2014.10.19 (Sun)
キャンバスの華 26
亀頭の先が小陰唇の扉をこじあけようとしていた。
湯屋の旦那がへのこを握り、陰戸の入口で上下に肉竿を上下に揺らした。
「ほらほら、あんたの陰戸がもうグチュグチュじゃないか
儂(わし)のガマン汁とあんたの淫ら汁が混ざり合って
気持ちいい音を奏でてるじゃないか」
たっぷりと男に弄られた陰戸はすでに男を受け入れてもいいとばかりに
尻の谷間まで滴るほどの愛液を漏らしていた。
「だめ・・・やっぱり私・・・・」
密通などできないと、男のブヨブヨの胸を一生懸命に押し返そうとした
だが中年太りの重い体はそうやすやすと押し戻せなかった。
「いやがることはない、こんなにビショビショなんだからさ
きっと嵌めあったら気持ちいいにきまってるぞ」
上下に揺さぶっていたへのこの動きを止めて
膣口へ狙いを定めて構えた。
くちゅ・・・・
いやらしい音と共に亀頭の先が小陰唇をめくりあげて膣口へと・・・
そのとき・・・
「華!!!」
全裸の次郎が湯殿へ飛び込んできた。
「は、華・・・!!」
全裸の男女が・・・・
その情景を見て次郎は愕然とした
「お前さん!!!」
次郎の後から駆け込んできた女将もまた二人の姿を確認して
大きな声をあげた
こういうことをしているのは察していたけど
次郎に現場を見られるのはバツが悪い・・・
ゴタゴタだけはごめんだよ・・・女将の頭はこの場面を脱することに必死に考えた
「あ!!・・・いや・・・・これは・・・・」
旦那は挿入しかけていたへのこを抜いた
いや、正確には勃起していたへのこがあっという間に縮んだだけなのだが・・・
「お、お前ら、なにか勘違いしてないかい
わ、儂(わし)はただ湯あたりしたこの娘を介抱してただけなんだよ」
「は?お互いに全裸で・・・?」
「ふ、風呂に入るのに裸になるのは当たり前じゃないか!
そういうお前たちも裸じゃないか!!」
「ぼ、僕はただ・・・お、女将さんが汗を流せばいいと言ってくれたので・・・・」
目の前の光景よりも次郎は女将と揃って素っ裸であることの釈明に戸惑った。
「そ、そうなのよ。どうせなら背中を流してあげるわと
私も裸に・・・・」
女将は次郎の言葉にあわせて裸であることを釈明した。
「そ、そうかい・・・
それなら儂(わし)らと同じじゃないか・・・なあ」
旦那はひきつった笑みを浮かべながら横たわる華に同意を求めた
「次郎さん・・・誤解しないでね・・・・
私はほんとにお風呂を使わせていただいただけで・・・・」
華はそう釈明しながらも決して次郎の目を見つめることができなかった
次郎とてさきほどまで女将と激しく腰を振りあったものだから
華と旦那の姿を恫喝することはできなかった。
「さあさ、お互いにそういうことならみんなで仲良く湯に浸かろうじゃないかえ」
女将はそう言うとザブンと勢いよく湯に入った。
その場をうやむやにしたいのと
己の情事の痕跡を湯で洗い流すにはもってこいだと考えた。
「そ、そうだな・・・さ、絵描きさんも湯あたりはもう大丈夫だろ?
