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2020.10.13 (Tue)

蒼い春 11

月日は流れ、奈央は成人を迎えた。 
成人式にはレンタルではあるが
奇麗な振袖で誇らしく成人式に出席した。 
自分で買ったリクルートスーツでかまわないと
何度も辞退したが、
弓子夫妻は一生に一度なのだから
振袖を着なさいと頑として譲らなかった。 
「お金なら大丈夫よ。
逃げ去ったあの男から
たんまりと養育費をぶんどったんだから。」 
ウソだ・・・ 
あの男が金など出すなど考えられなかった。 
『きっとお母さんだわ・・・・』 
いつまでも意地を張って会わないのはどうかと思ったが、
どうしても会いに行くことができなかった。 
でも振袖に手を通すときは
『お母さん・・・ありがとう・・・』と
心の中で両手を合わせた。 

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短大を卒業した奈央は、養護教諭の資格を得た。 
だが資格を得たからと言っても
すぐさま保健室の養護教諭になれるというものでもなかった。 
教員採用試験に臨んだものの1次試験で見事に不合格となってしまった。 
早く定職に着いて、
育ててくれた弓子夫妻に恩返しがしたい・・・・ 
落ち込む奈央に幸久が声をかけた。 
「あのさあ・・・奈央ちゃん・・・
公務員教諭ほどのお給料はでないんだけど、
よければ私の通う私学高校の養護教諭として
働いてみないかい?」 
幸久は私学の美術教諭として教壇に立っていた。 
まさに救いの神だった。 
低賃金だろうが定職につけるのはありがたかった。 
話を聞けば、
現在赴任している養護教諭が懐妊のため、
この3月で退職するというのだ。 
幸久は学園の理事長からの人望も厚く、
幸久の願いを理事長は快諾してくれた。 
「理事長は、一応面接をしたいとおっしゃってるんだが、
今週の土曜の夕刻5時でもかまわないかい? 
付き添ってあげたいが
緊張感をもって面接に望んでいただきたいということなので、 
学園の理事長室で2人だけで
面接を実施したいとおっしゃってるんだ。」 
「ええ、かまいませんわ。
理事長に気に入ってもらえるようにがんばってきます。」 
そう健気に笑顔を見せた奈央だったが、
面接前夜は緊張のあまりよく眠れなかった。 

面接当日・・・・
目の下にはクッキリとクマができていた。 
「あらあら、大変・・・」 
弓子が自分のファンデーションで
きれいに化粧を施してくれた。 
そして「がんばっておいで・・・」そういって
強く抱きしめてくれた。 
それは、まるで魔法だった。 
緊張感がスーっと抜けて、
勇気がフツフツと沸き起こった。 
理事長は丸岡貞義という男で
年齢は60過ぎという感じだった。 
話し方も温和で、和やかに面接試験を終えた。 
最後に・・・と、丸岡が話し始めた。 
「うちの学園は・・・その・・・
なんというかヤンチャな生徒が多くてね・・・ 
あなたが若すぎるのが心配なんですよ・・・ 
私としては年輩の方を迎え入れたかったんですが・・・
その点は大丈夫でしょうか?」 
もとより、
最初からなんの苦労もなく勤務につけるとは思ってなかった。 
「大丈夫です。がんばります。」 
ふむ・・・・丸岡はそう頷くと、
おもむろに席を立ち、奈央の背後に回った。 
「こういう事をされても泣き出しませんか?」 
すばやく丸岡の手が伸びて、
奈央の乳房を揉み始めた。 

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きゃっ!!!小さな悲鳴をあげながら
『え?なに?』咄嗟に対応できなかった。 
「言ったでしょ?ヤンチャな生徒が多いと・・・・
あの子たちは若いあなたを舐めてかかるかもしれません。
それでも大人の対応ができますか?」 
そう言いながらも丸岡の手は乳房を揉み続けた。
 「は、はい・・・がんばります・・・・」 
やんわりと丸岡の手を握り体から離した。 
「ふむ・・・いい対応です・・・・では、これは?」 
今度はすばやく奈央の尻に手をまわした。 
「あ!!!」 
大人の対応・・・どうすればいいんだろう・・・・ 
逡巡しているうちに
丸岡の指が奈央の尻の谷間を目指しはじめた。 
『あん・・・やだ・・・・』 
ツンツンと丸岡の指が
奈央の尻穴めがけてリズミカルに遊びまわる。

