2017.09.03 (Sun)
バツイチと呼ばないで 12
「ちょっと待って。康ちゃんは赤坂さんが好きなの?」
コクリと静かに肯いた。
「そっか~、そうなんだ…」
美穂子にしてみれば思春期の男の子に訪れる年上の女性に憧れる熱病なものだと思った。
「でも、康ちゃんはまだ高校生じゃない。
年上の女性に憧れるのもいいけどきっと同じ高校生の素敵な彼女が現れるわよ」
「僕たちは愛し合ってるんです!」
ああ…言ってしまった…二人だけの秘密の恋なのに…
でも心のどこかに二人の恋愛を誰かに話したかったのかもしれない。
二人は愛しあっているのだと宣言したら堰を切ったように康介は洗いざらい美穂子にうち明けた。
キスをしたこと、フェラをしてもらったこと、愛撫しあったこと、
そして…その事を蒼太に見られて黙っている代償にアヌスを犯されたこと、
フェラを強要されたこと。話しながら康介はしゃくり上げて泣いていた。
「待って!待って!それじゃあ、うちの蒼太が…ゲイだって事?」
美穂子は体中が震えだした。
まさかそんな…蒼太が同性愛者だなんて…
その頃蒼太は市内を流れる川の土手で途方に暮れていた。
上半身裸でズボンだけを穿いて家を飛び出したので
財布も持ちあわせておらず自販機でコーヒーも買えずに困り果てていた。
裸の上半身に真夏の太陽が照りつけ、日焼けしてしまい肩がかなり赤くなっていた。
さて、どうしたものか…
ぐうゥ~と腹の虫が鳴った。
考えれば昼飯さえまだ食っていなかったことに気づいた。
「まあ、見られちまったからには仕方ねえ…母さんには正直に話すか…」
立ち上がり尻の汚れをパンパンと勢いよく叩くと口笛を吹きながら家路についた。
蒼太の家を後にした康介は胸のつっかえが取れて何だか気分がすっとしていた。
『そうなんだ。何も隠す必要なんかないんだ。
愛しあっているんだから堂々としていればいいんだ』
胸を張って前を見据えたとき、視界に蒼太の姿を見つけた。
「よおっ!」何事もなかったかのように蒼太は片手を上げて康介に挨拶した。
「先輩…僕、すべておばさんに話しました」
「そうか…母さん、びっくりしてたろう?」
「僕と希美子の事よりも…先輩が…その…」
「俺が同性愛者ということに驚いていた?」
「まあ…うん、そうだね」
「そりゃあ驚くわな」
そう言うと豪快に笑った。
「俺からちゃんと母さんに話すよ」
「うん、がんばって…」
「無理やり尻に突っ込んだりしゃぶらせて悪かったな。
けどこれだけは言っておく。俺は本当にお前が好きだ」
うん、わかってる。言葉にせず康介はただ肯くだけだった。
康介はその夜は食欲もなく夕飯をパスして部屋に籠もった。
美穂子に話したように母にもちゃんと希美子の事を話せるだろうか…
さてどうしたものかと思案しているとお隣の希美子の寝室に灯りが灯った。
希美子がカーテンを開けて康介の姿を見つけると笑顔で手を振った。
『電話していい?』
親指と小指を立てて通話ポーズをしながら希美子の口がそう動いていた。
うん。いいよと肯くと希美子はスマホを取り出し操作し始めた。
若干のタイムラグがあった後、康介のスマホが震えた。
「はい」
『こんばんは』
希美子がガラス窓の向こう側で微笑む
『あれっ?どうしたの?』
浮かない表情の康介に何かあったのかと希美子が聞いた。
康介はひょんな事から裏の蒼太母子に希美子との関係がバレたと告白した。
「俺、希美子と付き合っていくことにしたと母さんに話すよ」
『ちょ、ちょっと待って。それはまだ早いわ』
康介にしてみれば希美子との関係をオープンにして堂々と手をつないで街を歩きたかったしデートもしたかった。
希美子にしても同じ思いだったが、年齢差が違いすぎると思いを巡らせた。
もし、自分に息子がいて
自分と年齢の変わらない女と息子が付き合いたいと言い出したらどんな気持ちだろうかと思った。
『もう少し、もう少し時間をちょうだい…』
康介を好きな気持ちに偽りはないがお互いにもっとよく知ってからでもいいんじゃないかしらと諭したが、
そのためにもオープンにしてお互いを知っていく必要があると康介も譲らなかった。
会話が堂々巡りをし始めた頃、希美子の家のインターホンが鳴った。
『ごめん…お客さまだわ。この事は明日ゆっくり話しましょう』
一方的に通話が切れた。
そっちから誘ってきたくせに…
僕をメロメロにさせたのは希美子なのに…
いざとなったらちょっと待てだって?
ひどいじゃないか!