もう一回サッと湯に入るといいやね」
旦那は華の手を取り湯船に誘った。
「ほらほら、お弟子さんも早く・・・」
女将に促されて次郎も渋々湯に浸かった。
4人が4人とも湯船の中で無口だった
そして4人ともこっそりと湯の中で局部を洗い、欲情の痕跡を消した。
ポチしてね
湯屋の旦那がへのこを握り、陰戸の入口で上下に肉竿を上下に揺らした。
「ほらほら、あんたの陰戸がもうグチュグチュじゃないか
儂(わし)のガマン汁とあんたの淫ら汁が混ざり合って
気持ちいい音を奏でてるじゃないか」
たっぷりと男に弄られた陰戸はすでに男を受け入れてもいいとばかりに
尻の谷間まで滴るほどの愛液を漏らしていた。
「だめ・・・やっぱり私・・・・」
密通などできないと、男のブヨブヨの胸を一生懸命に押し返そうとした
だが中年太りの重い体はそうやすやすと押し戻せなかった。
「いやがることはない、こんなにビショビショなんだからさ
きっと嵌めあったら気持ちいいにきまってるぞ」
上下に揺さぶっていたへのこの動きを止めて
膣口へ狙いを定めて構えた。
くちゅ・・・・
いやらしい音と共に亀頭の先が小陰唇をめくりあげて膣口へと・・・
そのとき・・・
「華!!!」
全裸の次郎が湯殿へ飛び込んできた。
「は、華・・・!!」
全裸の男女が・・・・
その情景を見て次郎は愕然とした
「お前さん!!!」
次郎の後から駆け込んできた女将もまた二人の姿を確認して
大きな声をあげた
こういうことをしているのは察していたけど
次郎に現場を見られるのはバツが悪い・・・
ゴタゴタだけはごめんだよ・・・女将の頭はこの場面を脱することに必死に考えた
「あ!!・・・いや・・・・これは・・・・」
旦那は挿入しかけていたへのこを抜いた
いや、正確には勃起していたへのこがあっという間に縮んだだけなのだが・・・
「お、お前ら、なにか勘違いしてないかい
わ、儂(わし)はただ湯あたりしたこの娘を介抱してただけなんだよ」
「は?お互いに全裸で・・・?」
「ふ、風呂に入るのに裸になるのは当たり前じゃないか!
そういうお前たちも裸じゃないか!!」
「ぼ、僕はただ・・・お、女将さんが汗を流せばいいと言ってくれたので・・・・」
目の前の光景よりも次郎は女将と揃って素っ裸であることの釈明に戸惑った。
「そ、そうなのよ。どうせなら背中を流してあげるわと
私も裸に・・・・」
女将は次郎の言葉にあわせて裸であることを釈明した。
「そ、そうかい・・・
それなら儂(わし)らと同じじゃないか・・・なあ」
旦那はひきつった笑みを浮かべながら横たわる華に同意を求めた
「次郎さん・・・誤解しないでね・・・・
私はほんとにお風呂を使わせていただいただけで・・・・」
華はそう釈明しながらも決して次郎の目を見つめることができなかった
次郎とてさきほどまで女将と激しく腰を振りあったものだから
華と旦那の姿を恫喝することはできなかった。
「さあさ、お互いにそういうことならみんなで仲良く湯に浸かろうじゃないかえ」
女将はそう言うとザブンと勢いよく湯に入った。
その場をうやむやにしたいのと
己の情事の痕跡を湯で洗い流すにはもってこいだと考えた。
「そ、そうだな・・・さ、絵描きさんも湯あたりはもう大丈夫だろ?
もう一回サッと湯に入るといいやね」
旦那は華の手を取り湯船に誘った。
「ほらほら、お弟子さんも早く・・・」
女将に促されて次郎も渋々湯に浸かった。
4人が4人とも湯船の中で無口だった
そして4人ともこっそりと湯の中で局部を洗い、欲情の痕跡を消した。
ポチしてね
2014.10.22 (Wed)
キャンバスの華 27
二人して湯屋からの帰りの足取りは異様に重かった。
あの時、次郎が駆けつけてくれなかったら
私はあの旦那を受け入れていたのだろうか・・・
そんな思いが華の頭の中を駆け巡っていた。
次郎と女将さんが素っ裸で母屋で乳繰り合っていたのではないかという
そんな思いさえどうでもよかった
いや、次郎とて男なのだ
それも男女の交わりを覚えて、やりたい盛りの若い男なのだから
ほかの女を味見することはいささか構わなかった。
ほかの女と遊んでも帰るべき寝座が自分であればいいのだ。
据え膳喰らわぬ男など、これまた味気ない男というものだ
だが自分は、自分だけは他の男に言い寄られても
次郎への貞操を貫き通す女でありたい。
今朝、二人して手をつなぎ仕事に向かう時にそう思っていたのに・・・
旦那に体を触られて感じてしまっていたのは紛れもない事実なのだ
へのこが陰戸に触れる瞬間まで、我が身は男を受け入れようとしていた・・・
華の深刻そうな横顔に
次郎は心が痛んだ・・・
「華・・・」
