2016.07.21 (Thu)
蒼い月光 36(原案 あすか)
千代の口から陰戸が引き剥がされた。
八重を中腰にさせると、
剣山はそのまま後ろから八重の雫が滴る秘貝に己のへのこを沿わせた。
千代は両眼(まなこ)をしっかりと見開き男が女に入ってゆく様を目に焼き付けた。
ヌチュ・・・と音を立てて亀頭の丸いところが秘貝に沈むやいなや
ジュポジュポとビラビラを巻き込みながら血管の浮き出たへのこが見事に挿入されていった。
『なんて・・・きれいな光景なのでしょう・・・』
それは生命と生命のつながり・・・
男と女が抱き合い、愛という尊き結合だと思った。
千代は二人の結合部分に顔を近づけて、その交じりあっているところに舌を伸ばした。
舌先に硬い強張りと淫らな泉を同時に感じた。
男が腰を振る度に、千代の頬に金玉のふぐりがペタペタと打ち当たった。
千代は、その前後に揺れるふぐりを口に含んだ。
男が腰を引くとふぐりは口から吐き出され、
腰を打ち付けてきたときに近づくふぐりを再び口に含んだ。
男が一定のリズムで腰を振るものだから、金玉を吸ったり吐き出したりを繰り返した。
吸うときにはジュルジュルという音を立て、吐き出すときはジュポンと音を立てた。
そのいやらしい音は八重の耳にも届いていた。
『千代さまったら‥‥金玉を美味しそうにしゃぶってらっしゃる』
剣山のことだからおそらく絶頂を迎える前に千代に乗り換えて貫くに違いない。
そのときは私が殿の金玉を舐めさせていただこう。
剣山がへのこを抜き去るのは淋しいが、
貫かれる千代の秘貝を間近で見ながら金玉をしゃぶるのも楽しいかもしれないと期待を抱いた。
「おお‥‥やはり八重の陰戸は、よく締まるのお‥‥」
犬の恰好で貫かれると、尻に力を入れやすいのでギチギチにへのこを締め上げることができた。
「下からは千代に金玉をしゃぶられて‥‥まさしく極楽じゃ」
八重の締まり具合と千代のふぐり舐めを同時に味わおうと深く挿したまま動きを止めた。
八重が陰戸をキュッと締め上げ、千代がチュパチュパと玉を吸い込んだ。
千代は金玉を口に含んだ事で昨日以上に淫らに燃えているのだろう、
八重の眼下の千代の秘貝が濡れ濡れになってヒクヒクしていた。
八重は尻だけを高く持ち上げ、剣山に貫かれたまま上体を千代の股間に沈めた。
舌で淫核を摘むと、千代は、しゃぶっていた玉を吐き出して「あああ~」と可憐な声で泣いた。
『やはり十代の女‥‥可愛い声で鳴くのね‥‥』
喘ぐ事を恥として抱かれる時に歯を食いしばって耐えた自分と比較し、
私も十代の頃に、このように可憐な声を出しておもいっきり喘げばよかったと思った。
「ほれ、八重も気持ちよいのであれば鳴くがよい。」
男は、千代が八重に責められ、己への金玉への愛撫が疎かになったのに苛立ちを隠せずに、腰を激しく振り始めた。
長い肉茎が子種を受け入れる肉門を激しく打ちつけた。
留守宅の門を拳で叩き「誰ぞ、誰ぞおらぬのか」と叫び続けるように
激しくドン、ドンと亀頭を子の宮にぶち当てた。
「ああ~!!たまりませぬ‥‥」
千代のように高く可憐な声には到底及ばないが、
官能のままに低く掠れた声で鳴いた。
「おお‥‥八重、そなたの声も男心を惑わす淫靡な鳴き声よのう‥‥」
殿が私の喘ぎを褒めてくださった・・・・
八重は喜び、より一層の歓喜の声をあげた。
二人の女の喘ぎ声が高低見事な輪唱となった。
剣山は二人の女の鳴き声に酔いしびれた。
興奮度は否応なく高まり、へのこは釘を打てるのではないかと思えるほどに硬直した。
それを貫かれている八重が敏感に感じ取った。
「ああ~!!か、硬い‥‥すごく硬い大筒が私をぐちょぐちょにしております‥‥」
それを聞いた千代も我慢できずに男女が交じり合う股間から
「わ、わたしにもカチカチの硬い大筒を陰戸にぶち込んでくださいませ~」
と男の尻を激しく撫でながら叫んだ。
「おお、そうか‥‥千代、お前も欲しいか?」
「はい、いただきとうございます‥‥
殿の硬くそそり立つ見事なへのこを千代の陰戸に突き刺してくださいませ」
八重に淫核を弄られて、体をビクン、ビクンと跳ね上げながら
八重の股間から、
なんとも悩ましげな顔を覗かせ千代は哀願した。
「八重の陰戸の汁にまみれたコイツが欲しいのか?」
そう言いながら八重の濡れアワビからへのこを抜いた。
「ああ~!!抜かないでくださいまし‥‥」
八重の陰戸は塞がれていたへのこを失い、ぽっかりと穴が開いたままになった。
その空洞を埋めてもらおうと尻を男に向かって振り続けた。
淫らに淫水がトロリと流れだし、尻を振るたびに雫を千代の童顔に滴らせた。
「八重、千代も欲しくてたまらんそうだ。お前はしばし休息するがよい」
「ああ‥‥そんな殺生な!もう少し、もう少しで逝けそうでございましたのに‥」
尚も尻を振り、へのこを求める八重の腰を抱きかかえて
隣の使われていないまっさらな寝具に放り投げた。
『八重、ごめんなさい‥‥
でも、私も殿の反り返ったへのこで秘貝をかき混ぜていただきたいのです‥‥』
千代は先ほどまで八重が四つん這いになっていた所に同じように犬を真似て四つん這いになった。
「後ろからはもうよい!お前の幼顔を見ながら突き刺すのが好きなのじゃ」
八重を放り投げたように腰を抱くと、今度は放り投げずに千代の体をくるりと反転させた。
「きゃっ‥‥」
男はあっという間に千代の膝裏に手をかけ、折り曲げた膝を乳のそばまで押し上げた。
「は、恥ずかしゅうございます‥‥」
千代は、わずかばかり恥らんでみた。
しかし実は八重のように後ろから挿入してほしかったのだった。
「わかっておる。お前も八重のように犬の格好で刺して欲しかったのだろう?
