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2021.04.27 (Tue)

DOLL (ドール) 15

ドアを叩くのを無視していると
ノックは止むことなく次第に激しくなってゆく。
居留守を決め込もうとしていたが
けたたましくドアを打ち付ける音が耳障りだ。
「誰だよ!今、忙しいんだよ!!」
先輩は枕元に置いてあったテレビのリモコンを
ドアに向かって投げつけた。
「警察です!開けなさい!」
冷たく威圧的な声が先輩の耳を突き刺した。
-  警察?  -
バカな!何故バレるんだ!

「管理人さん。お願いします」
冷たく威圧的な声が、やや柔和になり
そこにいるであろう管理人がマスターキーでドアの鍵を解錠した。
ドアが開くと数人の男たちが狭い部屋になだれ込んできた。
背後から覗き込んでいた西嶋が先輩の体の下で抱きすくめられているドールの貴美子を見つけて先輩を突き倒して「ごめんよ貴美子!怖かったろう?」と言って抱きしめた。
警官の一人が警察の身分証を掲げながら
「三村崇だな?住居不法侵入、窃盗の罪で逮捕する!」
そう言って先輩の手首に手錠をかけた。
西嶋はドールの貴美子を抱き起こし、貴美子の乳首に安全ピンが突き刺さっていることを警官に告げた。
「どうやら器物破損の罪も重なるようだな。
詳しいことは署で聞くからな」
先輩は手錠をされた手でパンツとズボンを履き、
上着で手錠をされた手首を隠されて上半身は裸のままパトカーに連れ込まれた。

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「盗まれた人形を取り戻せてよかったですなあ」
年配の警官が西嶋に声をかけた。
ただ、警官は窃盗の届けを出したときに
被害物が人形と記入したので日本人形を想像していたのだが、
思いもよらぬラブドールということで少しニヤニヤしていた。
「それにしてもお手柄でしたな」
警官が、片隅で小さくなって様子を見届けていた季実子さんに声をかけた。
「私、以前に犯人と同じ職場にいまして、
事務をやっていたものですから
置き手紙の字に見覚えがあったんです」
季実子さんの証言と、
先輩が残したメモから指紋が検出され、
過去に交通事故を起こして指紋を採取されていた先輩がデーターベースから割り出された。
「まあ、これで一件落着ですな
人形はしばらく証拠品として預からせていただきますが
すぐにでもお返しします。
まあ、返却されたからといっても、
くれぐれもお励みになりすぎませんように」
最後の一言を寄越す時に
今にも吹き出しそうな警官の態度に
西嶋はムッとした表情を浮かべた。

一週間後にドールの貴美子は西嶋の元へ帰ってきた。
すごく手荒に取り扱われたのだろうか、
髪はボサボサで手垢などで肌も黒ずんでいた。
乳首には安全ピンで刺された時の穴が開いていた。
やはりそこは生命体ではないので
自然治癒力はないようだった。
西嶋と季実子さんは以前のように
三人(二人と一体)でお風呂に入った。
季実子さんと二人がかりで綺麗に洗ってやると
ドールの貴美子の目からポロポロと涙がこぼれた。
-  怖かったです  -
ドールの貴美子は震えながら
西嶋と季実子さんに抱きついてきた。

2021042521361460f.jpeg

「もう大丈夫、もう、どこにもやらないから
これからも三人で仲良く暮らそう」
「あら?私もずっとここに居ていいのかしら?」
季実子さんがビックリしたように言った。
「えっと…回りくどい言い方だったけど…
今のはプロポーズのつもりです…」
まあ!…
そう一言だけ発すると
季実子さんは顔を真っ赤にしてうつむいた。
-  回りくどすぎます!
ご主人様、ちゃんと季実子さんの目を見つめて
言ってあげてください  -
ドールの貴美子に尻を叩かれて西嶋は風呂場に正座して
季実子さんを見つめて
「俺と結婚してください」とプロポーズをした。
「イヤよ」
即座に季実子さんは返答をした。
「えっ?」
西嶋はこれ以上ない失望の表情を浮かべた。
「私と、貴美ちゃんを嫁にすると言って下さい!
その条件を飲んでくれたらお嫁さんになってあげるわ」
-  そんな…私なんてどうでもいいんです  -
ドールの貴美子の目から再び涙が溢れた。
今度は喜びの涙だった。
「そうだな。三人で家族になろう!
だから…季実子さん、貴美子、俺と結婚してください!」
「もちろんよ!」
季実子さんとドールの貴美子は同時に声をあげた。
「ねえ、お祝いしましょ!
また二人で西嶋くんを攻めましょ」
待ってましたとばかりに季実子さんとドールの貴美子は
西嶋のペニスに同時に吸い付いた。

20210425214300f87.jpeg



あとがき
DOLL、いかがでしたでしょうか?
ホラーにはしたくないし、
かといってとびっきりのファンタジーにもしたくないし…
ということで、
やや消化不良的な作品になってしまいました。
次回作、まだなにも決まっていませんが
頑張ろうと思いますので
ご声援のほどよろしくお願いいたします

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

00:00  |  DOLL(ドール)  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

Comment

無事に戻ったようで良かったですね。
しかも3人で暮らせるなんて羨ましい(笑)
ロベール.S |  2021.04.27(火) 21:21 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

ロベールさん、コメントありがとうございます
三人で暮らしても、やがて別れがくるんですよね…
だって、人形は老いていきませんから
ほーくん |  2021.04.27(火) 22:32 | URL |  【編集】

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