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2021.05.24 (Mon)

貴方に抱かれて私は蝶になる 11

お口に何かを頬張ると
自然と唾液が充満してきます。
でも、お尻に突っ込んだアレを
しゃぶっているのですから
気持ち悪くて嚥下することが出来ません。
当然、涌き出てきた唾液はお口から出て
トロトロと顎から首筋、胸元を汚して行きます。
「あはは、こうなると美人も形無しだな
俺はな、お前みたいな美人が
汚れていく様を見るのが快感なんだ」
もういいと、竹島は咲桜(さくら)の口から
ペニスを引き抜きました。
そして咲桜の肩をドンと押しました。
後ろ手に拘束されているのですから
受け身もままならず、
切り倒された木のように
ゴロンとベッドに倒れ混みました。
そして今度は咲桜の顔の上に足を乗せました。
「足の指を舐めろ」と命じてきたのです。
「ごめんなさい…もう、許してください」
デルヘルの仕事をして
こんなにもいたぶられるのは初めてです。
悪い夢なら醒めて欲しいと咲桜は心の底から願いました。
「舐めて綺麗にしたほうがいいぞ
その足の指でお前の大事なアソコを
かき混ぜるんだからな」
イヤです!と言葉を発するために開いた口に
竹島は無理やり足の親指を捩じ込みました。
「こんな大スターに一晩だけの甘い夢を
見せてもらえると思ったのか?
バカだな、お前は所詮、俺に買われた玩具なんだよ」
ほら、ちゃんとしゃぶれよと
つま先すべてを口に捩じ込もうとします。
抵抗すれば否応なしに
足のすべてを捩じ込む気かもしれません。
口が横一文字におもいっきり広げさせられます。

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口が裂けそうになる痛みに耐えて
咲桜は精一杯口の中で舌を動かして足指をしゃぶりました。
「よし、もういいぞ」
竹島は足を咲桜の口から引き抜くと
その足で咲桜の股間を撫で始めました。
「おっ?なんだよ、お前、感じてるのか?
アソコがびしょびしょだぜ」
「嘘よ!感じていないし、濡れてもいないわ!」
反抗の言葉を口にしましたが、
正直、おまんこが疼いて
グショグショになっていることに気づいていました。
こんなにも凌辱されているのに
咲桜の体は彼女自身が嫌悪感を抱くほど濡れていたのです。
足の親指でおまんこをこじ開けられると、
「あっ、だめぇ…」と自分でも驚くほどの
甘い声を漏らしました。

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足の親指で膣口をツンツンさせながら
「やっぱりお前も清純派アイドルの女と変わらないな」
と下げすさみました。
小島優子も、後田敦子も、みんなそうだと
国民的アイドルスターの名を口にして
俺があいつらを少女から女にしてやったんだと
自慢げに、暴露してくれました。
「さて、とどめに挿してあげような」
竹島は咲桜の体の上に覆い被さり
唾液でびしょびしょになった彼女の口にキスをしました。
「臭いな、なんて臭い口だ」と言いながら
言葉とは裏腹に
恋人と交わすような甘い口づけをしてくるのです。
コンドームが裂けるかと思われるほどに
硬く大きくなったペニスで
くちゅくちゅとおまんこの入り口をかき混ぜられて
咲桜はたまらずに
「お願い!入れて!
おちんぽで私のおまんこをめちゃくちゃにしてください!」と
身動きが取れない体で精一杯に腰を振りました。
「そら!つかの間の幸せを感じな!」
そう言って竹島は、
とても硬いペニスで深々と突き刺したのです。
咲桜(さくら)は最初のひと突きで登り詰めました。
こんな経験は初めてでした。
今までのお客さんに、どんなに甘い言葉を囁かれても
どんなに上手な愛撫を施されても
心の底から気持ちいいとは思ったことはなかったのに
ひどい仕打ちをされながらも
咲桜の心の奥底に眠っていたMの本性がめざめ、
性のステップを一気に駆け登った事で
悦びにうち震えたのです。