だが儂(わし)は、お前の器量のよい顔が喘ぎ苦しむ様を見ながら楽しみたいのだ。
なに、夜はまだまだ明けぬ、後で犬の格好で責めてやる」
「ああ‥‥嬉しい‥‥
何度も、何度も、千代を桃源郷にお導きくださいませ」
「わかっておる・・・ほれ、これが欲しいのであろう?」
男は己のイチモツを握り、ブルン、ブルンと振り回して
千代のおさねに肉茎をぶつけた。
「いやあ~ん・・・お豆がヒクヒクするぅ~~・・・」
千代の顔がどんどん上気してゆく。
さんざん八重に弄られてたのでおさね豆はハンパなく膨れ上がっていた。
すっかり包皮から飛び出すほどに勃起して、
その下の秘穴からは瑞々しい雫をジョロジョロと流した。
「ほれほれ、こんなにもヨダレを垂れ流しておるぞ。欲しければ欲しいと言ってみろ」
「あああ・・・ください・・・欲しいの・・・」
「なにが欲しいのかハッキリと言ってみろ」
「殿の・・・殿の・・・へのこを・・・」
「別の呼び名があるであろう?」
「ああああ・・・堪忍してくださいませ・・・・」
俗語で言わせようとしているのは見え見えだった。
「欲しくないのなら・・・八重に挿入するぞ・・・」
「ああ!!ま、待って!!・・・言います、言います。何度でも言います。
殿のちん・・・をください・・・」
「なに?なにが欲しいって?あまりにも小さな声で聞き取れなかったぞ」
スっと男は腰を引いた・・・
「だめえ~~!!!だめよ!挿入(い)れて欲しいの!殿の硬くて太い、お珍宝を・・・!!」
ははは!よく言った!ほれ、褒美じゃ!!
そう言って男は勢いよく腰を前に突き出した。
八重を中腰にさせると、
剣山はそのまま後ろから八重の雫が滴る秘貝に己のへのこを沿わせた。
千代は両眼(まなこ)をしっかりと見開き男が女に入ってゆく様を目に焼き付けた。
ヌチュ・・・と音を立てて亀頭の丸いところが秘貝に沈むやいなや
ジュポジュポとビラビラを巻き込みながら血管の浮き出たへのこが見事に挿入されていった。
『なんて・・・きれいな光景なのでしょう・・・』
それは生命と生命のつながり・・・
男と女が抱き合い、愛という尊き結合だと思った。
千代は二人の結合部分に顔を近づけて、その交じりあっているところに舌を伸ばした。
舌先に硬い強張りと淫らな泉を同時に感じた。
男が腰を振る度に、千代の頬に金玉のふぐりがペタペタと打ち当たった。
千代は、その前後に揺れるふぐりを口に含んだ。
男が腰を引くとふぐりは口から吐き出され、
腰を打ち付けてきたときに近づくふぐりを再び口に含んだ。
男が一定のリズムで腰を振るものだから、金玉を吸ったり吐き出したりを繰り返した。
吸うときにはジュルジュルという音を立て、吐き出すときはジュポンと音を立てた。
そのいやらしい音は八重の耳にも届いていた。
『千代さまったら‥‥金玉を美味しそうにしゃぶってらっしゃる』
剣山のことだからおそらく絶頂を迎える前に千代に乗り換えて貫くに違いない。
そのときは私が殿の金玉を舐めさせていただこう。
剣山がへのこを抜き去るのは淋しいが、
貫かれる千代の秘貝を間近で見ながら金玉をしゃぶるのも楽しいかもしれないと期待を抱いた。
「おお‥‥やはり八重の陰戸は、よく締まるのお‥‥」
犬の恰好で貫かれると、尻に力を入れやすいのでギチギチにへのこを締め上げることができた。
「下からは千代に金玉をしゃぶられて‥‥まさしく極楽じゃ」
八重の締まり具合と千代のふぐり舐めを同時に味わおうと深く挿したまま動きを止めた。
八重が陰戸をキュッと締め上げ、千代がチュパチュパと玉を吸い込んだ。
千代は金玉を口に含んだ事で昨日以上に淫らに燃えているのだろう、
八重の眼下の千代の秘貝が濡れ濡れになってヒクヒクしていた。
八重は尻だけを高く持ち上げ、剣山に貫かれたまま上体を千代の股間に沈めた。
舌で淫核を摘むと、千代は、しゃぶっていた玉を吐き出して「あああ~」と可憐な声で泣いた。
『やはり十代の女‥‥可愛い声で鳴くのね‥‥』
喘ぐ事を恥として抱かれる時に歯を食いしばって耐えた自分と比較し、
私も十代の頃に、このように可憐な声を出しておもいっきり喘げばよかったと思った。
「ほれ、八重も気持ちよいのであれば鳴くがよい。」
男は、千代が八重に責められ、己への金玉への愛撫が疎かになったのに苛立ちを隠せずに、腰を激しく振り始めた。
長い肉茎が子種を受け入れる肉門を激しく打ちつけた。
留守宅の門を拳で叩き「誰ぞ、誰ぞおらぬのか」と叫び続けるように
激しくドン、ドンと亀頭を子の宮にぶち当てた。
「ああ~!!たまりませぬ‥‥」
千代のように高く可憐な声には到底及ばないが、
官能のままに低く掠れた声で鳴いた。
「おお‥‥八重、そなたの声も男心を惑わす淫靡な鳴き声よのう‥‥」
殿が私の喘ぎを褒めてくださった・・・・
八重は喜び、より一層の歓喜の声をあげた。
二人の女の喘ぎ声が高低見事な輪唱となった。
剣山は二人の女の鳴き声に酔いしびれた。
興奮度は否応なく高まり、へのこは釘を打てるのではないかと思えるほどに硬直した。
それを貫かれている八重が敏感に感じ取った。
「ああ~!!か、硬い‥‥すごく硬い大筒が私をぐちょぐちょにしております‥‥」
それを聞いた千代も我慢できずに男女が交じり合う股間から
「わ、わたしにもカチカチの硬い大筒を陰戸にぶち込んでくださいませ~」
と男の尻を激しく撫でながら叫んだ。
「おお、そうか‥‥千代、お前も欲しいか?」
「はい、いただきとうございます‥‥
殿の硬くそそり立つ見事なへのこを千代の陰戸に突き刺してくださいませ」
八重に淫核を弄られて、体をビクン、ビクンと跳ね上げながら
八重の股間から、
なんとも悩ましげな顔を覗かせ千代は哀願した。
「八重の陰戸の汁にまみれたコイツが欲しいのか?」
そう言いながら八重の濡れアワビからへのこを抜いた。
「ああ~!!抜かないでくださいまし‥‥」
八重の陰戸は塞がれていたへのこを失い、ぽっかりと穴が開いたままになった。
その空洞を埋めてもらおうと尻を男に向かって振り続けた。
淫らに淫水がトロリと流れだし、尻を振るたびに雫を千代の童顔に滴らせた。
「八重、千代も欲しくてたまらんそうだ。お前はしばし休息するがよい」
「ああ‥‥そんな殺生な!もう少し、もう少しで逝けそうでございましたのに‥」
尚も尻を振り、へのこを求める八重の腰を抱きかかえて
隣の使われていないまっさらな寝具に放り投げた。
『八重、ごめんなさい‥‥
でも、私も殿の反り返ったへのこで秘貝をかき混ぜていただきたいのです‥‥』
千代は先ほどまで八重が四つん這いになっていた所に同じように犬を真似て四つん這いになった。
「後ろからはもうよい!お前の幼顔を見ながら突き刺すのが好きなのじゃ」
八重を放り投げたように腰を抱くと、今度は放り投げずに千代の体をくるりと反転させた。
「きゃっ‥‥」
男はあっという間に千代の膝裏に手をかけ、折り曲げた膝を乳のそばまで押し上げた。
「は、恥ずかしゅうございます‥‥」
千代は、わずかばかり恥らんでみた。
しかし実は八重のように後ろから挿入してほしかったのだった。
「わかっておる。お前も八重のように犬の格好で刺して欲しかったのだろう?
