2ntブログ
12月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫02月

2016.11.27 (Sun)

JUN 20(あすか原作)

。。。。。。。。。。。。。。。


卓也はタクシーで美智子のマンションの前まで駆けつけた。
車内で何度も美智子に電話をかけたが、虚しくコールが続くだけだった。

タクシーを乗り捨てると、ダッシュでエントランスに入るや否や
美智子の部屋番号をプッシュした。

「・・・・・」
応答がない・・・。もう一度プッシュしてみた。

「・・・・・」
同じく応答がない・・・

くそっ!!!いないのか?・・・

冷静になれば平日の真昼間に在宅しているはずがないと気づくはずだったが
頭に血がのぼっている卓也にはそんな考えは思い浮かばなかった。

卓也は美智子に教えられた暗証番号をプッシュした。
ポーンという電子音とともにガラスドアが開いた。

いつもは高速エレベーターだと思えた速度がやけにじれったかった。

ポケットから合鍵を取り出すと、解錠し、荒々しくドアを開けた。

「美智子~~~!!!!」
さほど広くないワンルームマンションであったが室内までがやけに遠く感じた。

クローゼットが開きっぱなしで、洋服がベッドの上に何着か乱雑に置かれていた。
ふとテーブルに目をやると『卓也へ』という置手紙があった。

~卓也へ・・・・
ごめんね・・・・私・・・・汚れちゃった・・・・~

たった2行の置手紙・・・
美智子・・・どこへ行ってしまったんだ・・・・


「・・・・」「・・・・・」「・・・・・・」
スーツの内ポケットでスマホのバイブが震えた。
!!美智子なのか!!!!
慌てて画面を見てみると、部長の青柳からだった。

「受話」をタップすると
耳に押し当てるまでもなく『こら~~~大杉!!君は何をやっているんだ!!!』
と罵声が聞こえた。
『今からすぐ社に戻ってこい!』
今から・・・腕時計を確認した。
今から戻ったところで終業時間じゃないか・・・・
「部長すいません・・・・しばらくお休みをください」
『この電話で済まそうというのか!話がある。とにかく戻ってこい!業務命令だ!』

有無を言わせなかった。
当然だ。同僚を殴り飛ばし何も言わずに会社を飛び出したのだ。
厳しい謹慎命令か悪けりゃクビだな・・・
その辞令を受けに来いと言うのか・・・・

卓也は足取りも重く会社に歩を進めた・・・・


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


純子の部屋のインターホンが鳴った・・・・
時計に目をやると、沖島が来ると言っていた時間だった。
インターホンの応答もせずに純子はロックを解錠してやった。

まもなく沖島が純子の部屋にやってきた。
おそらくこれから地獄図が描かれていくのだろう・・・
純子はいたたまれなくなって部屋を飛び出そうとした。

「どこへ行く・・・」
沖島が引き止める。
「仕事よ・・・」こんな部屋にいるぐらいなら仕事に出かけたほうがマシだと思った。

「しばらく仕事を休んでもいいぐらいの金は渡した筈だが・・・」
彼女がいたぶられるのを見たくないの!
そう捨て台詞を残し純子は逃げた。



卓也が会社に戻った時間は就業を終え、
残業者がポツリポツリと残っているだけだった。

『おいおい・・・また騒ぎを起こしに帰ってきたのか~?』
居残り組みの冷やかな眼がそう言っていた。

いたたまれない気持ちで
重い足を引きずりながら部長室のドアをノックする。


「どうぞ入りたまえ・・・」
中から慇懃な声が返ってきた・・・

出来ることなら待ちくたびれて帰宅していてくれと願っていたが
どうやら願いは叶わなかったようだ。

「・・・・失礼します・・・」
一呼吸おいて、ドアを開け足を踏み入れた。

部長がデスクの向こうで、般若のような顔をしてこちらをにらんでいる。

「・・・で、今日はどうしてあんなことをした・・・」
言えなかった・・・言ってみたところで何一つ確証はないのだから。
同僚に挑発され、ついカッとなってしまったのだとどうして言えようか・・・
「・・・・・・・」

「言い訳さえできぬか・・・
私はね、君を買っているんだよ。業務成績だって優秀だ。発想もおもしろい。
だからつまらぬことで躓いてほしくないのだよ。・・・
少し疲れているのではないか?」

「いえ・・・そんなことはないです」

「ストレスでも溜まっているんだろう・・・よしっ!今夜は俺に付き合え!」
有無を言わせぬ強引さだった。
飲みに連れて行くとでも言うのか・・・
俺にはそんな悠長なことをしている暇などないんだ・・
美智子の行方を一刻も早く知りたいと思うのだが・・・・
「わかりました・・・お供させていただきます・・・」
なんと情けない男だ・・・・
部長に自分のことを買っていると言われて断れなくなるなんて・・・
そこまで自分が可愛いのか・・・・
俺って・・・・最低だ・・・・



部長に連れて行かれたのは小洒落た居酒屋だった。

「まあ、一杯飲め・・・」
まずい酒になるのはわかっていた。
しばらくお付き合いしたらそそくさと帰らしてもらおうと思っていた。

「昨日、沖島くんが提出した企画書な・・・
あれお前のものだろ?要はパクられたんだろ?」

「どうしてそれを・・」

「俺は伊達(だて)に部長職を張ってるわけじゃないぞ・・・
あの文面・・・あの考え方・・・奴にはムリだ・・・
今朝の騒動を耳にしてハッキリと確信した。
今回の企画はおそらく上層部もOKサインをだすだろう・・
だが、奴には仕切れない。奴はそういう器じゃないんだ。
仕切るのはお前だ。その状況になったときに見返してやればいい。そうじゃないのか?」

要は企画書は奴のものでいいではないか。これ以上騒ぐな。
後でうっちゃってしまえばいいではないかと言うことか・・・・
そんなことはどうでもいい。
今、重要なのは美智子に会って真相を聞きたい。それだけなのだから・・・

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

19:39  |  JUN(コラボ作品)  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

Comment

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://hawks5810.blog.2nt.com/tb.php/280-15d045c0

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME |