか母の遺品を整理しているときに、古びたバッグがあった。
母が家を飛び出すときに持ち出した、唯一の持ち物だったのだろう。

その中から出てきた書簡。
住所は淳子が見知らぬ地名が書かれてあった。
そして母の名字も違っていた。
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これは恐らく離婚前の姓・・・
そして母が父と暮らしていた住所?・・・

そこに父はまだいるだろうか?



1通の書簡の住所を頼りに
淳子はそこを訪ねてみることにした。

書簡の住所をたよりに訪ねてみると、
そこはかなり立派なお屋敷だった。

ここに若き母と幼き自分が暮らしていたのだろか。
表札の姓は間違いなく母の書簡と同一であった。

訪ねてみたものの、
いざとなると怖気づき呼び鈴を押すことを躊躇した。

そうこうするうちに、門扉が開き、壮年の男性が姿を現した。
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男性は淳子に気付くとハッと息をのんだ。
「・・・あなたは、ひょっとして淳子ではないのか?」

「えっ?・・・はい・・・淳子です。どうして私だと気付かれたのですか?」

「あなたは、若いころの妻に・・・・あ、元妻にね瓜二つなんですよ。
よく訪ねてきてくれた。さあ、どうぞ中へ・・・」

話を聞くうちに、その壮年の男性こそが父なのだと判った。

「あなたたちが、この家を出て行ってから10年・・
いや12年になるか・・・ちなみにお母さんは元気で暮らしているのかい?」

「ええ・・・実は・・・」
淳子は母が病でこの世を去ったこと、
母の遺品の中から書簡を見つけ、ここを訪れたこと、
自分にはもう父であるあなたしか身寄りがない事を話した。

「そうだったのか・・・死んでしまったか・・・」
父はなにかを悔いるように応接室のテーブルに視線を落とした。

「あなたは、私たちが離婚した理由をお母さんから聞いたことがあるかい?」

「いいえ。」

「私たちは若かった・・・いや、若すぎたんだよ・・・
あなたを身ごもった時期に私は浮気をしてしまった。
いや、決して本気の恋愛ではなかった。
あなたがお腹にいることで、夫婦生活はしばらくご法度となった・・・
私は性欲の捌け口を他の女性に求めた・・・」

父母の離婚の原因・・・今、父の口から真実が聞けるのだ。
06:40  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

2016.03.02 (Wed)

黒い瞳 8

~淳子15歳~

月日は流れ、淳子は綺麗な娘になった。
淳子の成熟が増すにつれ、母の老いが目立ち始めた。
今や春を売る稼業も閑古鳥が鳴いていた。

「淳子、中学校を卒業したらどうするんだい?」
ある日、母は淳子に問いかけた。

級友たちは、みんな進学するという。
だが、淳子は勉強ができる子ではなかったし、
母に負担をかけたくなかったので進学する気など毛頭なかった。

少しの金額でも稼いで、
苦労してきた母に楽をさせてあげたいと考えていた。
働きたいと母に告げると、
「働く?働くといっても今のご時勢じゃあ、
中卒の女を雇ってくれるとこなどそうそうないわよ」
お金の心配などしなくていいのだから、
進学を考えてみてはどうかと勧められたが、淳子の思いは変わらなかった。

「常用雇用でなくてもいいの。パートでもなんでもいい。私、働く。」
淳子の意思は固かった。


中学を卒業すると、淳子は近所にあるスーパーのレジ打ちのパートを始めた。
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時給は、ほんの小遣い程度であったが、
初給料の袋を母に手渡すと、ありがとう、ありがとうと何度も喜んでくれた。

その頃から、母は目に見えて痩せてきた。

どこか、体の具合が悪いのなら、
お医者さまに診てもらったほうがいいと何度も勧めたが、
少し疲れているだけだと首を縦に振ろうとはしなかった。

やがて顔色もかなり悪くなり、
素人の淳子が見ても黄疸だという症状が出始めた。

ついに本人も辛さに耐えかねて、医者の診察を受けたのだった。
診察後、母は緊急入院となった。

診察結果は胃がんであった。

診察した医師の話によると、余命3週間という残酷な告知を受けた。

淳子は、頭の中が真っ白になった。どうすればいいのだろか?
母には、告知することができなかった。

おかあちゃん、あと、3週間で死んじゃうんだって・・・
そんなこと、口が裂けても言えない・・・

点滴と投薬のおかげで少しは楽になったのか、
母は穏やかな顔をして眠っている。

まだまだ、母に教わらなければならないことが一杯あるのに。
まだまだ、母と語り合いたいのに。
まだまだ、母に親孝行できていないのに。
まだまだ・・・まだまだ・・・・
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医者の宣告どおり、母は入院して3週間後に息を引き取った。
亡くなる5日前から意識は混濁し始め、ごめんね、ごめんね、と、うわ言を繰り返した。
思えば、母はいつも淳子を抱きしめては、ごめんねと言っていてたっけ・・・


福祉の葬儀は、棺おけも質素で、
読経もなく、位牌もなく、あまりにもあっけなく荼毘された。

小さな骨壷となった母を抱きしめ、淳子は涙を流さず心で泣いた。

おかあちゃん、淳子、幸せになるから。
おかあちゃん、淳子、おかあちゃんの娘でよかったよ・・・
22:05  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

2016.03.01 (Tue)