だが儂(わし)は、お前の器量のよい顔が喘ぎ苦しむ様を見ながら楽しみたいのだ。
なに、夜はまだまだ明けぬ、後で犬の格好で責めてやる」
「ああ‥‥嬉しい‥‥
何度も、何度も、千代を桃源郷にお導きくださいませ」
「わかっておる・・・ほれ、これが欲しいのであろう?」
男は己のイチモツを握り、ブルン、ブルンと振り回して
千代のおさねに肉茎をぶつけた。
「いやあ~ん・・・お豆がヒクヒクするぅ~~・・・」
千代の顔がどんどん上気してゆく。
さんざん八重に弄られてたのでおさね豆はハンパなく膨れ上がっていた。
すっかり包皮から飛び出すほどに勃起して、
その下の秘穴からは瑞々しい雫をジョロジョロと流した。
「ほれほれ、こんなにもヨダレを垂れ流しておるぞ。欲しければ欲しいと言ってみろ」
「あああ・・・ください・・・欲しいの・・・」
「なにが欲しいのかハッキリと言ってみろ」
「殿の・・・殿の・・・へのこを・・・」
「別の呼び名があるであろう?」
「ああああ・・・堪忍してくださいませ・・・・」
俗語で言わせようとしているのは見え見えだった。
「欲しくないのなら・・・八重に挿入するぞ・・・」
「ああ!!ま、待って!!・・・言います、言います。何度でも言います。
殿のちん・・・をください・・・」
「なに?なにが欲しいって?あまりにも小さな声で聞き取れなかったぞ」
スっと男は腰を引いた・・・
「だめえ~~!!!だめよ!挿入(い)れて欲しいの!殿の硬くて太い、お珍宝を・・・!!」
ははは!よく言った!ほれ、褒美じゃ!!
そう言って男は勢いよく腰を前に突き出した。
2016.07.22 (Fri)
蒼い月光 37(原案 あすか)
ヌプっと音を立てて亀頭を秘貝に受け止め、
最も張り出しているエラを飲むと後はたっぷり濡れそぼっている貝の身は
ズルズルと血管が浮き出てゴツゴツした肉茎を苦もなく飲み込んだ。
「殿~!!すごい!陰戸がおもいっきり押し開かれておりまする」
昨夜、破瓜したばかりの秘貝は淫道も狭く、
ガチガチに勃起した男性自身をこれでもかと締め付けた。
「おお~!やはり千代の穴は小さいのぉ!珍宝が千切れそうなほどじゃ」
狭くてきつくても十分なほどの潤いが腰の動きをスムーズにさせた。
『逝きそうだったのに‥‥殿のいじわる』
いつしか八重が男の背中に抱きつき大きな乳房を押しつけていた。
乳房の先端の乳首はビンビンに勃起して、
背中に押し付けられ行き場を失い、柔らかな乳房の中に埋没していた。
押し潰された乳首にビシビシと痛みを感じたが、
その痛みは甘い官能となって八重を狂わせた。
男の背中越しに見下ろす千代は可憐だった。
眉間にシワを寄せて喘ぐ姿に八重は再び千代を責めたくなった。
スルスルと剣山の背中を滑り落ちると、
蛇のように体をくねらせながら千代の上半身に覆い被さった。
そして千代の腹を跨ぎ、まん丸い尻を剣山に見せつけた。
「八重!見事な尻じゃ!」
そう言って男は白い双丘を手で平打ちした。
パン!という乾いた音のあと八重の白い尻肉に見事な手形のもみじが色鮮やかに咲いた。
「ああ~痛い!」
痛がってみたものの、その声は甘美で次の平手打ちを催促していた。
「なに?もっとか?もっといたぶってほしいのか?」
肯定の言葉代わりに八重はプリプリの尻肉を左右に振った。
こうか?こうしてほしいのか?
男の平手が何度も尻をぶった。
規則正しい乾いた音がするたびに八重は背を仰け反らせて喘ぎ、
半開きの口許から粘り気のある唾液を千代の顔の上に降らせた。
『まあ‥‥なんと激しい‥‥これが大人の女の喘ぎというものなのね』
千代は、八重のような妖しい女の魅力が欲しくて
滴ってくる唾液を大きく口を開いて受け止めた。
唾液をいただくことで少しでも大人の女に近づける気がした。
は!?
八重は自分の唾液を求めて可愛い口を開き舌を伸ばしている千代に気づいた。
『そんなことをせずとも唾液ならいくらでも差し上げますわ』
千代の頬を両手でやさしく挟み、潤いを求めている半開きの口に吸い付いた。
2人の女の舌が淫らに絡み合う‥‥
舌というものがこんなにも妖しく蠢くとは‥‥
淫気が高まり、八重の秘貝からピュ~っと潮が噴き出た。
「わはは!八重の貝が潮を噴いておる。まさしく蛤が砂抜きされているようじゃ!」
笑いながらも
「儂(わし)は千代が喘ぐ顔を見ながら腰を振りたいのに、
お前が覆い被さると見えないではないか」
そして、罰を与えねばならんなと言って太い指をいきなり菊の門に突き立てた。
「きゃあ~!!」
ふいに指の付け根までいっきに射し込まれたのだからたまったものではなかった。
「ほお‥‥ここはここで門のところだけよく締まりおる」
突っ込んだ指を中でグリグリと遊ばせた。
「あああ‥‥だめでございます!」
八重は尻を振って悶えた、痛かったのは一瞬で、すぐに未知の官能が八重を支配した。
八重の感じまくる表情を見て千代も燃えた。
男の動きが激しい。
どんどん女が開花してゆく‥‥
シャーっと、へのこを突っ込まれたわずかな隙間から小水のように淫水が噴き零れた。
「どれ、交互に可愛がってやろう」
クチュっと音を立てて珍宝が千代の陰戸から引き抜かれた。
「ああん!いや、いや!出て行かないで!!」
再び刺し貫いてもらおうと千代は剣山の腰をグイグイと引き寄せた。
「千代、わがままを言うな。千代も八重も儂(わし)にとってはどちらも大事なおなごじゃ」
そう言いながら今度は菊門に刺していた指を引き抜いた。
「ああ~ん、もっと欲しゅうございます」
今度は八重がぽっかりと開いた尻の穴をヒクヒクさせながら
再び刺してほしいと尻肉を揺らした。
「どいつもこいつも刺し貫けとわがままばかり言いおって‥‥」
ならば代わる代わるに味わえばよいと、八重の淫道を二三度潜らすと、
すぐさま抜いて間髪入れずに今度は千代の淫道を潜った。
ああ!いやん!