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奈央はクルリと向きを変えて
丸岡の肩に手を添えてやさしく引き離した。 
「そんなことしちゃ・・・ダメ・・・・」 
子供のいたずらを諭すように話しながら
人差し指を丸岡のおでこにつけてやさしく突いた。 
「ふむ・・・申し分ない!・・・・
大変失礼な事をしてしまいました。
どうか許してください。」 
丸岡は紳士らしく頭を下げた。 
「では、4月から着任してください。
よろしくお願いしますよ。」 
こうして奈央の就職が決まった。

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2020.10.14 (Wed)

蒼い春 12

4月1日・・・・ 
入学式であるとともに
奈央の入社式でもあった。 
さわやかな気持ちと同様、
洋服はピンクのフレスカートを選んだ。 
「緊張してる?」 
一緒に出勤してくれる幸久が声をかけてくれた。 
「はい・・・あ、いいえ大丈夫です。」 
いけない、いけない。
こんなに緊張していたらいい仕事ができないわ。 
奈央は大丈夫という意思表示を笑顔で示そうとしたが、
ぎこちないひきつった笑顔であることが自分でもわかった。 

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入学式の前に、
教員室で簡素な入社式が行われた。 
学園長を兼務する理事長の丸岡が
「え~、では今期より
我々と一緒に生徒の教育と指導に尽力してくれる
2人の若者を紹介します。」と言ったあとに
奈央ともう一人の青年が前に呼び出された。 
「え~、退職された養護教員の補充として
来ていただいた森下 奈央先生と、
保健体育の新人教諭の沢口颯太先生です。」 
では、自己紹介を・・・ 
そう促されて簡単な自己紹介をはじめた。 
心臓が早鐘を打ち、
口から飛び出そうだったが
なんとかうまく言えたと思う。 
もう一人の同期メンバーは見覚えがあった。 
確か、体操の五輪候補として
マスコミを賑わした男だった。 
肩を怪我して体操の道をあきらめて
教諭の道を選んだのだと自己紹介でわかった。 
さすがに体操で
何度も大会の修羅場をくぐり抜けてきた男だけに、
自己紹介も堂々としていた。 
「森下先生・・同期としてがんばりましょうね。」 
小さな声で耳元で囁かれたとき、
別の意味で心臓がドキドキして
赤面するのが自分でもわかった。 

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入学式では登壇することはなかったが、
教諭席から新入生の姿を眺めてみて
丸岡が言った言葉を思い出さずにいられなかった。 
茶髪ならまだかわいいほうで
金髪やら長髪やら美容室に飾られてる写真のような
ヘアースタイルのオンパレードだった。 
まさか保健室で喧嘩騒ぎになることはないだろうけど、
気持ちを引き締めなきゃと思わずにはいられなかった。 

「森下先生!」 
行事を終え、
帰途の途中で後ろから声をかけられた。 
振り返ると同期の沢口先生だった。 
「あの・・・よければ同期の親睦を兼ねて
飯でも食いにいきませんか?」 
思いがけないお誘いだった。 
困った顔をしていると
「行ってきなさい。
同期としていろいろお話も弾んで
リラックスできるでしょうし」と
幸久先生が背中を押してくれた。  
「え・・・っと・・・・・
美術の月島先生でしたよね?」 
沢口が少し怪訝そうな顔をした。 
「はい。美術の月島です。
わけあって奈央、あ、いや森下先生の親代わりをしています。」 2人の関係を変に誤解されないように
先に二人の関係を話してくれた。 
「そうなんですか・・・
あ、けっして森下先生を口説こうとかそんなんじゃ・・」 
わかってますよ。沢口の弁解を諭して幸久は笑顔を返した。 「若い同期の二人が仲良くするのはいいことです。
私からもお願いします、
奈央ちゃんをよろしくお願いします。」 
沢口に一礼すると
「じゃあ、奈央ちゃん。
楽しんでらっしゃい。
沢口先生、遅くなるようでしたら
奈央ちゃんを送ってくださいね。」
そう言って、じゃあねと手を振って
二人の若い教諭をその場に残して
幸久は帰途についた。

