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2017.09.07 (Thu)

バツイチと呼ばないで 13

希美子宅への夜の訪問者は笹崎だった。
ドアを開けて招き入れるとずかずかとリビングまで進むとソファにどっかりと腰を降ろした。
「どうしてここが…」
笹崎には転居先を秘密にしていた。
密かに笹崎から別れるつもりだった。
「水くさいではないですか、黙って引っ越すなんて。
何度電話してもなしのつぶてという態度は好きではないですなあ」
「どうしてここがわかったんですか?」
「今の世の中、GPSという便利なものがあるのですよ。
将来的にこんなこともあろうかと貴女のスマホに細工させていただきました」
「ひどい…」
「ひどいのは君だ!私には君が必要なんだ。君だって私が必要なはずだ。違うかね!」
確かに安定した暮らしを望むのであれば笹崎という男にくっついていた方が良いのであろう。
だがその見返りに躰を求めて来られるのが何よりも苦痛なのだ。
「肉体関係なしでお互いに仕事のパートナーとしてお付き合いしてくださるのでしたら
私は喜んであなたとお仕事をさせていただきますわ」
「すでに心は私から離れていると言うのだね」
離れるもなにも最初から今まで一度たりとも心を通わせたことなどなかった。
「…わかった」
少しばかりの沈黙の後、笹崎はポツリとそう言った。
「君の意見を尊重しよう」
笹崎は立ち上がって右手を差し出した。
今後は仕事のパートナーとしてだけの関係でよろしく頼むと言った。
「わかってくださって嬉しいわ」
希美子が握手しようとした瞬間、笹崎は身を翻して希美子を羽交い締めにした。
そしてポケットからハンカチを取り出すと希美子の鼻と口を塞いだ。
「な、なにを…」
希美子の意識が朦朧とする。
ハンカチには薬品が染みこんでいた。
希美子は朦朧としながらもかろうじて意識があった。
「ちっ!時間がかかったから効果が薄れたか」
本当はぐっすりと眠らせたかったのだが…そうつぶやきながら笹崎は希美子を抱えて寝室に向かった。
希美子をベッドに放り投げると笹崎は鞄からカメラを取り出した。
今後も肉体関係を強要するために裸の写真を交渉の道具にするつもりだ。
完全に眠らせることができなかったので希美子を裸にするのに少々手間取ったが
おかげでベッドのシーツも適度に乱れて淫らな雰囲気を醸し出せそうだった。
希美子を大の字にさせると笹崎はカメラを構えた。
『お前は私のものだ。お前は私から逃げることなどできないのだよ』
シャッターを押し込むとフラッシュと共に白い裸体の希美子が暗闇に浮かび上がった。
jn35mmnn.jpg


希美子との関係を親に打ち明けたいと言えば希美子も諸手を挙げて喜んでくれるものだと思っていた康介はガッカリした。
密かな恋愛もそれなりにドキドキしていいだろうが
やはりオープンなお付き合いで一緒に買い物に行ったり手をつないでデートがしたいと思った。
ベッドで寝返りを打つと希美子の寝室が目に飛び込んできた。
先ほど電話で窓越しに会話していたのでカーテンは開いたままだった。
仄かな月明かりが映し出す希美子の寝室に人影が揺れていた。
『希美子…』
眠りにつく前にもう一度希美子の声が聞きたかった。
スマホに手を伸ばしたその時、一瞬希美子の寝室が真っ昼間のように明るくなった。
『えっ?なに?』
閃光と共にベッドに横たわる希美子の裸身が浮かび上がったように見えた。
よくよく目をこらして寝室を見ていると再び閃光が光り、希美子の裸身が浮かび上がった。
再び訪れる静寂…月明かりを頼りに見てみるとカメラを構えてるのはどうやら男のようだ。
『ヌード撮影なのか?僕をメロメロにしておきながら他にも男がいたのか?!』
やがて連続撮影になったのかフラッシュが絶え間なく光りだす。
どこかにカメラを固定したのか、やがて閃光の中に男も加わり始めた。
男が希美子の躰に覆い被さる。
まるでパラパラ漫画を見ているように男の腰がピストン運動をしているのがわかった。
僕は希美子に弄ばれただけなのか?…
愛情が憎悪に変わりかけた瞬間、希美子の手がこっちの部屋に向かって伸びてるのが見てとれた。
最初、見るなと手で制しているのかとおもったが手招きしているのだと理解できた。
ヌード撮影にしては様子がおかしい…
弱々しいが希美子は男を拒絶しているようだ。
1b4da43974163dc6f0b48fca894d23925.jpg

犯されている?
「母さん!!110番だ!」
階下の母にそう怒鳴ると康介は窓を開けて隣の家の窓を目がけてダイブした。

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

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