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次の夜、咲桜から事務所に連絡がありました。
この仕事を辞めたいと言うのです。
「ちょ、ちょっと待ってよ咲桜ちゃん!」
所長がまじで困った声で受話器に向かって叫びました。
それもそのはず、咲桜はお店一番の売れっ子なのですから。
「ねっ、どこかの事務所に引き抜かれたの?
それなら考え直してよ、
あなたの取り分を増やしてあげてもいいからさあ」
そんなやり取りを聞いて、
事務所で待機していた純恋(すみれ)やリリーさんや、
他の女の子かムッとした顔をしました。
言葉にしませんでしたが、
そんな依怙贔屓(えこひいき)をされるのなら
自分達もこの事務所からバイバイしようと思ったのです。
「えっ、なに?…目覚めた?
ちょっとなに言ってるかわかんないんだけどさ」
所長は頭がパニックになっているのか
事務所内をウロウロと行ったり来たりしながら
脂汗をいっぱいかいていました。
やがて一方的に通話が切られたようで
所長はスマホ画面を見つめて呆然としています。
「あの子、辞めちゃうんですか?」
純恋(すみれ)が伺うと、
「デリヘル辞めるんだって…
SMクラブに所属するんだって…」
泣き出しそうな声でそう言うと
ソファに、座り込んで「困った、困った」と連呼していました。

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2021.05.25 (Tue)

貴方に抱かれて私は蝶になる 12

咲桜(さくら)さんが抜けたといっても
それなりのご依頼の電話はかかってきました。

今夜はどんなお客さまが指名してくれるのかしらと
女の子たちはそれぞれスマホゲームに夢中になりながら
指名を待っていました。
そんな折り、一本の電話が私たちを凍りつかせました。
所轄の警察から連絡があって、話を伺いに来ると言うのです。

「なんでも過去にうちを利用してくれたお客さまの事で
いろいろ話を聞きたいそうだ。
いいか。お前たちは本番なんかしていない。
そうだよな?俺はお前たちに本番を強制していなかったよな?
お前たちも本番はしていないよな?」
そう言いながら所長はヤバそうな書類関係を必死にシュレッダーしていました。
ほどなくして警察から二人の刑事が訪ねてきました。
「申し訳ありませんが…こちらを利用されていた吉井武人さんの事で少しお話を伺いたいんです」
摘発か何かだと思っていた所長は安堵の表情を浮かべ、
「おいリリー!吉井さんはお前のお客さまだったよな?」と
リリーさんを事務所の片隅に置いてある応接セットに来るように手招きしました。

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「えっと…リリーさん?もちろん源氏名ですよね?
本名をお聞かせください」
刑事が手帳を広げてメモの準備をしながら
リリーさんをジロジロと見つめました。
「はい…木村です。木村和美と言います」
本名を私たちに聞かれたくないのか
リリーさんはとても小さな声でそう言いました。
「では、木村さん、
吉井武人さんについて知っていることをお聞かせください」
内緒にしておきたい本名なのに
刑事は部屋に響きわたるような大きな声で
「木村さん」と呼んだ。
「知っているもなにも、吉井さんは月に一度だけ
私を指名してくれて他愛ない世間話をするだけの関係でしたし…
あの…吉井さんに何か?」
そのようにリリーさんが反対に刑事さんに尋ねると
一呼吸おいて、二人組の刑事のうち若い刑事が
「吉井さんは自殺を図り命を落としました」
と、ほんとに事務的な口調でそう言いました。
純恋(すみれ)たちが驚いたぐらいですから
指名されて懇意にしてもらっていたリリーさんの驚きは
半端ではありませんでした。
人間あれほど体が震えるのかというほど
ブルブルと痙攣し始めたんです。
そして「わあーっ」と叫ぶと泣き崩れてしまいました。
「帰ってください!貴方たちに血が通ってないんですか?
後日、リリーさんが落ち着いた頃に来てください!」
リリーさんがお気に入りの稲本さんが血相を変えて
訴えました。
「わかりました。出直しましょう」
そう言って二人の刑事は帰って行きました。