二人の女が同じ言葉を発した。
もちろん八重が発した言葉は抜かないでほしいと言う意味で、
かたや千代が発した言葉は再び刺し貫いてもらえた喜びを表していた。
千代を貫いているとき幼い声で喘ぎ、
八重を貫いているときは妖しい熟女の声で喘いだ。
同じ女でもアソコと同じように声色さえも違っていた。
二人の女は交互に挿入されながら
互いの体を抱き寄せあい双方の乳房を揉み合い唇を重ねた。
激しく腰を振る剣山にも絶頂が近づきつつあった。
八重の蠢く淫道、千代の小さくよく締まる淫道‥‥
交互に味わっているのだから、その快楽は何とも言えない刺激を受け続けていた。
「ううっ‥‥たまらん!逝きそうだ。さて、どちらの陰戸にぶちまけてくれようか‥‥」
あああ!どうか私に‥‥
声には出さなかったが女達は互いに自分の中で終えてほしくて、
挿入されたときに果ててもらおうと尻の穴に目一杯の力を入れてガチガチに締め付けた。
「あああ・・・・逝きそうです!!今、今すぐくださいませ!!!」
八重がワレメからビュウビュウと潮を垂れ流しながら哀願した。
「おお!八重・・・そなたは、よく潮を噴くのう・・・
愛(う)い奴じゃ、お前にたっぷり出そうか・・・」
「あああ!!いや!!そんな・・・正室は、この千代でございます!
なにとど、わたくしに注ぎ込みくださいませ」
自分の指2本を陰戸に潜り込ませながら
精液が欲しい、欲しいとジュポ、ジュポと音を立てながら秘貝を掻き混ぜた。
「それもそうじゃ・・・」
逃がしはしないと剣山を締め付ける肉壁を惜しみつつ腰を引いた、
そして千代の秘貝にパンパンに膨れ上がった珍宝を突き刺した。
千代の口から「正室」という言葉が出た瞬間、
八重は正気に戻った。
『そうなのだ・・・私はあくまでも側室・・・
正室が逝ったあとのおこぼれをいただくのが筋というもの・・・
今日一番の濃い子種は千代様が受けなければなりませぬ』
八重は浮かせていた腰をスッと千代の体の上に落とした。
それは一番に子種をいただくことを諦めたことを意味していた。
『くだらん真似をしおってからに・・・』
剣山は八重の心中を察した。
どちらも可愛い我が女なのだ。
「逝くぞ、千代!!しっかりと受け止めよ!!」
へのこの尿道を熱い溶岩が激流となって出口へと向かった。
剣山は己のイチモツを千代の最深部に埋め込んだ。
「ああ~!!すごい!嬉しゅうございます」
千代の歓喜の声を聞きながら八重は少しばかりの嫉妬を感じ、
絶頂の声など聞きたくもないとばかりに千代の口を吸った。
「逝くぞ!」
熱い溶岩が千代に注ぎ込まれた。
「むぐぐっ~!!」
八重に口を塞がれているので明瞭には聞き取れないが
千代も「逝く~」と絶叫したのは確かだった。
第一波を千代に注ぎ込むと、素早くイチモツを引き抜き、
間髪入れずに八重の最深部まで突き刺した。
「八重!情けない顔をするな!この剣山の子種はまだまだ出るぞ!」
そう言って第二波の熱い迸りを八重の膣(なか)に注ぎ込んだ。
「あああ!嬉しゅうございます!!」
子宮が子種を欲しがって膣内にせり出していくのを感じた。
熱い飛沫が、たっぷりと子宮に浴びせかけられた。
「まだまだ出るぞ!」
そう言って、再び千代を挿し貫くと余韻の精液をこれでもかと流し込んだ。
最も張り出しているエラを飲むと後はたっぷり濡れそぼっている貝の身は
ズルズルと血管が浮き出てゴツゴツした肉茎を苦もなく飲み込んだ。
「殿~!!すごい!陰戸がおもいっきり押し開かれておりまする」
昨夜、破瓜したばかりの秘貝は淫道も狭く、
ガチガチに勃起した男性自身をこれでもかと締め付けた。
「おお~!やはり千代の穴は小さいのぉ!珍宝が千切れそうなほどじゃ」
狭くてきつくても十分なほどの潤いが腰の動きをスムーズにさせた。
『逝きそうだったのに‥‥殿のいじわる』
いつしか八重が男の背中に抱きつき大きな乳房を押しつけていた。
乳房の先端の乳首はビンビンに勃起して、
背中に押し付けられ行き場を失い、柔らかな乳房の中に埋没していた。
押し潰された乳首にビシビシと痛みを感じたが、
その痛みは甘い官能となって八重を狂わせた。
男の背中越しに見下ろす千代は可憐だった。
眉間にシワを寄せて喘ぐ姿に八重は再び千代を責めたくなった。
スルスルと剣山の背中を滑り落ちると、
蛇のように体をくねらせながら千代の上半身に覆い被さった。
そして千代の腹を跨ぎ、まん丸い尻を剣山に見せつけた。
「八重!見事な尻じゃ!」
そう言って男は白い双丘を手で平打ちした。
パン!という乾いた音のあと八重の白い尻肉に見事な手形のもみじが色鮮やかに咲いた。
「ああ~痛い!」
痛がってみたものの、その声は甘美で次の平手打ちを催促していた。
「なに?もっとか?もっといたぶってほしいのか?」
肯定の言葉代わりに八重はプリプリの尻肉を左右に振った。
こうか?こうしてほしいのか?
男の平手が何度も尻をぶった。
規則正しい乾いた音がするたびに八重は背を仰け反らせて喘ぎ、
半開きの口許から粘り気のある唾液を千代の顔の上に降らせた。
『まあ‥‥なんと激しい‥‥これが大人の女の喘ぎというものなのね』
千代は、八重のような妖しい女の魅力が欲しくて
滴ってくる唾液を大きく口を開いて受け止めた。
唾液をいただくことで少しでも大人の女に近づける気がした。
は!?
八重は自分の唾液を求めて可愛い口を開き舌を伸ばしている千代に気づいた。
『そんなことをせずとも唾液ならいくらでも差し上げますわ』
千代の頬を両手でやさしく挟み、潤いを求めている半開きの口に吸い付いた。
2人の女の舌が淫らに絡み合う‥‥
舌というものがこんなにも妖しく蠢くとは‥‥
淫気が高まり、八重の秘貝からピュ~っと潮が噴き出た。
「わはは!八重の貝が潮を噴いておる。まさしく蛤が砂抜きされているようじゃ!」
笑いながらも
「儂(わし)は千代が喘ぐ顔を見ながら腰を振りたいのに、
お前が覆い被さると見えないではないか」
そして、罰を与えねばならんなと言って太い指をいきなり菊の門に突き立てた。
「きゃあ~!!」
ふいに指の付け根までいっきに射し込まれたのだからたまったものではなかった。
「ほお‥‥ここはここで門のところだけよく締まりおる」
突っ込んだ指を中でグリグリと遊ばせた。
「あああ‥‥だめでございます!」
八重は尻を振って悶えた、痛かったのは一瞬で、すぐに未知の官能が八重を支配した。
八重の感じまくる表情を見て千代も燃えた。
男の動きが激しい。
どんどん女が開花してゆく‥‥
シャーっと、へのこを突っ込まれたわずかな隙間から小水のように淫水が噴き零れた。
「どれ、交互に可愛がってやろう」
クチュっと音を立てて珍宝が千代の陰戸から引き抜かれた。
「ああん!いや、いや!出て行かないで!!」
再び刺し貫いてもらおうと千代は剣山の腰をグイグイと引き寄せた。
「千代、わがままを言うな。千代も八重も儂(わし)にとってはどちらも大事なおなごじゃ」
そう言いながら今度は菊門に刺していた指を引き抜いた。
「ああ~ん、もっと欲しゅうございます」
今度は八重がぽっかりと開いた尻の穴をヒクヒクさせながら
再び刺してほしいと尻肉を揺らした。
「どいつもこいつも刺し貫けとわがままばかり言いおって‥‥」
ならば代わる代わるに味わえばよいと、八重の淫道を二三度潜らすと、
すぐさま抜いて間髪入れずに今度は千代の淫道を潜った。
ああ!いやん!