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2020.10.16 (Fri)

蒼い春 13

幸久が帰宅すると、
妻の弓子がリビングから飛び出してきた。 
「おかえりなさ~い」 
いつものようにおかえりのキスをチュッと交わしたあと、
「あら?奈央ちゃんは?」
奈央の姿が見えないことに気づいた。 
「いや、同期の青年と食事にね・・・」 
そういうと一気に膨れっ面になった。 
「いやん、もう!!・・・
お祝いを兼ねて
ご馳走を用意してずっと待ってたのにぃ~」 
ははは・・・まあ、いいじゃないか
若い者同士が仲良くなるのはいいことだよ。
そう言って弓子をなだめた。 
「でも・・・同期って大勢なの?」 
「いや、奈央ともう一人男性教師の2人だよ。」 
そう言うと、膨れっ面から一気に顔が曇った。 
「大丈夫かしら・・・あの子、心の傷が・・・」 
「だから行かせたのさ、
いつまでも傷を引きずってちゃいけない。
僕らが出会ったように男女が出会うのは自然の摂理さ。
僕らもそろそろ子離れしなきゃいけない年齢になってきたってことさ。」 
やさしく弓子を抱きしめ、
「今夜は僕らだけで奈央のお祝いをすればいいさ。」
そう言って唇を重ねた。 

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奈央は居酒屋の個室で固まっていた。 
飲めるんですか?そう沢口に聞かれて思わず
「はい・・・」と答えてしまったことを悔やんでいた。 
ビールは成人式が終わったあとに
幸久に勧められて口にしたことはあったが
おいしいとは思わなかった。 
「何を飲みますか?」そう聞かれ
「じゃあ・・・オレンジジュースを・・・」と答えた。 
「あれ?もしかしてほんとは飲めない?」 
問いかけにコクンと頷いた。 
「そうなんだ~。
こりゃレストランにすりゃよかったかな・・・」 
がっかりする顔が可愛かった。 
「でも、居酒屋さんのお料理メニュー好きですよ。」 
にっこり笑ってあげると沢口も
「そっか~、じゃあ、しっかり食べましょう。」と笑った。 
沢口は話題も豊富で饒舌だった。
最初は緊張していた奈央もすっかり打ち解けて
おおいに笑った。 
「サワーを飲んでみようかしら・・・」 
美味しそうにゴクゴクと喉を鳴らして
サワーを飲み干す沢口を見ていると、
飲んでみたい衝動にかられた。 
「じゃあ、これを一口飲んでみる?
美味しければ頼むといいよ」
沢口のサワーを一口飲んでみると
甘くて飲みやすかった。 
「これなら飲めちゃう~」
じゃあ、注文しようか。
タッチパネルで注文してから、
奈央が口をつけたグラスを手に喉を潤した。 
「あ!やべえ・・・
森下先生と間接キスしちゃったよ・・・」 
そう言われて沢口の唇を見つめた。 
なんだかほんとにキスしたように
奈央の女性部分がジュクっと潤んだ・・・ 

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2時間ほど食べて飲んで
おしゃべりして楽しいひとときを過ごした。 
「遅くなったら月島先生も心配されるだろうし、
そろそろ帰りましょうか。」 
沢口に促され席を立ったそのとき、
視界がグルンと回った。 
口当たりのよいサワーを飲んで、
すっかり酔いがまわってしまったのだ。 

おっと、あぶない。
よろめいた奈央はそのまま沢口の胸に抱きとめられた。 
「森下先生・・・」 
すいません、大丈夫ですから・・・
そう言おうとした唇を沢口の唇が塞いだ。  
「奈央・・・好きだ・・・」 
名前を呼び捨てにされて奈央の心が甘くとろけた・・・ 
「どこかで休んで帰りましょうか?」 
沢口の問いかけに
「うん」と甘えた声を出して
そのまま沢口の分厚い胸板に顔を埋めた。