そっと声をかけて手を伸ばして華の手を掴もうとした
だが指先が触れるか触れまいかという瞬間に
まるで拒むかのように華の手はスっと逃げてお髪(ぐし)をかきあげた。
「次郎さん・・・今日は疲れちゃったね・・・
夕餉(ゆうげ)はお蕎麦でいいかしら?」
華の指さした方を見上げると蕎麦屋の提灯に灯が入ったところだった。
蕎麦を食べる二人に会話がなかった
ただ蕎麦をすする音だけが虚しく響いていた。
帰宅すると華は「すごく疲れちゃったから先に休ませてもらうわね」といって
そそくさと寝床に入った。
仕方なく次郎も寝巻きに着替えて華の隣に潜り込んだ。
華は次郎に背を向けてじっとしていた。
『ひとつ機嫌を直してもらうとするか・・・』
次郎は手を伸ばして華の尻を撫でた
「華・・・おいで・・・」
誘ってみたが「ごめんなさい、ほんとに疲れてるの・・・」と言って
体をずらして次郎から離れていった。
翌日も華の言葉数は少なかった。
朝餉(あさげ)を済ますと「ちょっと買い物に行ってくる」と言って
身支度を始めた。
「買い物なら付き合いますよ」
付き添おうとする次郎に「あなたは絵の勉強をしなさい!」といって
付き添うことを厳しく禁じられた。
華はお昼前に買い物から帰ってきた。
しかも大きな荷物を抱えて・・・
購入してきたのはひと組の布団だった。
「次郎さん・・・狭い部屋だけど今夜からは別々に寝ましょう・・・」
その言葉に次郎は愕然とした
これほどまでに嫌われてしまったのかという思いが頭の中を駆け巡っていた。
華もまた他の男を迎え入れようとした自分の身体が汚らわしくて仕方なかった。
こんな汚い体を次郎に捧げて抱いてもらおうなんて
すごく身勝手なように思えて素直に次郎を求めることができなかった。
・・・・・・・
次郎を拒むようになってからひと月が過ぎた
『これでいいのよ・・・
次郎さんは絵の勉強をするために私のところへきたのだから・・・』
華は次郎がここへ来た日のことを思い出していた。
田舎から出てきたばかりのお上(のぼ)りさんのようなトロくさい男・・・
だが、その澄んだ瞳に一瞬で心を奪われた。
東京暮らしのモガ(モダンガール)を気取って
次郎を誘惑してまんこして
たちまち逆に虜になってしまったあの日・・・
『ああ・・・・次郎さん・・・・』
華の淫欲は限界に近づきつつあった。
隣の布団で寝入ってる次郎の顔を見つめながら
知らず知らずのうちに華は自分の手で陰戸を触り慰めていた。
『いやん・・・次郎さんったら・・・そんなに激しくかき混ぜないで・・・・』
静かな夜の帳(とばり)に華が放つ淫らなクチュクチュという音が
とんでもなく大きな音に感じた。
『あああん・・・・次郎さん・・・
陰戸ばかり責めないでおっぱいも揉んでぇ~』
乳首が激しく勃起していた。
しばしの間、手のひらで乳首を転がした後に
荒々しく乳房を揉み始めた。
次の瞬間・・・『?!』
乳房を揉んだ華の手は凍りついたように動きを止めた。
ポチしてね
あの時、次郎が駆けつけてくれなかったら
私はあの旦那を受け入れていたのだろうか・・・
そんな思いが華の頭の中を駆け巡っていた。
次郎と女将さんが素っ裸で母屋で乳繰り合っていたのではないかという
そんな思いさえどうでもよかった
いや、次郎とて男なのだ
それも男女の交わりを覚えて、やりたい盛りの若い男なのだから
ほかの女を味見することはいささか構わなかった。
ほかの女と遊んでも帰るべき寝座が自分であればいいのだ。
据え膳喰らわぬ男など、これまた味気ない男というものだ
だが自分は、自分だけは他の男に言い寄られても
次郎への貞操を貫き通す女でありたい。
今朝、二人して手をつなぎ仕事に向かう時にそう思っていたのに・・・
旦那に体を触られて感じてしまっていたのは紛れもない事実なのだ
へのこが陰戸に触れる瞬間まで、我が身は男を受け入れようとしていた・・・
華の深刻そうな横顔に
次郎は心が痛んだ・・・
「華・・・」
そっと声をかけて手を伸ばして華の手を掴もうとした
だが指先が触れるか触れまいかという瞬間に
まるで拒むかのように華の手はスっと逃げてお髪(ぐし)をかきあげた。
「次郎さん・・・今日は疲れちゃったね・・・
夕餉(ゆうげ)はお蕎麦でいいかしら?」
華の指さした方を見上げると蕎麦屋の提灯に灯が入ったところだった。
蕎麦を食べる二人に会話がなかった
ただ蕎麦をすする音だけが虚しく響いていた。
帰宅すると華は「すごく疲れちゃったから先に休ませてもらうわね」といって
そそくさと寝床に入った。
仕方なく次郎も寝巻きに着替えて華の隣に潜り込んだ。
華は次郎に背を向けてじっとしていた。