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稲本さんはリリーさんの肩を抱いて
「大丈夫、あなたのせいではありません
私がついてます、気を確かにお持ちなさい」
と介抱していました。
「リリーはこの後、仕事にならんだろう。
稲本、リリーを家まで送ってやれ」
所長はそう言って落ち着くまで休んでいいぞと
慰めていました。

車の助手席に座らせてもリリーさんは泣き止みません。
「家まで送り届けますから住所を言ってください」
カーナビを操作しながら稲本さんは尋ねました。
でもイヤイヤと頭を振るばかりでらちが明きません。
「弱ったなあ…」
車を走らせながら稲本さんは困り果てました。
「落ち着いた場所で少し横になられた方がいいですよ」
稲本さんは車をラブホの駐車場に車を滑り込ませました。

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09:09  |  貴方に抱かれて私は蝶になる  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

2021.05.26 (Wed)

貴方に抱かれて私は蝶になる 13

キングサイズのベッドに
艶かしい室内灯…
それがどこで何をする部屋かというのは
平常心を失くしたリリーでもすぐに気がついた。
「稲本さん…貴方って人は…」
親切な言葉を掛けてくれても
所詮、男は男…
よりによって心痛で心が乱れているのをいいことに
こんなところに連れ込むなんて。
「稲本さん!バカにしないでください!」
リリーは稲本の頬をおもいっきり打った。
クリーンヒットだっただけに
稲本はよろけて片膝をついた。
「少し元気が戻ってきたようですね
でも、念のために少しだけ横になりなさい
大丈夫、リリーさんには指一本触れませんよ
少し休ませた方がいいと思ったので…
横になれる場所といえば
こんなところしか思い浮かばなかった私が悪いんですけどね」
そう言って稲本は立ち上がり、
冷蔵庫から冷えたビールを一本取り出した。
コップにビールを注ぐと
「喉を潤しなさい。
適度なアルコールは心を落ち着かせてくれます」
そういえば喉がカラカラだった。
リリーさんはコップを受け取ると、
冷えたビールを一気に飲み干した。

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「ショックだったわ…
吉井さんが自殺するなんて」
空になったコップを見つめてリリーさんはポツリと呟いた。
「リリーさんを迎えにいった時に、
あなたを見送りに玄関に出てきた彼を
チラッと見かけましたが、
あの人、体が弱かったんじゃありませんか?
かなりやつれておりましたし…」
リリーさんを見送るときに手を振る彼の手が
痛々しいほど細かったのを稲本は記憶していた。
「あの人、糖尿を患っていて…
いつもは勃起しないのに
最後だというあの日だけ勃起して…」
思い出したのか、リリーさんは涙をポロポロと溢した。
「彼は射精できましたか?」
稲本の問いかけにリリーさんは「うん」と頷いた。
「そう…それは良かった…
きっと思い残すことはないと自ら命を絶ったんですよ」
リリーさんの涙の量が増えた。
『余計に思い出させてしまった…
俺って、慰めるのが下手だな…』
会話すればするほどドツボに嵌まりそうな気がしたので
「さあ、横になりなさい」とリリーさんをベッドに横たえた。
しばらくは目を閉じてリリーさんはおとなしくしていました

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稲本さんはというと、
リリーさんに背を向けてスマホゲームに興じていた。
「稲本さん…」
名前を呼ばれて「はい、なんでしょう?」と振り替えると
リリーさんが、手招きしていました。
「少しの間でいいんです
私の隣に来て抱き締めてください」
慰めるには人肌が一番かとおもい、
稲本さんはリリーさんに添い寝をして
優しく抱き締めてあげた。
リリーさんは稲本さんの胸に顔を埋めて甘えました。
よしよし、いい子だと
稲本さんはリリーさんの頭を撫でてやりましたが
リリーさんの髪の甘い匂いがしてきて
稲本さんは勃起してしまったのです。
『よりによってこんな時に勃起しなくても…』
これではリリーさんのいうとおり
弱さにつけこんでセックスを企むヤクザな男ではないか。
なるべく腰をリリーさんから離した。
第三者が今の稲本さんの姿を見れば
吹き出すこと間違いなかった。
そんなことは露知らず、リリーさんはもっと抱きしめてと
稲本さんの腰に手をやって引き寄せた。

