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2021.04.30 (Fri)

貴方に抱かれて私は蝶になる 1

コロナ禍が収まる気配がありません
ほんとに日常がかなり変わってしまいました。
緊急事態だと政府や自治体に言われても
なにも変わらず外出したり
飲み歩く方もいます。
店で呑めなければ路上や公園でたむろして呑む人も多いですね
日本はいつから
こんな緊張感のない人種になってしまったのでしょう
これも戦後長く続いた平和ボケの弊害でしょうか

さて、人の動きが止まってしまうと
ダメージを受けるのは飲食店や観光業ばかりではなく
夜のお仕事、つまりスナックやキャバレーにも
ダメージを受けるでしょう

そんな中、
自宅などに派遣されるデリヘルという形態はどうでしょうか?
そんな夜の社会で生きていく女達の世界を描いてみようと思いました。

。。。。。。。。。。。。

車に乗り込む時に、
やけに湿気が身体に纏わりつくと思っていたのだが
ポツポツとついに車のウィンドウに雨粒が当たりだした。
「雨になりましたね」
私たちをデルヘリ事務所から
お客様の元に送り迎えしてくれる運転手の稲本さんが
暗く陰湿そうな声で話し始めた。
問いかけに返事もせずに後部座席の純恋(すみれ)は
後部ドアの窓に後方へ流れ飛んでゆく雨粒を
ぼんやりと見ていた。

「一つ聞いてもいいですか?」
稲本がバックミラーをチラッと見ながら問いかけてきた。
「なに?」
女性の扱いに慣れている男なら
この純恋(すみれ)の一言で
野暮な質問をするべきではないと気づいただろうが
今までの仕事をリストラされ、
人生を転げ落ちてきた50歳前の
うだつの上がらないくたびれた中年の稲本には
そんな気遣いなど出来るはずもなかった。
「いえね、やっぱりこういう
デリヘルをされる女性ってアレが好きだから
こんな仕事を選んだんでしょ?」

2021042900244777e.jpeg

くだらない質問だと、純恋は無視を決め込んだ。
しかし、稲本の質問責めは止まらない。
「やっぱりあれですか、
いい男に当たったら惚れてしまうんですか?」
純恋は稲本の質問を聞き流した。
つまらない質問には答えてやるもんかと
純恋は明日のランチは何を食べようかなと
思考を別の方に向けた。
「やっぱりアレを舐めてたら濡れちゃいますか?」
なおもしつこく聞いてくるので
ついに純恋はブチ切れた。
おもいっきり運転席の背もたれをヒールで蹴り飛ばした。
「ごちゃごちゃうるせえんだよ!
こっちは今から見ず知らずの男の
臭えちんぽを吸わなきゃなんねえんだよ!
いい男に指名されたらだって?
あんたバカか!あたしたちデリヘルを利用する男に
ろくな奴はいねえんだよ!
濡れなくてカサカサのおまんこに
スキンクリームを塗りたくって
爪の伸びた汚ねえ指を突っ込まれるんだ!!
可哀相だと思うんなら黙って運転しろよ!」
純恋の啖呵に稲本は体を縮こまらせて
「すいません!すいません!」と詫びた。

202104290811429f6.jpeg

指定されたマンションの一室に着くと
ニコッと作り笑顔を浮かべながらドアホンのボタンを押した。
返答もなく、いきなりドアが開いた。
純恋はペコリとお辞儀して「本日はご指名ありが」
ありがとうごさいますと言い終わらないうちに
「さっさと入ってドア閉めろよ」と言って
純恋を指名した男は部屋の奥へ歩いて行った。
慌てて男の後を追って
純恋は男が入っていった部屋に飛び込んだ。
たちまち純恋の鼻腔にツーンとイヤな匂いが侵入してきた。
ベッドの回りには
コンビニ弁当の容器が所狭しと捨てられていた。
ごみ袋に片付けるでもなく、
中には食べかけのまま床に中身がこぼれている弁当もあった。
「いくら?先払いでしょ?」
男は財布を広げて札束をこれ見よがしに
見せつけてきた。
「えっと…まったりコースが24,000円で
ダブルのご予約でしたので48,000円になります」
そう言うと、男は財布から一万円札を数枚抜き取ると
純恋に投げつけた。
紙幣はヒラヒラと純恋の足元に散り落ちた。
「どうした、早く拾えばどうだ」
ふう…まったく…
純恋は気づかれないようにため息をついた。
たまにこのような男に当たってしまう。
お札を拾い上げるために屈んだ瞬間、
純恋は男にソファに押し倒された。
「あっ…!お客様、
スタートということでよろしいでしょうか…」
純恋は男に組し抱かれながらも懸命にバッグに手を伸ばし
スマホを取り出すと事務所に電話をかけた。
「あ、店長、純恋です。
ただいまからお客様とプレイスタートです」
-  そうか、頑張って常連さんになってもらうように
大サービスよろしくね  -
通話の声が漏れていたのか
「そうさ、サービスしてくれたら
これからもあんたを指名してやるぜ」と
男は言って純恋の脚を開いて股間に顔を埋めた。
『荒々しいわ…よほど溜まってるのね』
あん、あん、と純恋は感じてる演技をしながら
スマホのタイマーを二時間にセットした。

202104290821335d6.jpeg


テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

08:30  |  貴方に抱かれて私は蝶になる  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

Comment

仕事だから、嫌な事もあるでしょうね。大変な仕事ですよね。
ロベール.S |  2021.04.30(金) 21:19 | URL |  【編集】

新シリーズ楽しみです。

今度はデリヘルですか?
それにしても、ほーくん様は、本当にイロイロ詳しいんですね。😊
さては、相当遊んでいるな💡✨
図星でしょ!

女性心理も解っているし・・・
デリヘルの仕組みは、私には良く解らないんですが、どこの世界にも、「稲本」みたいな人、居ますよね。
私も大嫌い!
こういうふうに、蔑んだように、ネチネチ聞いて来る人。
風花(かざはな) |  2021.05.01(土) 16:34 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

ロベールさん、コメントありがとうございます
借金のためにとか
ろくでもない男のためにとか
いろいろお話を噂では聞きますが
デリヘルだって、立派なお仕事ですから
デリヘル嬢の方々には誇りを持ってお仕事に頑張ってもらいたいものです
ほーくん |  2021.05.01(土) 19:13 | URL |  【編集】

Re: 新シリーズ楽しみです。

風花さん、コメントありがとうございます
小説家の師匠に「知らないことは書くな、それは現実離れした物語になるから」と注意されたことがあります
だけど、私の書くお話はほとんど空想物語になってるので、師匠の目に止まればかなりのお叱りを受けるかもしれません(笑)
だけど、その分、しっかりとリサーチやネットで調べて現実に近い物語を書ければと思います。
ということで、私は遊び人ではありせ~ん(笑)
若い頃は遊びたかったけどお金と時間がなく、
お金の余裕が出来て時間ももて余すようになれば
下半身の事情が芳しくなく… 泣
人生、うまくいきませんね
まあ、女性に嫌われない好好爺を目指そうと思います
ほーくん |  2021.05.01(土) 19:20 | URL |  【編集】

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