康介は真っ暗な部屋の中で身じろぎもせずに隣の希美子の寝室を凝視していた。
コクリと静かに肯いた。
「そっか~、そうなんだ…」
美穂子にしてみれば思春期の男の子に訪れる年上の女性に憧れる熱病なものだと思った。
「でも、康ちゃんはまだ高校生じゃない。
年上の女性に憧れるのもいいけどきっと同じ高校生の素敵な彼女が現れるわよ」
「僕たちは愛し合ってるんです!」
ああ…言ってしまった…二人だけの秘密の恋なのに…
でも心のどこかに二人の恋愛を誰かに話したかったのかもしれない。
二人は愛しあっているのだと宣言したら堰を切ったように康介は洗いざらい美穂子にうち明けた。
キスをしたこと、フェラをしてもらったこと、愛撫しあったこと、
そして…その事を蒼太に見られて黙っている代償にアヌスを犯されたこと、
フェラを強要されたこと。話しながら康介はしゃくり上げて泣いていた。
「待って!待って!それじゃあ、うちの蒼太が…ゲイだって事?」
美穂子は体中が震えだした。
まさかそんな…蒼太が同性愛者だなんて…
その頃蒼太は市内を流れる川の土手で途方に暮れていた。
上半身裸でズボンだけを穿いて家を飛び出したので
財布も持ちあわせておらず自販機でコーヒーも買えずに困り果てていた。
裸の上半身に真夏の太陽が照りつけ、日焼けしてしまい肩がかなり赤くなっていた。
さて、どうしたものか…
ぐうゥ~と腹の虫が鳴った。
考えれば昼飯さえまだ食っていなかったことに気づいた。
「まあ、見られちまったからには仕方ねえ…母さんには正直に話すか…」
立ち上がり尻の汚れをパンパンと勢いよく叩くと口笛を吹きながら家路についた。
蒼太の家を後にした康介は胸のつっかえが取れて何だか気分がすっとしていた。
『そうなんだ。何も隠す必要なんかないんだ。
愛しあっているんだから堂々としていればいいんだ』
胸を張って前を見据えたとき、視界に蒼太の姿を見つけた。
「よおっ!」何事もなかったかのように蒼太は片手を上げて康介に挨拶した。
「先輩…僕、すべておばさんに話しました」
「そうか…母さん、びっくりしてたろう?」
「僕と希美子の事よりも…先輩が…その…」
「俺が同性愛者ということに驚いていた?」
「まあ…うん、そうだね」
「そりゃあ驚くわな」
そう言うと豪快に笑った。
「俺からちゃんと母さんに話すよ」
「うん、がんばって…」
「無理やり尻に突っ込んだりしゃぶらせて悪かったな。
けどこれだけは言っておく。俺は本当にお前が好きだ」
うん、わかってる。言葉にせず康介はただ肯くだけだった。
康介はその夜は食欲もなく夕飯をパスして部屋に籠もった。
美穂子に話したように母にもちゃんと希美子の事を話せるだろうか…
さてどうしたものかと思案しているとお隣の希美子の寝室に灯りが灯った。
希美子がカーテンを開けて康介の姿を見つけると笑顔で手を振った。
『電話していい?』
親指と小指を立てて通話ポーズをしながら希美子の口がそう動いていた。
うん。いいよと肯くと希美子はスマホを取り出し操作し始めた。
若干のタイムラグがあった後、康介のスマホが震えた。
「はい」
『こんばんは』
希美子がガラス窓の向こう側で微笑む
『あれっ?どうしたの?』
浮かない表情の康介に何かあったのかと希美子が聞いた。
康介はひょんな事から裏の蒼太母子に希美子との関係がバレたと告白した。
「俺、希美子と付き合っていくことにしたと母さんに話すよ」
『ちょ、ちょっと待って。それはまだ早いわ』
康介にしてみれば希美子との関係をオープンにして堂々と手をつないで街を歩きたかったしデートもしたかった。
希美子にしても同じ思いだったが、年齢差が違いすぎると思いを巡らせた。
もし、自分に息子がいて
自分と年齢の変わらない女と息子が付き合いたいと言い出したらどんな気持ちだろうかと思った。
『もう少し、もう少し時間をちょうだい…』
康介を好きな気持ちに偽りはないがお互いにもっとよく知ってからでもいいんじゃないかしらと諭したが、
そのためにもオープンにしてお互いを知っていく必要があると康介も譲らなかった。
会話が堂々巡りをし始めた頃、希美子の家のインターホンが鳴った。
『ごめん…お客さまだわ。この事は明日ゆっくり話しましょう』
一方的に通話が切れた。
そっちから誘ってきたくせに…
僕をメロメロにさせたのは希美子なのに…
いざとなったらちょっと待てだって?
ひどいじゃないか!
康介は真っ暗な部屋の中で身じろぎもせずに隣の希美子の寝室を凝視していた。
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