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2021.02.28 (Sun)

兄と妹 16

美穂と伸二は
夕暮れの町をとぼとぼと歩いた。
伸二としてはちょっとした悪戯心だっただけに
事の重大さにようやく気づいてどうしょうと悩んでいた。
「お姉さん、怒らせちゃったね」
セックスをしてしまったのは他ならぬ自分なのに
悪戯がバレた子供のようにしょげかえって後悔を口にした。
美穂は何も語らずにキッと前を見据えて歩みを止めなかった。
「で…どうする?家を追い出されちまったからには
俺んところで同棲する?」
そう言うと、ピタリと歩みを止めて伸二を睨みながら
「そういうのは同棲って言わないの!
あんたの家にご厄介になるのは居候って言うのよ!」
ああそうかと納得しながら
「じゃあ、その居候でもいいじゃん、
俺ん家に来いよ
毎晩セックスできるぜ」
自分の両親が同じ屋根の下で暮らしてるのに
セックス何て出きる筈もない。
そういうところがバカなんだと美穂は思った。
「別にあんたを頼らなくても私は生きていけるわ!」
そう言い残すと、伸二を置き去りにして
夕闇の街を駆け抜けた。

20210224224403b31.jpeg

。。。。。。。。。

電気も通っていない真っ暗な部屋で
美穂は膝を抱えて闇を睨んだ。
私が大事ならきっとここへ啓司が来ると信じて疑わなかった。
ここは美穂の母親と啓司の父親が再婚したときに
4人で住み始めた家…
もともとは啓司の父親の持ち家だったが
啓司が明美と結婚してマンションに入居した際に
置き去りにされた家…
売りに出しているがいまだに買い手が見つからず
啓司もどうしたものかと悩んでいる物件だ。
啓司が結婚したときに家具等は新たに購入したために
美穂たちが幼少の頃に使っていた家具も
そのままの状態で置いてある。
床に座り続けるのもお尻が痛くなってきたので
両親が使っていたベッドに
被せられている白いシートを引き剥がして
美穂は横になった。
両親の匂いが残っているかとベッドに顔を埋めてみたが
使われていないベッドからは
湿ったカビ臭い匂いしかしなかった。
『ここで独りで暮らしていこう…』
美穂は啓司が迎えに来てくれなかった場合を想定して
将来
啓司は大学進学を進めてくれたが、
進学などを考えている場合ではない。
高卒のお給料がいかほどかはわからないが
女独りで生きていけると思っていた。

202102242249314fd.jpeg

すっかり日が暮れて部屋の中は真っ暗になっていた。
カビ臭いベッドでも心地好いスプリングの弾力で
いつの間にかウトウトし始めた頃、
ゆっくりと襖が開いて
月明かりが真っ暗な部屋に忍び込んできた。
ギシッ…
畳を軋ませながら人影が部屋に入ってきた。
「誰?」
眠い目を擦りながら美穂は尋ねた。
「やっぱりここに居たんだね」
人影は兄の啓司だった。
「お兄ちゃん…」
啓司は美穂の言葉に何も言わずに
美穂が寝ているベッドに腰掛けた。
「私…あの人と伸二がセックスするように仕組んだの」
伸二の話だと誘ってきたのは明美だったそうだが
隠し撮りをした後ろめたさで
美穂は自分が全て悪いのだと告白した。
「何もかも明美から打ち明けてくれたよ」
お前は悪くないんだよとばかりに
啓司は美穂の頭を優しく撫でた。
「あいつは…つまり、なんというか…
俗に言われるセックス依存症なんだよ」
「えっ?」
セックス依存症…
女子会の下ネタの話題でいつだったか聞いた事がある。
「セックスをしないと情緒不安定になるんだよ
まあ、俺があいつの処女を頂いて
目覚めさせてしまったんだが…」
啓司の話だと、結婚前も少し会えない日が続くと
同僚を誘ってホテルに連れ込んだりしてたそうだ。

202102280844116ba.gif

「まあ、俺がちゃんとセックスをしてやれば
そういった発作は出ない事がわかって
結婚してからは毎晩セックスをしてたんだが…」
この頃は仕事がハードで少しお休みしたいと
今夜は遅くなると宣言して
ネットカフェで仮眠を取るつもりだったと言った。
「仕事で帰りが遅くなるので
今夜はセックスをしてもらえないとわかって
発作が出てしまったんだろうと思う」
遅かれ早かれ、昼の誰も居ないまに、
明美は誰でもいいから男を連れ込んで
不貞を働いたに違いないと
啓司は寂しそうに笑った。
「お兄ちゃん可哀相」
美穂は上体を起こして啓司の背後から優しくハグをした。
「可哀相かい?」
いつもなら抱き締めようとすると
拒む啓司だったが、
今は美穂のやりたいように身を任せていた。
「可哀相よ!だって、あの人は病気を言い訳にして
ヤりたくなったら誰でもいいからしちゃうんでしょ?
お兄ちゃんも他の女を抱いて楽しむべきだわ」
そう言いながら後ろから器用に啓司のネクタイを外し
ワイシャツのボタンを外し始めた。
「他の女か…
あいにくとお前が思うほど俺はモテないんでね」
「そんなことない!
だって、私はお兄ちゃんに抱いてもらいたくて
いつもウズウズしてるんだもん!」
そう言いながら美穂は啓司のスーツの上着を脱がした。
「美穂…」
ほんとは俺もお前が…と語尾を濁しながらも
何を言いたいかわかるだろ?とばかりに
立ち上がると美穂の目の前に股間を見せつけた。
スラックスを突き破らんばかりに勃起してテントを張っていた。

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テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

00:00  |  兄と妹  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

Comment

念願叶って・・・

不貞を働いたお姉さんから追い出されるのは、なんだか理不尽なような気もするけど、念願通り、お兄さんに抱かれるから良いのかな?
複雑な関係になって来ましたね。😊💦
風花(かざはな) |  2021.02.28(日) 10:41 | URL |  【編集】

Re: 念願叶って・・・

風花さん、コメントありがとうございます
いよいよ兄と妹の垣根を越えて一人の男と女として
心も体も結ばれる時がやってきます
さて、大団円になるか最悪の結末になるか
難しいテーマになってきました
ほーくん |  2021.02.28(日) 21:14 | URL |  【編集】

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