黒い瞳 7

~淳子10歳~

また、日曜の夜が来た。
淳子にとって憂鬱な夜がやってきた。

母は4年前の詐欺事件で変わってしまった。
夜のお勤めで目をつけた男をお店の定休日である日曜の夜に、
男を自宅に連れ込み肉体関係を持つようになった。

それも、お金を頂き、肉体関係を結んだ。
いわゆる春を売るというやつである。

母はお金を持っている男であれば、自分の好みでない男とも平気で寝た。
事が済むまで淳子は暗い押入れの中で息を潜め、
母の喘ぎ声に耳を塞ぎジッと耐えた。


今夜もまた、母を目当てに男がやってきた。
淳子は、素早く押入れに身を隠し息を潜めた。

「本当に、2万でいいんだね」
男が言った。

淳子は胸がドキッとした。
なんとも耳に心地よいバリトンの声の持ち主だったからだ。

どんな人なんだろう。
淳子はそっと襖をすべらせ、わずかな隙間をつくって盗み見た。

体躯の逞しい2枚目だった。
男と母はそそくさと服を脱ぎ、寝床に横たわった。
会話も惜しんで二人は事をやりはじめた。

男のイチモツはあの詐欺男のように猛々しくはなかったが、
淳子はその男のモノがきれいだと感じた。
色ツヤといい、反り具合といい、
淳子の感性が好みのイチモツだと知らせていた。

いつもは押し入れの中で耳を手で覆い、しっかりと目をとじていたのだが、
なぜか覗き見るのをやめることができなかった。
男は布団の上に大の字に寝転がり、
母は男が大きく開いた脚の間にしゃがみこんで屹立した男のイチモツを咥えこんでいた。
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二人の交わりを見ているうちに淳子は異様に興奮した。
誰にも教わっていないのに自然と自慰に目覚めた。

股間がムズムズするので手のひらをワレメに押し当てた。
たちまち電撃が脳天を貫いた。
『ああ・・・なんて気持ちいいんだろう・・・』
母が男に挿されて喘ぎ声を発する気持ちが理解できた。

こんなに気持ちいいことをしてもらいながらお金を頂けるなんて
ちょっぴり母が羨ましかった。

陰核を刺激したり指を挿入するということは知らなかったが
それでも手のひらを使ってワレメを撫でれば
気持ちいいということがわかった。
そしてその気持ちよさがどんどんと加速して
頭の中が真っ白になっていくのを覚えた。
男と母が達すると同時に、淳子も昇りつめた。


その夜、男が帰ってから、
淳子は母にさっきの男はお父さんになってくれないだろうかと聞いてみた。
母は大きな声で笑い出し
「やっぱり、親子だねえ、男の好みまでそっくりだよ」といった。

でもね淳子、あの人には奥さんがいるんだよ。残念だったネエ。と言って
また大声で笑い出した。

奥さんがいるのに、他の女の人とするの?と尋ねると、
男ってそういうもんなんだよ。覚えておきな。と話してくれた。

次の日曜日にも、先週と同じ男がやってきた。

2万円を母に手渡すと、事を始める前に男が話し出した。
「どうだろう、真剣に僕と交際してもらえないだろうか?」

「ちょっと、急になにバカなことを言い出すのさ」
母はあんたなんか真剣に相手できないよ。と言いながらも、
実に嬉しそうな顔をした。

「いや、僕は本当にあんたに惚れてしまったんだ」

「あんたにゃ、奥さんがいるじゃないの」
ほら、さっさとわたしを抱いておくれよと言って、
母は布団の上に寝転んで脚を開いた。

「あいつとは別れるつもりだ。この話、真剣に考えてはもらえないだろうか?」

「奥さんと別れてからの話だねえ」
きっと別れるからさと言いながら男は母の股間に顔を埋めた。


やった!
淳子は喜びのあまり押入れから飛び出したくなった。

奥さんと別れたら、あの男は私のお父さんになるんだ!
お父さんになったら、銭湯で体を洗ってもらおう。
淳子もお父さんの体を洗ってあげよう。
あの、きれいな男性自身もちゃんと洗ってあげよう。

襖の向こうでは母と男が営みに励んでいた。
母は男がイキそうになるのを感じ取ると、さりげなく体を反転させて
男に馬乗りになった。
「ねえ・・・イキそう?イキたくなったらイっていいんだからね」
そう言いながら、なんとも妖しげな腰の動かし方をした。
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「おお!!たまらん!・・・イ、イク!!!」
男がそう口走る前に、母は腰をあげた。
肉壺を失ったイチモツは、情けなくビクンビクンと跳ねながら
白い液を己の腹にぶちまけた。

男と女の営みを終え、
男が身支度を済ませ帰るやいなや、淳子は押入れから飛び出し母に言った。

「お願いだから、あの人を淳子のお父さんにしてよ」

「あんたもなにバカな事を言ってるの」
湯で絞った手ぬぐいで体を拭きながら母は呆れていた。

「だって、あの人、奥さんと別れるって言ってたよ」

「いいかい?よくお聞き、
妻と別れるから付き合ってくれってのは男の常套手段なんだよ。
ああいう事を言う男に限って女房とは別れないもんさ」

「そうなの?」
淳子は心底がっかりした。

「それじゃあ、あの男の人がちゃんと奥さんと別れたら、お父さんにしてもらえる?」
諦めきれずに、淳子は懇願した。

「別れたらの話だけどね」
そんな話をしながら、母は寂しそうな顔をした。


 
しかし、男は2度と家にはやって来なかった。

母に聞いたところ、
母が夜のお勤めをしているお店にもプツンと姿を見せなくなったそうだ。
どうやら夜遊びが奥さんにバレて出歩かせてもらえなくなったらしいのだ。

男の甘い誘いには軽はずみで乗ってはいけなのだと淳子は一つ学習した。
22:30  |  黒い瞳  |  Trackback(0)  |  Comment(2)
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