『ひとつ機嫌を直してもらうとするか・・・』
次郎は手を伸ばして華の尻を撫でた
「華・・・おいで・・・」
誘ってみたが「ごめんなさい、ほんとに疲れてるの・・・」と言って
体をずらして次郎から離れていった。
翌日も華の言葉数は少なかった。
朝餉(あさげ)を済ますと「ちょっと買い物に行ってくる」と言って
身支度を始めた。
「買い物なら付き合いますよ」
付き添おうとする次郎に「あなたは絵の勉強をしなさい!」といって
付き添うことを厳しく禁じられた。
華はお昼前に買い物から帰ってきた。
しかも大きな荷物を抱えて・・・
購入してきたのはひと組の布団だった。
「次郎さん・・・狭い部屋だけど今夜からは別々に寝ましょう・・・」
その言葉に次郎は愕然とした
これほどまでに嫌われてしまったのかという思いが頭の中を駆け巡っていた。
華もまた他の男を迎え入れようとした自分の身体が汚らわしくて仕方なかった。
こんな汚い体を次郎に捧げて抱いてもらおうなんて
すごく身勝手なように思えて素直に次郎を求めることができなかった。
・・・・・・・
次郎を拒むようになってからひと月が過ぎた
『これでいいのよ・・・
次郎さんは絵の勉強をするために私のところへきたのだから・・・』
華は次郎がここへ来た日のことを思い出していた。
田舎から出てきたばかりのお上(のぼ)りさんのようなトロくさい男・・・
だが、その澄んだ瞳に一瞬で心を奪われた。
東京暮らしのモガ(モダンガール)を気取って
次郎を誘惑してまんこして
たちまち逆に虜になってしまったあの日・・・
『ああ・・・・次郎さん・・・・』
華の淫欲は限界に近づきつつあった。
隣の布団で寝入ってる次郎の顔を見つめながら
知らず知らずのうちに華は自分の手で陰戸を触り慰めていた。
『いやん・・・次郎さんったら・・・そんなに激しくかき混ぜないで・・・・』
静かな夜の帳(とばり)に華が放つ淫らなクチュクチュという音が
とんでもなく大きな音に感じた。
『あああん・・・・次郎さん・・・
陰戸ばかり責めないでおっぱいも揉んでぇ~』
乳首が激しく勃起していた。
しばしの間、手のひらで乳首を転がした後に
荒々しく乳房を揉み始めた。
次の瞬間・・・『?!』
乳房を揉んだ華の手は凍りついたように動きを止めた。
ポチしてね
2014.10.23 (Thu)
キャンバスの華 最終話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あなた・・・? あなたったら・・・」
身重の千代が心配そうにソファから身体を起こして次郎に声をかけていた。
『はっ!』
次郎は千代の声に我に返った
「こらこら、モデルが動いてはダメじゃないか」
「そんなことを言ったって、あなたったらさっきから筆が全然動いてないんですもの。
そんなペースでは個展に間に合わなくなるわ
いえ、その前に赤子(ややこ)が産まれてこのお腹がぺったんこになってしまいますわ」
大きなお腹を愛しそうに擦りながら千代は微笑んだ。
次郎は個展に出展する最終作品の妊娠裸婦画を描いていた。
「そうだな、早く仕上げなきゃ・・・」
そう言いながら次郎は持っている絵筆を見つめた。
絵筆には英文字でHANAと刻印されていた。
『華・・・』
次郎は再び《あの日》に思いを巡らせた。
・・・・・・・・・・・・
華はなにか心配事でもあるかのように塞ぎこむようになった。
そして、意を決するかのように蘭方医の清庵のもとへ診察を受けにいった。
もちろん蘭方医を訪ねていくことは次郎には内緒にしておいた。
「これはこれは絵描きのお嬢さん。体調がすぐれないのかね?」
最近、若い男と暮らしてるそうじゃないか、ご懐妊の確認にでも来られたのかな
などと減らず口を語りながら、まあ、そこへお座りなさいと診察椅子に腰かけることを勧めた。
華は思いきって気にかかる事を医師に話した
「実は・・・乳房の奥に妙なしこりが・・・」
「ふむ、どれ、診察してしんぜよう」
医師は胸をだして診察ベッドに横たわるようにと指示した。
華の白い乳房を押したり、両の手で挟み込むようにして揉みながら
医師の表情がみるみるうちに強張りだした。
「こ、これは・・・」
陽気な清庵の表情が曇ったことで、
華は自分の予想が当たったのだと確信した
「先生・・・やはり岩なのですね?」
決して口にしたくない病名を医師に確認した。
「残念じゃが、言われるとおりこれは岩のモノです・・・・
だが、長崎のオランダ医師ならなんとかしてくれやもしれん」
紹介状を書くからすぐに長崎へ往きなさいと医師は勧めた
「なんとかなるというのは乳房を切り取るということなのでしょ?