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「稲本さん?」
自分の下腹部に当たる強ばりにリリーさんは気づいた。
「いや、これは違うんだ、
なんというか男の生理現象というか…」
ええい!言い訳してなんになる!
ここは男らしく謝ろうと
稲本さんはベッドから飛び降りて床に正座して土下座した。
「正直に言います!俺はあんたの匂いに欲情しました。
それもこれも貴女に惚れてるからです!
ここに連れ込んだのも、
大半は貴女を休ませるためでしたが
うまく行けばヤレるかなと
1%…いや、5%ぐらいは下心がありました!
でも信じてください!私は正真正銘貴女が好きです
貴女に惚れています!!」
戯言です。忘れてください。
さあ、気持ちが落ち着いたのならここを出ましょう。
お送りしますと稲本さんは早口で喋りまくった。
リリーさんは同じようにベッドを降りて
稲本さんの正面に同じように正座した。
そして稲本さんの肩を抱いて土下座をやめさせると
「ごめんなさい、
私、貴方がデルヘルの送迎のお仕事をしているから
てっきり貴方がアウトローの方だと思い込んでました」
貴方は純粋な素敵な男性よと言って
リリーさんは稲本さんにキスをしました。
「リリーさん…」
「抱いてください…抱いて全てを忘れさせてください」
リリーさんは稲本さんの手を取ると
胸の膨らみへと導いたのです。

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2021.05.27 (Thu)

貴方に抱かれて私は蝶になる 14

稲本さんに胸の膨らみを揉ませながら
リリーさんは自らブラウスのボタンを外して
ブラジャーを露出させました。
ブラのカップの中に稲本さんが手を差し込もうとすると
「待って…ブラジャーのホックを外してください」と、
クルリと背を向けた。
稲本さんの指が震えているのを背中越しに感じました。
女慣れしていないのか、それとも緊張しているのか
ホックを外すのに稲本さんは手間取りました。
その間にリリーさんはスカートのホックを外しました。
スカートがリリーさんの足下に
パサッという音を立てて滑り落ちます。
無事にブラジャーを外し終えた稲本さんの手を取って
ベッドに導き、横たわると
「ショーツもあなたの手で脱がしてください」と言って
目を閉じました。
ゴクリ…
稲本さんが生唾を飲み込む音が
静寂な室内に響きわたりました。
「いいんですか?
いや、しかし、私はリリーさんを買うほどの
持ち合わせがありません」
その言葉に
『ああ…この人はやっぱり女慣れしていないんだわ』と
感じずにはいられませんでした。
「これはお仕事じゃないの…
一人の男と一人の女が愛し合う純粋な行為よ」
リリーさんは稲本さんの首に腕を回して
自分の方へ引き寄せた。
リリーさんのおっぱいが稲本さんの胸板に押し潰される。
「ほんとに俺なんかでいいんですか?」
ダメだと言ったら
硬くなってリリーさんの下腹部を突っついている
モノをどのように処理するのかしらと
考えると妙に可笑しくなって笑みを誤魔化すために
稲本さんに何度も何度もキスをした。
では、脱がさせてもらいますと
頃合いを見計らって
稲本さんの指がショーツに絡んできました。
リリーさんは脱がせやすいように、
ホンのちょっぴり腰を浮かせて協力します。
やがてショーツが丸まって両足から抜かれました。