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2020.10.17 (Sat)

蒼い春 14

奈央は生まれて初めてラブホテルの玄関をくぐった。 
「大丈夫?ごめん。
調子に乗って飲ませすぎちゃったね。」 
沢口はしきりに謝った。 
「ううん。私が勝手に飲んだんだもん。
沢口先生は悪くないわ・・・」 
顔が火照る・・・ 
それは決して酔いによるものだけではなかった。 
ラブホテルの部屋にチェックインした恥ずかしさが
どんどん心拍数を上昇させた。 
奈央をベッドに横たえると
沢口は冷蔵庫から天然水のペットボトルを取り出し、
「ほら、水をたくさん飲んだほうがいいよ」と差し出した。 
体がだるくて思わず「飲ませて・・・」と甘えた。 
「え?」どうしたらいいものかと悩んだ沢口は
水を口に含み、口移しで奈央に飲ませた。 
「おいしい・・・」

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おいしいわ、沢口先生~。
照れ隠しに沢口の首に腕をまわして抱き着いた。 
「奈央・・・
俺は君をひと目見た瞬間から
君を好きになっちまったようだ・・・」 
沢口の手が奈央の胸の膨らみを撫でてゆく。

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ああああ・・・・ 気持ちいい・・・・ 
それは決して酔いのせいではなかった。 
自分で慰めるよりも
異性の手で触られるのが
こんなにも気持ちいいなんて・・・ 
でも、私には・・・暗い過去がある・・・ 
このまますんなりとは
男性を受け入れることは抵抗があった。 
沢口の唇が奈央の頬、首筋と這いずり回る・・・ 
「ま、待って・・・
沢口先生・・・わ、わたし・・・
奇麗な体じゃないの・・・」 
「え?どういうこと?」 
自分は養父に陵辱された女であること。 
男を迎え入れるのが怖いと正直に話した。 
「俺は君の過去に惚れたわけじゃない。
今現在の君が好きなんだ。」 
そう言って奈央の体に覆い被さってきた。 
「あああ・・・
いやん・・・・洋服が・・・皺になっちゃう。」 
服を脱がさせて・・・ 
そして汗を流させてほしい・・・ 
そう言ってバスルームに飛び込んだ。 
バスルームで服を脱ぎ、
少しだけバスルームのドアを開き
脱いだ衣服を外へ放り出した。 
バスタブにお湯を入れながら、
沢口を迎え入れることができるだろうかと
不安に襲われた。 
少しぬるめのお湯に浸かりながら、
自分の体のあっちこっちを撫でてみた。 

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『私の体・・・きれい?・・・
汚れていない?・・・
沢口先生に抱かれて、ちゃんと感じるだろうか・・・』 
そんなことを考えていると、
コンコン・・・バスルームのドアがノックされた。 
「奈央?・・・ずいぶん長風呂だけど大丈夫?」 
「は、はい。大丈夫です。」 
「酔っているから長風呂は控えたほうがいいよ。・・・
あ、そして・・・気持ちの踏ん切りがつかないのなら
今夜はこのままなにもせずに帰るから。
怖がらなくていいから。
無理強いはしないから安心してほしい。」 
沢口のやさしさが心に染み渡った。 
素敵な人・・・・ 
抱かれるならこの人しかいない・・・・ 
心を決めて、奈央はバスタブから立ち上がった。

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2020.10.19 (Mon)

蒼い春 15

バスタオルを巻いて部屋にもどると沢口は
「うわ!ごめん」と言って背中を向けた。 
「え、え~っと・・・
俺、こっちを向いているから
しっかり体を拭いてから服を着たらいいよ・・・。」 
奈央は、ゆっくりと近づき沢口の正面に立った。 
「拭いていただけますか?・・・」 
そう言ってバスタオルを外して沢口に差し出した。 
いいのかい? 沢口は奈央の手からバスタオルを受け取ると
背中に回って肩から拭き始めた。 
背中を拭うやさしい手・・・ 
ああ・・・この手で抱きしめてほしい・・・
奈央は股間が熱くなるのを感じた。 
「わ、腋を拭いてあげるから・・・腕をあげて・・・」 
心なしか彼の声も上ずっているようだった。 
「こ、こうですか?」 
十字架に張りつけにされているキリストのようなポーズを取ると、
乳房が無防備になった。 
「奈央・・・・」 
沢口の手からバスタオルがスルリと床に落ち、
脇の下から彼の手が伸びて
暖かい大きな手が奈央の乳房を包み込んだ。 