そんなのは死ねと言われるより辛いです
それならば私は静かに死を待ちます」
まだ若い命を粗末にしてはいけないと諫められたが
華の決心は固かった。
外出から戻った華は表情から暗さが消え、いつにもまして元気だった。
そしていつも以上に厳しく次郎に絵の向上を促し始めた。
だが元気だったのは数日で
やがて華は食も細くなり、寝床に伏せる日が多くなってきた。
華が伏せてしまっている以上、次郎は必死に働いた
初めのうちは壁画の出来が悪いと言われ賃金がもらえない時もあったが
数ヶ月後には値切られながらもなんとか賃金をいただき
生計をたてれるまでになった。
だが、そのころには華の血色が非常に悪く、
透き通るような白い肌は黄疸のせいで黄色くくすみ始めていた。
その日は朝から華の呼吸が荒く、かなり辛そうだった。
次郎は大慌ててで蘭方医を往診させた。
「養生しか打つ手はないかと・・・」
診察を終えた医師は静かにそう言った。
それは、もはや打つ手なしという宣告だった・・・・
「会わせてあげたい人がいたら今日中に・・・」
今夜がヤマだと暗に医師はそう告げた
「そ、そんな!!先生!なんとかしてください!!!
血がいるのなら俺の血を全部抜いても構いませんから!!」
これにて失礼するよと言う医師の袖を握り締めて次郎は必死に引き止めた。
「儂とて、なんとかしてあげたい・・・
だが・・・もうどうすることもできんのじゃ・・・・」
必死に鷲掴む次郎の手をそっと引き剥がし残念そうに医師は去っていった。
やがて日が暮れ、丑三つ時になろうかという頃に
華の意識が混濁し始めた。
うわ言のようにボソボソ話し始めた華であったが
フイにはっきりと次郎の名を呼んだ
「次郎さん!!次郎さん・・・どこ?」
「華!!俺はここにいます!ずっと華の手を握ってますよ!!」
「寒いの・・・すごく寒いの・・・抱いて・・・抱きしめて・・・」
華の意識が薄れていくのを次郎は感じ取った
「抱きしめているよ!華、ほらわかるかい!
俺はこんなに強く華を抱きしめているよ!!」
華の身体を起こして、次郎は強く抱きしめた
「ああ・・・嬉しい・・・こうやってあなたの腕の中で旅立てる・・・
次郎さん・・・」
華の呼吸が荒く苦しそうだった。
「わかったから、もう喋んなくていいから!
俺はずっとここにこうして華のそばにいるから」
涙が溢れて止まらなかった。
やがて華の呼吸が弱々しくなってゆく
「逝くな!!華!俺を置いて逝かないでくれ!!」
「じ・・ろ・・さ・・・・・ん・・・・
あな・・た・・には・・・・待っ・・てる・・・人が・・・・いる・・・
か・・え・・・って・・・・あ・・・・げ・・・な・・・・きゃ・・・・」
少しずつ華の言葉が聞き取れなってゆく・・・
「華~~~!!!」
微かな声で華が最後に言った言葉・・・
「あ・・い・・・し・・・て・・る・・・」
その言葉を残して華は逝った
次郎は華への思いを込めて
死化粧を施した
華というキャンバスに・・・・
完
ポチしてね