二人の女が同じ言葉を発した。
もちろん八重が発した言葉は抜かないでほしいと言う意味で、
かたや千代が発した言葉は再び刺し貫いてもらえた喜びを表していた。
千代を貫いているとき幼い声で喘ぎ、
八重を貫いているときは妖しい熟女の声で喘いだ。
同じ女でもアソコと同じように声色さえも違っていた。
二人の女は交互に挿入されながら
互いの体を抱き寄せあい双方の乳房を揉み合い唇を重ねた。
激しく腰を振る剣山にも絶頂が近づきつつあった。
八重の蠢く淫道、千代の小さくよく締まる淫道‥‥
交互に味わっているのだから、その快楽は何とも言えない刺激を受け続けていた。
「ううっ‥‥たまらん!逝きそうだ。さて、どちらの陰戸にぶちまけてくれようか‥‥」
あああ!どうか私に‥‥
声には出さなかったが女達は互いに自分の中で終えてほしくて、
挿入されたときに果ててもらおうと尻の穴に目一杯の力を入れてガチガチに締め付けた。
「あああ・・・・逝きそうです!!今、今すぐくださいませ!!!」
八重がワレメからビュウビュウと潮を垂れ流しながら哀願した。
「おお!八重・・・そなたは、よく潮を噴くのう・・・
愛(う)い奴じゃ、お前にたっぷり出そうか・・・」
「あああ!!いや!!そんな・・・正室は、この千代でございます!
なにとど、わたくしに注ぎ込みくださいませ」
自分の指2本を陰戸に潜り込ませながら
精液が欲しい、欲しいとジュポ、ジュポと音を立てながら秘貝を掻き混ぜた。
「それもそうじゃ・・・」
逃がしはしないと剣山を締め付ける肉壁を惜しみつつ腰を引いた、
そして千代の秘貝にパンパンに膨れ上がった珍宝を突き刺した。
千代の口から「正室」という言葉が出た瞬間、
八重は正気に戻った。
『そうなのだ・・・私はあくまでも側室・・・
正室が逝ったあとのおこぼれをいただくのが筋というもの・・・
今日一番の濃い子種は千代様が受けなければなりませぬ』
八重は浮かせていた腰をスッと千代の体の上に落とした。
それは一番に子種をいただくことを諦めたことを意味していた。
『くだらん真似をしおってからに・・・』
剣山は八重の心中を察した。
どちらも可愛い我が女なのだ。
「逝くぞ、千代!!しっかりと受け止めよ!!」
へのこの尿道を熱い溶岩が激流となって出口へと向かった。
剣山は己のイチモツを千代の最深部に埋め込んだ。
「ああ~!!すごい!嬉しゅうございます」
千代の歓喜の声を聞きながら八重は少しばかりの嫉妬を感じ、
絶頂の声など聞きたくもないとばかりに千代の口を吸った。
「逝くぞ!」
熱い溶岩が千代に注ぎ込まれた。
「むぐぐっ~!!」
八重に口を塞がれているので明瞭には聞き取れないが
千代も「逝く~」と絶叫したのは確かだった。
第一波を千代に注ぎ込むと、素早くイチモツを引き抜き、
間髪入れずに八重の最深部まで突き刺した。
「八重!情けない顔をするな!この剣山の子種はまだまだ出るぞ!」
そう言って第二波の熱い迸りを八重の膣(なか)に注ぎ込んだ。
「あああ!嬉しゅうございます!!」
子宮が子種を欲しがって膣内にせり出していくのを感じた。
熱い飛沫が、たっぷりと子宮に浴びせかけられた。
「まだまだ出るぞ!」
そう言って、再び千代を挿し貫くと余韻の精液をこれでもかと流し込んだ。
2016.07.23 (Sat)
蒼い月光 38(原案 あすか)
男一人と女二人が川の字になって静かな寝息を立てていた。
静寂の闇の中で寝息だけが流れていた。
八重は濡れた股間の冷たさで目を覚ました。
『はっ!!快楽に溺れてとんでもないことをしてしまった』
慌てて起き上がると、寝間着を羽織り湯殿へ向かって走り出した。
子種を受け入れたあとはすぐさま洗い流そうと決めていたのに
あまりの激しい交わりであったので
あのあと、気を失ってしまったようだ。
湯殿の湯はすっかり冷めていた。
ほとんど水といってもよかった。
だが八重はお構いなしに桶にその冷めた湯をすくい取り己の股間に流した。
何度も何度も冷めた湯を浴びせ、指を突っ込んで一生懸命に掻き出した。
『私が千代さまよりも先に身篭ってはならぬ!!!』
願わくば己の畑が姥桜ゆえ、子種が芽を出さぬようにと念じながら何度も何度も・・・
その時だった。
「案ずるな、そなたは懐妊しておらぬ」
そうはっきりと聞こえた。
「何奴?側室の湯浴みを覗くとは無礼千万!!!」
慌てて振り返ったがそこには夜の闇が押し迫り人の気配すらなかった。
空耳であろうか・・・・
そう自分に言い聞かし、再び桶に冷めた湯を汲んだ。
「驚かせてすまぬ、訳あって姿を見せぬことができぬ・・・」
再び低い女の声をしっかりと聞いた。
それはまるで自分の背後にぴったりと寄り添い、
肩を抱きながら語りかけているようだった。
素早く湯船に飛び込み、身を隠した。
「誰?誰なのです!」
「私に姿、形はございませぬ。八重様の心に直に語りかけておりまする・・・」
「もののけの類(たぐい)か!」
「そう思われても仕方ございませぬ。例えるのなら・・・そう、千代さまの守護霊・・・」
「なんと・・・千代さまの・・・・」
「千代さまは、そなたを心底お慕いしておりまする。
私も千代さまをお護りいたしますが、できればそなたにも力を貸していただきとうございます」
打ち首を助けていただいた時から、この身命は千代に捧げると誓ったので
迷いなく大きく首を縦に振った。
「すまぬ・・・・近々のうちに、千代さまが不可思議な行動を取られるとは思うが
その時は死を覚悟して千代さまと行動を共にしてくれると約束してくださいますか?」
不可思議な行動?