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そのまま抱きしめられ、
沢口の唇が奈央のうなじに吸い付いた・・・・ 
「うふふ・・・沢口先生ったら、バンパイアみたい。」
 「沢口先生はよしてくれよ・・・
できたら・・・颯太と呼んでほしいな・・・」 
そ・う・た・・・小さな声で口にだすと、
一気に彼が身近に感じられた。 
沢口の指がピアノを弾くようにリズミカルに乳房を揉む。 
乳房の中心のピンクの突起がさらに硬く尖ってゆく。 
やがて2本の指が、
その硬くなった突起を摘み上げた。 
ああああん・・・ 
奈央は自分でも驚くほど甘い声を漏らした。 
声を漏らすと、
共鳴するかのように
股間の亀裂の中の泉が
フツフツと湧き出てくるのがわかった。 
奈央の体を撫でるように
スルリと彼の体が前に回ってきた。 
さすがに五輪候補にまでなった元体操選手の片鱗を
見せられたようだった。 
「奈央・・・・」
彼の唇が奈央の唇を求めた。 
彼の顔が近づいてくる。 
彼の吐息さえこんなにも至近距離で感じている。 
『颯太』 名前を囁こうと
半開きになった唇が彼の唇で塞がれた。 
嫌悪感など微塵も感じなかった。 
いや、それどころか
奈央は自分の舌をチョロっと出して
彼の唇をペロっと舐めた。 

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タバコを吹わない彼の息は
養父のようにヤニ臭くなかった。 
ただ、アルコール独特の匂いが
奈央を酔わせてしまいそうだった。 
奈央が舌でノックをしたのをきっかけに
彼の舌が奈央の口中に訪問してきた。 
少し入っては出て行き、
また忍び込んでは
奈央の歯並びのよい歯を確かめるように
口の中で遊んだ。 
やがてきつく抱きしめられると、
深く激しい口づけを交わした。 
彼と体が密着することで、
彼の昂ぶりがピクン、ピクンと脈打ち
奈央の股間の前の翳りをノックした。 
『ああああ・・・・颯太が勃起しているわ・・・
私の体に感じてくれているのね・・・』 
さきほどシャワーで洗い流したはずなのに、
股間の亀裂は愛液でドロドロにぬかるんでいた。 
背中を抱む彼の手が下に這ってゆく。 
そしてその大きな手は奈央のプリプリの尻肉を撫で、
充分に堪能した後に割れ目に沿って侵入しはじめた。 
指先が奈央の排泄器官の絞り目を弄くる・・・ 
股間の筋肉を弛緩させてやれば、
それは容易く没入されるに違いなかった。 
だが、彼の指は、それは後回しだと言わんばかりに
来た道を帰り始める。 
それと同時に彼の唇は
奈央の胸の膨らみを愉しみはじめ、
舌が乳首を転がした。 
ちゅば、ちゅば・・・ 
彼が乳首に吸い付く音が艶めかしく部屋にこもる・・・ 
強くちゅうっと吸いつき
口を離すとチュポンと音がたち、
乳房がぷるると震えた。 
瞬く間に乳房は彼の唾液まみれとなり、 
それが潤滑油となって
ヌルヌルとした感触で乳房を揉まれた。 
「あああ・・・・だめ・・・・感じちゃう・・・・」 
膝がガクガクと震えた。 
ベッドに連れて行って頂戴。
そのように言葉に発しなかったが、
奈央の体が彼にそう告げていた。 
わかっているよ・・・
彼も体で答えてくれた。 
彼の股間のジュニアが
早く奈央の膣(なか)に収まりたいと 
スラックスのジッパーを突き破らんばかりに張り詰めていた。

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