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股間を見た途端、
「あっ!」と言って稲本さんは
背を丸めて自分の股間を押さえました。
「どうしたの?」そう尋ねると
「逝ってしまいました」と
泣き出しそうな声で白状します。
「うふふ…おバカさんなんだからぁ」
私は幼い子に愛情をもって叱る母親のように
ほら、脱ぎなさい、綺麗にしてあげるからと言って
ズボンとパンツを下ろしました。
「まあ!ドロドロよ!」
ずいぶん溜まっていたのかパンツを脱がすと
男特有の香りが
リリーさんの鼻腔を襲います。
「ほら、綺麗にしてあげるからじっとしていて」
射精したばかりで、
まだ硬さの残るペニスを頬張って
フェラチオを施してあげます。
『美味しい!精液ってこんなにも美味しかったのね』
いつもは見知らぬ男のザーメンを舐めさせられては
イヤな思いをしてきたけれど
自分を好きだと言ってくれる男のザーメンは
今までの誰よりも美味でした。
お掃除フェラをしてあげると、
瞬く間に硬さが甦ってきます。
「ね…お口の中に出す?それとも…」
リリーさんは脚を開いておまんこを見せて
自分の指で弄りだしました。
「自分でするなんて勿体ない!
私に触らせてください!私に舐めさせてください!」
そう言って稲本さんはリリーさんの股間に顔を埋めたのです。

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「逝かせて…私を逝かせて…
イヤなことを全て忘れさせてください」
挿入をねだって稲本さんの股間に手をやって
硬いソレを手でシコシコしてあげると
「ごめんなさい、挿したくて仕方ないんです」と
稲本さんは挿入する体勢を整えました。
おまんこに男性を迎え入れるのは
吉井さんが最後に指名してくれたあの日以来です。
リリーさんはドキドキしていました。
ペニスが大きかろうと小さかろうと
セックスが上手だろうと、下手だろうと関係ありません。
自分を好いてくれる男とひとつになれる悦びで
アソコが溶けそうになっていたのです。
稲本さんが入ってきた瞬間、
リリーさんはおもいっきり背を仰け反らせて
歓喜にうち震えました。
「激しいのが好き!めちゃくちゃにしてください!!」
リクエストに応えて頑張ってしまったので
稲本さんはホンの数分で
再び白いモノを放出してしまったのです。

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05:59  |  貴方に抱かれて私は蝶になる  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

2021.05.28 (Fri)

貴方に抱かれて私は蝶になる 15

「あれっ?こんなところにお弁当屋さんが出来たんだ…」
坂口勇樹は歩みを止めて、しばし躊躇した。
コンビニ弁当も飽きたし、たまにはホカ弁でもいいか…
坂口は踵を返すと店内に入っていった。

「いらっしゃいませ」
可愛い女性の声が店内に響く。
『へえ~、こういう店は大概がおばちゃんなのに
ちゃんと女の子を雇っているんだ…』
坂口は女性の顔を見ずに、ひたすらメニューと格闘していた。
格闘の末、出した答えが『のり弁』だった。
「すいません、のり弁を一つ」
注文を入れながら初めて女性の顔を見て
坂口は「あっ!」と声をあげた。
キョトンとしている女性店員に向かって
「純恋(すみれ)さんですよね?」と声をかけた。

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純恋(すみれ)こと、大空恵美(めぐみ)は
懐かしい名を呼んでもらって
ドキッとした。
「あの…どちら様でしょうか?」
恐る恐る尋ねてみた。
「坂口です。一度だけ貴女のお世話になった者です
あの時は寝入ってしまって、
貴女をお見送り出来なくてすいませんでした」
坂口は丁寧に頭を下げて当時の非礼を詫びた。
「え、えっと…ごめんなさい
覚えていないんです」
恵美(めぐみ)は深々と頭を下げた。
「俺、風貌が変わっちゃったからなあ
じゃあ、こうすれば思い出してくれるかな?」
坂口は帽子を取って手で髪の毛をくしゃくしゃにした。
「ほら、このボサボサの髪に無精髭の面を想像してくださいよ」
恵美は数多くのお客さまの顔の記憶を辿った。
そして今度は恵美が「あーっ!」と大きな声をあげた。
汚いマンションの一室で、
洗ってもいない包茎ちんぽを咥えさせた男…
そういえば坂口という名前で予約してきたわねと
恵美は明確に思い出した。
「あの時は本当に失礼しました
お詫びに夕食でもご一緒しませんか?
仕事は何時に終わります?お迎えにきますよ」
坂口に一方的にデートを申し込まれ、
恵美は断るタイミングを逃してしまい
デートを受ける事にした。