いったい、何をされるというのか・・・
だが何があっても千代を守るのが自分の出世の本懐であるべきように感じた。
「ご安心下さいませ、この八重、命にかけて千代さまにお仕えさせていただきます」
「かたじけない・・・・そなたの亭主も霊山で誇りに思われるであろう・・・」
しばらくすると、声は聞こえなくなった。
あれは、夢現(ゆめうつつ)の幻であったのか・・・
八重は体が震えだした。
それは冷めた湯が八重の体を冷やしたための寒さからではなかった。
明け方、肌身の寒さに千代は目を覚ました。
一緒に寝ていたはずの八重の姿は消えていた。
剣山は大の字になって高いびきで寝入っていた。
風邪をひいてはいけないと剣山の裸体に掛け布団をかけてあげた。
幸せだった。
このまま時が穏やかに流れてくれればよいのにと思った。
だが朱里との契が頭をよぎった。
は!そういえば3人での愛の時間が終わればすべてを語ってくれると
言っていたはずだ。
千代は目を閉じて、己の心の中に語りかけた。
『朱里・・・朱里、いるのであろう?』
『はい、ここに控えております』
いつもと変わらぬ低く暗い声が心の中に響いた。
さあ、そなたの真意を語っていただこうではないか・・・
千代は朱里を問い詰めた。
『時が来たようでございますね・・・千代さま、どうか私にお力をお貸しくださいませ』
千代は大きくうなづいた。
無言で話の先を急かした。
『千代さまにはお体を貸していただく際に私の一生を見ていただきましたね』
千代が見た朱里の一生・・・
それは自分の伴侶である剣山によって生命を絶たれて終わっていた。
『朱里・・・そなたは剣山様によって命を絶たれた・・・
私は、それを見て、あなたが成仏できないのは剣山への恨みつらみからだと思っていたのですが、
先日、あなたは剣山には恨みがないとおっしゃいましたね』
『はい・・・私が討ちたい相手は・・・』
再び千代の心が白く霞んでゆく・・・
剣山との一騎打ちのその後を千代に見せようとしているのだった。
静寂の闇の中で寝息だけが流れていた。
八重は濡れた股間の冷たさで目を覚ました。
『はっ!!快楽に溺れてとんでもないことをしてしまった』
慌てて起き上がると、寝間着を羽織り湯殿へ向かって走り出した。
子種を受け入れたあとはすぐさま洗い流そうと決めていたのに
あまりの激しい交わりであったので
あのあと、気を失ってしまったようだ。
湯殿の湯はすっかり冷めていた。
ほとんど水といってもよかった。
だが八重はお構いなしに桶にその冷めた湯をすくい取り己の股間に流した。
何度も何度も冷めた湯を浴びせ、指を突っ込んで一生懸命に掻き出した。
『私が千代さまよりも先に身篭ってはならぬ!!!』
願わくば己の畑が姥桜ゆえ、子種が芽を出さぬようにと念じながら何度も何度も・・・
その時だった。
「案ずるな、そなたは懐妊しておらぬ」
そうはっきりと聞こえた。
「何奴?側室の湯浴みを覗くとは無礼千万!!!」
慌てて振り返ったがそこには夜の闇が押し迫り人の気配すらなかった。
空耳であろうか・・・・
そう自分に言い聞かし、再び桶に冷めた湯を汲んだ。
「驚かせてすまぬ、訳あって姿を見せぬことができぬ・・・」
再び低い女の声をしっかりと聞いた。
それはまるで自分の背後にぴったりと寄り添い、
肩を抱きながら語りかけているようだった。
素早く湯船に飛び込み、身を隠した。
「誰?誰なのです!」
「私に姿、形はございませぬ。八重様の心に直に語りかけておりまする・・・」
「もののけの類(たぐい)か!」
「そう思われても仕方ございませぬ。例えるのなら・・・そう、千代さまの守護霊・・・」
「なんと・・・千代さまの・・・・」
「千代さまは、そなたを心底お慕いしておりまする。
私も千代さまをお護りいたしますが、できればそなたにも力を貸していただきとうございます」
打ち首を助けていただいた時から、この身命は千代に捧げると誓ったので
迷いなく大きく首を縦に振った。
「すまぬ・・・・近々のうちに、千代さまが不可思議な行動を取られるとは思うが
その時は死を覚悟して千代さまと行動を共にしてくれると約束してくださいますか?」
不可思議な行動?
いったい、何をされるというのか・・・
だが何があっても千代を守るのが自分の出世の本懐であるべきように感じた。
「ご安心下さいませ、この八重、命にかけて千代さまにお仕えさせていただきます」
「かたじけない・・・・そなたの亭主も霊山で誇りに思われるであろう・・・」
しばらくすると、声は聞こえなくなった。
あれは、夢現(ゆめうつつ)の幻であったのか・・・
八重は体が震えだした。
それは冷めた湯が八重の体を冷やしたための寒さからではなかった。
明け方、肌身の寒さに千代は目を覚ました。
一緒に寝ていたはずの八重の姿は消えていた。
剣山は大の字になって高いびきで寝入っていた。
風邪をひいてはいけないと剣山の裸体に掛け布団をかけてあげた。
幸せだった。
このまま時が穏やかに流れてくれればよいのにと思った。
だが朱里との契が頭をよぎった。
は!そういえば3人での愛の時間が終わればすべてを語ってくれると
言っていたはずだ。
千代は目を閉じて、己の心の中に語りかけた。
『朱里・・・朱里、いるのであろう?』
『はい、ここに控えております』
いつもと変わらぬ低く暗い声が心の中に響いた。
さあ、そなたの真意を語っていただこうではないか・・・
千代は朱里を問い詰めた。
『時が来たようでございますね・・・千代さま、どうか私にお力をお貸しくださいませ』
千代は大きくうなづいた。
無言で話の先を急かした。
『千代さまにはお体を貸していただく際に私の一生を見ていただきましたね』
千代が見た朱里の一生・・・
それは自分の伴侶である剣山によって生命を絶たれて終わっていた。
『朱里・・・そなたは剣山様によって命を絶たれた・・・
私は、それを見て、あなたが成仏できないのは剣山への恨みつらみからだと思っていたのですが、
先日、あなたは剣山には恨みがないとおっしゃいましたね』
『はい・・・私が討ちたい相手は・・・』
再び千代の心が白く霞んでゆく・・・
剣山との一騎打ちのその後を千代に見せようとしているのだった。
2016.07.24 (Sun)
蒼い月光 39(原案 あすか)
剣山の剣先がまともに朱里の心の臓を貫いた。
己の心の臓が弾ける音を聞いた瞬間、朱里の意識が消えて闇が襲ってきた。
次の瞬間、天空より光が差し込み朱里の意識だけが体を離れて宙に浮き上がった。
宙に浮き、地上に横たわる己の骸を見下ろしていた。
腹の中の「ややこ」は人としてまだ形成されていなかったのだろう、
ややこの意識を感じ取ることはできなかった。
右手は肘から先を切り取られ、胸からおびただしい流血している骸・・・
だが剣山への恨みはなかった。
あの時、目に血しぶきが入らなかれば、今、地上に横たわっているのは剣山の骸であったはずだ。
勝負は時の運。
敗れたものは潔く負けを認めるのが武士(もののふ)の道というものなのだ。
このまま天に昇ろう・・・
あたりを見回すと、幾重もの光の筋が天空に向かって伸びていた。
うつろな眼の武士たちが惜しむように地上を見下ろしながら昇天していった。
逝きかけた朱理を剣山の言葉が引き止めた。
「敵ながらアッパレであった。誰か、この女の右手をここへ・・・」
家臣の者が朱里の右手を差し出した。
「右手がないと不便であろう・・・」
朱里の胸に切り取られた右手を乗せ、剣山は両手を合わせて合掌した。
その合掌に合わせるかのように、はるか先より『貞虎、討ち取ったり~~』という勝鬨があがった。
「戦は終戦した~~~!!!!討たれた家来の骸は家族に渡してやれい!
