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2021.03.20 (Sat)

カクテル好きな女たち 10

後ろ手に縛られた婦警の相川良美が
私の体の上でせっせと腰を振っていた。
「いいんですか?こんな朝っぱらからスケベな事をして」
婦警は勤務中なのだろう、警察の制服を身に纏っていた。
「大丈夫よ、上司の巡査長には
管内パトロールと言って派出所を抜け出してきたから…」
彼女が非番の日は必ず先客がいて、いつもお預けを食っていた。
何度も訪問してきてくれては空振りをさせてしまうので
「よければ明日、特別に午前中に店を開けますから
来ませんか?」と
一応言ってみたのだが、
まさかこうして本当に来るとは思いもしなかった。
「あなたが悪いのよ…
私に緊縛の喜びを目覚めさせちゃったんだから!」
まあ、制服姿というのは一種のコスプレだと思えばいいのだが
腰ベルトに装着されているピストルが
どうにも気になって仕方ない。
「それ、暴発しませんよね?」
恐る恐る尋ねてみると、
「たぶんね…
あ、でも安心して。一発目は空砲だから」と言った。
そんなことよりも、もっと突き上げてよ!とわがままを言う。
『まったくスケベな婦警さんには困ったものだ』
そら、早く逝きやがれとばかりに、
かなりのスピードで腰を突き上げた。

202103182342181f9.jpeg

「ああん…そうよ!激しいのが好き!」
手を縛られて自由がきかないのも興奮するのだそうだ。
彼女の希望としては
縛り上げられて天井から吊るして欲しいのだそうだが、
こちらは緊縛に関しては素人に近いので
複雑な縛り方がわからない。
まあ、お客様の要望なのだから
そちらの方も勉強しなくてはと思う。
「あっ!逝きそう!ねえ、逝きそうよ!!」
彼女は深く腰を落とし、前後に揺すり苦しそうな表情をした。
私は彼女の制服の上から胸の膨らみを
これでもかと握ってやった。
かなりの痛みがある筈なのに、
それが気持ちいいのか「逝くっ!」と呻いてぐったりした。
かなり感度の良い女性で助かった。
お陰でこちらは射精せずに済んだのだから
夜の営業にスタミナを温存できた。

お互いの局部をティッシュで拭っていると、
店の固定電話が鳴った。
受話器から聴こえてきたのは
オーナーの家に居候している珠代からだった。
彼女は取り乱していて何を言っているのか要領を得ない。
「とりあえずそっちに行くから落ち着け!」
ただ事ではないと婦警の良美が
「何かありました?」と心配げに声をかけた。
オーナーに何かあったみたいだと言うと
「ミニパトで送ります」と
二人してオーナーの隠居宅に向かった。

オーナーは全裸で事切れていた。
珠代も半裸であった。
良美が肩の通信マイクを使って救急車を要請してくれた。
暫くすると救急車が到着して慌ただしい一日が流れ始めた。
20210318234557929.jpeg

。。。。。。。。

葬儀の手配やら何から何まで婦警の良美の世話になった。
「人間の命なんてあっけないものね」
亡くなったオーナーの隠居宅に遺骨を祀り、
線香をあげながら良美がポツリと呟いた。
「彼女、珠代はどうなるんですか?」
珠代は警察に事情聴取されていた。
「直接の死因は精力剤などの多量摂取による心臓発作だけど、
彼、前立腺がんで余命幾ばくもなかったと思います、
彼はかなりの資産家で、
つい先日に珠代さんだっけ?彼女に不動産の数々が、
名義変更されてたのよ。
だから警察は不動産搾取の疑いを掛けてるみたい」
聞けばバーのある周辺のビルの数々が
彼の持ち物であったということだ。
「死期を悟って身よりのない彼が
今まで世話になった彼女に
全てを譲ったということではないですか?」
珠代が不動産搾取を企む女とは思えなかった。
「たぶんそうでしょうけど…
なにぶんにも遺言状の類いがないので
怪しまれているんだと思うわ」
まあ、一通り事情を聴かれて
無罪放免というところだと思うわと良美は言った。

婦警の良美が言うように、珠代はほどなくして帰ってきた。
「これからどうすればいいのかしら…」
バーで秀一とお酒を酌み交わしながら珠代は呟いた。
「私でよければいつでも相談に乗りますよ」
そう告げると、その言葉を待っていたかのように
「じゃあ、あの屋敷で私と一緒に暮らしてください!」
彼女は一人だと心細いのだろうと感じた。
私は妻にも捨てられた風来坊だし断る理由はなかった。
オーナーの喪が開けて私たちは夫婦になった。
それは自然の成り行きだったが
二つだけ私はわがままをきいてもらった。
ひとつは夫婦になってもあのバーで働らかせてもらうこと、
もうひとつはバーに寂しい女が来たら
幸せを与えてあげるということだ。

そんなわけで、今夜も俺は女性客が来るのを静かに待っている。

2021031823493606d.jpeg


。。。。。。。。

いかがでしたでしょうか?
何十年も前に「ミスターグッドバーを探して」という洋画がありました。
公開された当時、私はハナ垂れ小僧だったので
見向きもしませんでしたが「スクリーン」だったか「ロードショー」だったか映画の専門誌がありまして
従兄弟の兄がそういう雑誌を買っていて
無断で拝借して読んでいたのですが
「ミスターグッドバーを探して」のグッドバーというのは
良い肉棒にかけているらしくヒロインが自分の体にマッチする男を酒場を回って探すというものだった。
(なにぶん幼少期の記憶なので曖昧ですが…)

下戸でほとんど飲めない私ですが
洒落たバーで男女が出会いひとときの肉体関係を持つというシチュエーションにはかなり憧れます。

なお、登場してくる女性陣にはモデルはいませんが
皆さまのブログを拝見してインスピレーションを頂いたのは否めません。
『私のことかしら?』と思われても
それは創作の中の私の妄想だとさらりと水に流して頂ければ幸いです。


テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

00:00  |  カクテル好きな女たち  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

Comment

なんだか、

身につまされる最終回でした。😅
人の命は永遠ではないんですよね。
今は、主人がいなくなることなんて、想像もつかないけど、年齢的にはあり得る話なんだなぁ~、ってシミジミ考えてしまいました。
風花(かざはな) |  2021.03.20(土) 16:32 | URL |  【編集】

Re: なんだか、

風花さん、コメントありがとうございます
筆が達者ではないので
生命論の記述は少ないのですがそれでもいくつかの作品中で死を取り扱ってます
儚く短い命だからこそ性というものが際立つ気もします
ほーくん |  2021.03.21(日) 08:15 | URL |  【編集】

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