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夜8時ちょうどに坂口は迎えに来た。
連れ立って歩くと、
過去に一度だけ訪問した
例のマンションに向かっていることに気づいた。
「あの…夕食はご自宅で?」
ええ、そうです。デリバリーを頼んでます。
家の方が落ち着くかなと思って…
坂口は軽くそう言うが、
恵美は例の汚い部屋を思い出し、
一気に食欲がなくなった。
しかし、予想に反して
部屋は綺麗に整理整頓され、
掃除も行き届いていた。
「雰囲気…変わりましたね」
恵美がそう言うと
「貴女に仕事を頼んだときが
僕の最悪な時代でしたし…」
話を聞けば、
坂口はコンピューターのプログラマーだそうで
仕事に行き詰まってむしゃくしゃしていて
鬱憤ばらしにデリヘルを頼んだということだった。
「さあ、こっちのテーブルへどうぞ」
招かれたテーブルには見事なフランス料理が並べられていた。
「デリバリーと言っても捨てたもんじゃないでしょ」
皿のロゴマークを見て恵美は驚いた。
なんと一流レストランのロゴマークだったからだ。

食事が進みワインも頂くとお互いにうち解け合い
近況を話し始めた。
「ところで…あのデリヘルのお店…
失くなっちゃったんですね
久しぶりに貴女のお世話になろうと電話したら
繋がりませんでした」
そうなんです。
恵美はお店が潰れた経緯を話し始めました。

かなり繁盛したお店だったんですけど、
まず、売れっ子の咲桜さんが離脱したのが大きかったんです。
彼女、SM嗜好のお客さまに飼い慣らされてしまって…
趣味と実益を兼ねたSMクラブに行ってしまったんです。
それだけではありません。
リリーさんという地味な30代の方がいたんですが、
彼女のご贔屓さんが自殺しちゃいまして…
病気の悪化と金銭面での生活苦が原因なんですけど
事務所の方に警察の方が来られましてね…
ほら、こういったお仕事は警察が来ると、
なにか悪いことをしていたんだろうって
噂になっちゃって、
あっという間に閑古鳥が鳴き始めてね。
おまけにリリーさんと
女の子を送迎する稲本さんという方が
駆け落ちしてどこかへ行っちゃうし…
女の子が一人抜け、二人抜けしちゃうと
次々とよその事務所に移ってしまって
ついには閉鎖しなくてはならなくなって。

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一気に話してしまうと堪えきれなくなって
恵美はポロポロと涙を溢しました。
「貴女は他のお店に行って、
またデリヘルをしようとは思わないの?」
「こういうお仕事は
常に需要と供給で成り立っているんです
私の年齢だと若くもないし熟女でもないから
あまりお仕事がないの…」
坂口はなんと言っていいかわからず
恵美の隣に座って肩を抱いた。
坂口は、あの夜からずっと恵美を追い求めてきた。
それが恋心なのか、惚れているという事なのか
女性経験に乏しい坂口には見当もつかなかった。
ただ、恵美と一緒にいたいという気持ちだけは本音だった。
「純恋(すみれ)さん、あ、いや恵美さん、君さえ良ければ
俺と一緒に暮らさないか?」
そう言って坂口は恵美にキスをした。
「私、貴方が思うほどいい女じゃないわよ」
そんなことはないさと
坂口は恵美を抱き抱(かか)えてベッドに連れていった。

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。。。。。。。。。

「貴方に抱かれて私は蝶になる」いかがでしたか?
三者三様のデリヘル嬢をヒロインとして
それぞれのお客さま相手の人生を描いてみました。
まったくノーマルで人並みの美貌だけれど
少しグレていてやんちゃな顔を持つ純恋(すみれ)。
三十路で派手さがなく、あまり指名がないけれど
人情に厚くて世話好き女房はのリリー
超売れっ子で抜群の美貌とスタイルを誇り
プライドの高い咲桜(さくら)
三人ともデリヘル嬢を卒業してそれぞれの道を歩み始めます。

どこかのデルヘルで彼女たちのような女性に出会っても
決してプライベートな事は聞かずに
彼女たちが与えてくれる快楽をご堪能してくださいね

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