身寄りのない家来の骸は丁重に弔ってやれい!!
敵方の武士(もののふ)もまた然り!敗れた隣国も今から儂(わし)の領土なのだ
隣国に使いを出し、骸を引き取るように伝えよ!
身寄りのない骸は我が家来と同様に丁重に弔え!!!」
そう命じた後、朱里の骸の傍にひざまづき
「お前も父母の元に帰りたいであろう・・・
しばし待たれよ必ずや家に帰らせてやるからな」と言葉をかけた
伝令は首領を通じて朱里の育ての親である疾風とウズメに伝えられた。
「そうか・・・朱里が逝ったか・・・」
疾風は天空をジッと見つめ、溢れそうになる涙を堪えた。
ウズメはその場に泣き崩れ、己の呪われた人生を悔やんだ。
剣山は死者を丁重に弔った。
若く、血気盛んな武将ではあったが、
それとは逆に先代の殿様の血を受け継ぐ情の深い熱き漢(おとこ)でもあった。
なかでも、己に挑みかかってきた、うら若き乙女の「くの一」には情を抱き、
骸を引き取りにきたウズメと疾風に娘の最期を語って聞かせ、アッパレな最期であったと讃えた。
「朱里は見事に散ったのね‥‥」
朱里が納められた棺の大八車を押しながらウズメは呟いた。
「あのような立派な武将に敗れたのだから、朱里も本望であろう‥‥」
朱里の骸は銀箔の棺に納められた。
ウズメと疾風は少しでも早く村に帰り着き、
朱里の亡骸を思い出の残る我が家で寝かせてあげようと、
少し険しいが近道となる喧騒峠(けんそうとうげ)の道を選んだ。
だが、その親心が災いした。
その峠こそが貞虎が朱里に話していた山賊が住み着いていた峠だったのだった。
キラキラと輝く銀箔の棺は、山賊の目にはお宝の詰め込まれた長持ちとして映った。
山賊は、気配を消して少しずつウズメたちに近づいた。
若い頃の二人ならば、いくら気配を消そうが、わずかな空気の流れと
血生臭い匂いを嗅ぎ取ったに違いなかったが、
現役を退いて十数年の二人の嗅覚は鈍っていた。
「朱里‥‥今夜は、お前が好きだった草餅を作って枕元に供えてあげるからね」
「あの家は、お前が暮らしていたころのままだよ‥‥
懐かしいだろ?一刻も早く連れ帰ってあげるからな」
夫婦は、代わる代わる棺の中の亡骸に話しかけた。
もはや朱里は返答もしない冷たい骸であったが、
夫妻は朱里がただ眠っているだけなのだと思いたくて、絶えることなくしゃべり続けた。
あまりの峠の険しさに、少し休もうかと歩みを止めたその時、何本もの矢が二人を襲った。
「はっ!?」
二人は瞬間的に身をかわし、地面に転がった。
『悪いことは云わぬ!その財宝を納めた箱を置いて立ち去れい!!』
木々の枝葉がビリビリと震えるようなドスの利いた低い声が二人に投げかけられた。
「いえ、これは娘の亡骸を納めた棺でございます。
儂(わし)らは、名も無き貧しい百姓でございます、どうか見過ごし下さいませ」
手裏剣と忍び刀さえあれば、こんな山賊に負けない自信があった。
だが、生憎の丸腰だったのでどうにか穏便に事を済まそうとした。
『ふふふ・・・おもしろい。命が惜しくないとみえる』
ガサガサガサと草木を掻き分けて山賊軍団が姿を現した。
敵の人数は9名
髪をボサボサに伸ばし、背丈は7尺(約2m)、体重は40貫(約150kg)ほどの
大男たちがウズメたちに近づいてきた。
「さあ!わしらが恐ろしければ、荷物を捨ててさっさと立ち去れい!!!」
まるで雷鳴のような大声が二人を襲った。
『わしは右側の5人を・・・』
『私は左側の4人を・・・』
目で確かめ合ったウズメと疾風は、覚悟を決めたように肯いた。
次の瞬間、二人は隼のように上空へ舞い上がった。
二人は大男たちの頭上を軽々と飛び越えて
いとも容易く奴らの背後に回った。
ウズメは手始めに仲間の中でも一番下っ端の風格の男の膝裏に蹴りを入れた。
ふいをつかれた男はバランスを失い腰が砕けたように地面に転倒した。
起き上がろうと両手を地面についた隙をウズメは見逃さなかった。
素早く男に近寄り、長差しをスルリと抜き取った。
「ほえ~?」
あまりの早技に男は呆然とした。
「あ?俺の太刀だぞ!返せ‥‥」
次の瞬間、飛びかかろうとした男の首がハネられ上空に舞った。
己の心の臓が弾ける音を聞いた瞬間、朱里の意識が消えて闇が襲ってきた。
次の瞬間、天空より光が差し込み朱里の意識だけが体を離れて宙に浮き上がった。
宙に浮き、地上に横たわる己の骸を見下ろしていた。
腹の中の「ややこ」は人としてまだ形成されていなかったのだろう、
ややこの意識を感じ取ることはできなかった。
右手は肘から先を切り取られ、胸からおびただしい流血している骸・・・
だが剣山への恨みはなかった。
あの時、目に血しぶきが入らなかれば、今、地上に横たわっているのは剣山の骸であったはずだ。
勝負は時の運。
敗れたものは潔く負けを認めるのが武士(もののふ)の道というものなのだ。
このまま天に昇ろう・・・
あたりを見回すと、幾重もの光の筋が天空に向かって伸びていた。
うつろな眼の武士たちが惜しむように地上を見下ろしながら昇天していった。
逝きかけた朱理を剣山の言葉が引き止めた。
「敵ながらアッパレであった。誰か、この女の右手をここへ・・・」
家臣の者が朱里の右手を差し出した。
「右手がないと不便であろう・・・」
朱里の胸に切り取られた右手を乗せ、剣山は両手を合わせて合掌した。
その合掌に合わせるかのように、はるか先より『貞虎、討ち取ったり~~』という勝鬨があがった。
「戦は終戦した~~~!!!!討たれた家来の骸は家族に渡してやれい!
身寄りのない家来の骸は丁重に弔ってやれい!!
敵方の武士(もののふ)もまた然り!敗れた隣国も今から儂(わし)の領土なのだ
隣国に使いを出し、骸を引き取るように伝えよ!
