愛ラブＹＯＵ～いろんな女たち～

洋平は再就職しようと、ハローワークに足しげく通ったが
学歴もスキルも申し分なく、応募した企業は喜び「ぜひ、面接を」という
ありがたい返事をいただいたが
いざ面接をしてもらうと、
履歴書に書かなければならない『軽犯罪の前科』という文字が
面接官の顔を曇らせた・・・

失業保険の有効期間である６ヶ月が瞬く間に流れた。
キャリア時代にマイホームを購入しようと
せっせと貯めていた資金が
日々の生活のために費やされていく。

とにかく稼がなければ・・・
どんな仕事でもいい、現状を打破するためには
働いて、働いて、働くしかなかった
コンビニのバイト、新聞配達と生活のために働いたが
いずれも低賃金で収入よりも生活支出のほうが大きく
生計を立てるために心血を注ぐ職ではないことがわかった。

そんなとき土木作業員募集の広告に目が止まった。
１日数万円からの賃金を稼げる・・・

とにかく稼ごう。
稼いで、稼いで、お金を貯めて起業してやる！
『前科』というものが立ちはだかり就職がままならないのであれば
自分が会社を立ち上げて生計の糧にしてやる。

来る日も来る日も、体に鞭打って働いた。
そんなある日、昼食のコンビニ弁当を食べていると、
傍らの学生二人の会話が耳に飛び込んできた。

『ほんとだって、昨夜の女は、いい女だったよ』

『そんなにうまくいくのかよ』

『ああ、ネットの掲示板には男を欲しがる女がゴロゴロ転がってるんだよ』

『俺もいっちょ女を探してみるか・・・』


女・・・・
思えばこんな生活に身を落としてから風俗にもいけてないな・・・
ネットの掲示板にそんな旨い話が転がっているのか・・・


帰宅後、さっそくパソコンを立ち上げて
学生が話していたサイトを覗いてみた。

女性からのコメントに
砂糖に群がる蟻のようにたくさんの男たちが
自分を選んでもらおうと
甘い囁きのコメントが溢れかえっていた。

『競争率はかなりのものだな・・・』
すぐさま女と意気投合して今夜にでもヤレると思っていた洋介は
あまりのコメントの多さにがっかりした・・・


だが待てよ・・・
女から選んでもらうのではなく、自分がトピを立ち上げて
女に選んでもらうってのはどうだ？

洋介はキーボードを叩いて『２８歳の男性です、貴女をきっと満足させてみせます』と
トピックを書き込んだ。そして最後に『よければメールください』と
自分のフリーメールアドレスを書き込んだ。

しばらくするとフリーメールアドレスに
『お前、バカじゃねえの』
『女に飢えてるのが丸見えだぜ』
『俺のチンポもしゃぶってくれるのかな　www』
『俺のチンポでも見てシコってろ』
という多くの罵声コメントが溢れた。

こんなものだよな・・・
自分のしたことにバカバカしくなってメールソフトを閉じようとしたとき・・・
『３５歳の主婦です・・・』というコメントが飛び込んできた。

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