身寄りのない骸は我が家来と同様に丁重に弔え!!!」
そう命じた後、朱里の骸の傍にひざまづき
「お前も父母の元に帰りたいであろう・・・
しばし待たれよ必ずや家に帰らせてやるからな」と言葉をかけた
伝令は首領を通じて朱里の育ての親である疾風とウズメに伝えられた。
「そうか・・・朱里が逝ったか・・・」
疾風は天空をジッと見つめ、溢れそうになる涙を堪えた。
ウズメはその場に泣き崩れ、己の呪われた人生を悔やんだ。
剣山は死者を丁重に弔った。
若く、血気盛んな武将ではあったが、
それとは逆に先代の殿様の血を受け継ぐ情の深い熱き漢(おとこ)でもあった。
なかでも、己に挑みかかってきた、うら若き乙女の「くの一」には情を抱き、
骸を引き取りにきたウズメと疾風に娘の最期を語って聞かせ、アッパレな最期であったと讃えた。
「朱里は見事に散ったのね‥‥」
朱里が納められた棺の大八車を押しながらウズメは呟いた。
「あのような立派な武将に敗れたのだから、朱里も本望であろう‥‥」
朱里の骸は銀箔の棺に納められた。
ウズメと疾風は少しでも早く村に帰り着き、
朱里の亡骸を思い出の残る我が家で寝かせてあげようと、
少し険しいが近道となる喧騒峠(けんそうとうげ)の道を選んだ。
だが、その親心が災いした。
その峠こそが貞虎が朱里に話していた山賊が住み着いていた峠だったのだった。
キラキラと輝く銀箔の棺は、山賊の目にはお宝の詰め込まれた長持ちとして映った。
山賊は、気配を消して少しずつウズメたちに近づいた。
若い頃の二人ならば、いくら気配を消そうが、わずかな空気の流れと
血生臭い匂いを嗅ぎ取ったに違いなかったが、
現役を退いて十数年の二人の嗅覚は鈍っていた。
「朱里‥‥今夜は、お前が好きだった草餅を作って枕元に供えてあげるからね」
「あの家は、お前が暮らしていたころのままだよ‥‥
懐かしいだろ?一刻も早く連れ帰ってあげるからな」
夫婦は、代わる代わる棺の中の亡骸に話しかけた。
もはや朱里は返答もしない冷たい骸であったが、
夫妻は朱里がただ眠っているだけなのだと思いたくて、絶えることなくしゃべり続けた。
あまりの峠の険しさに、少し休もうかと歩みを止めたその時、何本もの矢が二人を襲った。
「はっ!?」
二人は瞬間的に身をかわし、地面に転がった。
『悪いことは云わぬ!その財宝を納めた箱を置いて立ち去れい!!』
木々の枝葉がビリビリと震えるようなドスの利いた低い声が二人に投げかけられた。
「いえ、これは娘の亡骸を納めた棺でございます。
儂(わし)らは、名も無き貧しい百姓でございます、どうか見過ごし下さいませ」
手裏剣と忍び刀さえあれば、こんな山賊に負けない自信があった。
だが、生憎の丸腰だったのでどうにか穏便に事を済まそうとした。
『ふふふ・・・おもしろい。命が惜しくないとみえる』
ガサガサガサと草木を掻き分けて山賊軍団が姿を現した。
敵の人数は9名
髪をボサボサに伸ばし、背丈は7尺(約2m)、体重は40貫(約150kg)ほどの
大男たちがウズメたちに近づいてきた。
「さあ!わしらが恐ろしければ、荷物を捨ててさっさと立ち去れい!!!」
まるで雷鳴のような大声が二人を襲った。
『わしは右側の5人を・・・』
『私は左側の4人を・・・』
目で確かめ合ったウズメと疾風は、覚悟を決めたように肯いた。
次の瞬間、二人は隼のように上空へ舞い上がった。
二人は大男たちの頭上を軽々と飛び越えて
いとも容易く奴らの背後に回った。
ウズメは手始めに仲間の中でも一番下っ端の風格の男の膝裏に蹴りを入れた。
ふいをつかれた男はバランスを失い腰が砕けたように地面に転倒した。
起き上がろうと両手を地面についた隙をウズメは見逃さなかった。
素早く男に近寄り、長差しをスルリと抜き取った。
「ほえ~?」
あまりの早技に男は呆然とした。
「あ?俺の太刀だぞ!返せ‥‥」
次の瞬間、飛びかかろうとした男の首がハネられ上空に舞った。
2016.07.24 (Sun)
蒼い月光 40(原案あすか)
疾風は着地の瞬間、古傷の太ももに激痛が走った。
膝をついてその場にしゃがみ込んでしまった。
「ちょこまかと飛び回る奴らじゃのぉ」
猛者の一人が脇差しを抜き、疾風に襲いかかった。
疾風は足元の小石を拾い上げると、その小石を指で弾いた。
弾かれた小石は、まるで弾丸のようにその男の胸を突き抜けた。
「ぐふっ!!」口から血を吐き出しながら男は絶命した。
「みんな、油断するな!こやつら、ただの百姓なんかじゃねえ!
どうやら忍びの術を身に付けてるようじゃ!」
山賊の頭の一言で、猛者どもの目つきが変わった。
「あっという間に二人がやられた。気合い入れて掛かれや!!」
「おう!!」と言うかけ声と共に、山賊達が一斉に刀を抜いた。
「あなた!!」
ウズメは太ももを押さえてうずくまる疾風のもとへ駆け寄った。
「大丈夫だ。古傷が痛みだしただけだ」
そう言ってはいるが、疾風の額からは激痛のために脂汗が噴き出ていた。
「そいつらは、お前たちに任せたぞ、俺はお宝を拝ませてもらうぜ」
山賊の頭が大股で朱里の棺に近づいてゆく。
「やめてー!」
朱里を汚らわしい山賊の目に触れさせたくはなかった。
「俺は大丈夫だ。行け!!」
疾風がウズメの背を押した。
刀を振り回し、敵を威嚇しながら一目散に棺を護ろうと走った。
「その汚い手をどけろー!!」
棺の蓋に手をかけてる山賊の頭の腕を切り落とそうと
上段に構えたウズメのわき腹に激痛が走った。
矢が深々とわき腹に突き刺さっていた。
『ぐっ!まだ敵が隠れていたのか!』
鏃(やじり)には毒が塗られていたのだろう
ウズメの体は瞬く間に痺れて自由を失っていた。
「あばよ!年増のくの一さんよ!」
頭の刃が頭上から振り下ろされた。
次の瞬間、ウズメは袈裟懸けに体を切り裂かれた。
「ウズメー!!」
痛む足を引きずりながら、疾風はウズメのもとへ駆け寄ろうとした。
だが、その背中に何本もの刃が刺し貫いた。
「うぎゃー!」
切っ先は背骨を削り、内臓を切り裂いていた。
「ウ‥ウズメ‥‥」
目が霞み、視力が失われる前にかろうじてウズメの手を握った。
ウズメはすでに絶命していた。
『待ってくれ、俺も逝くから‥‥』
ウズメの体に重なるように疾風も絶命した。
「けっ!!面倒かけやがって・・・仲間が2人も減っちまったじゃねえか」
ブツブツ言いながら「どれ、お宝を拝ませていただくか」と柩の蓋を跳ね上げた。
そこには腐りかけの朱里の骸が横たえられていた。
「なんだ~~?ほんとに棺桶だったのかよ!」
やってらんねえぜ、と言いながら大八車ごと柩を谷底へ蹴落とした。
「おい!!そのくたばった奴も谷底へ落としちまえ!!」
頭の命令で部下の男たちがウズメと疾風の亡骸を谷底へ投げ込んだ。
事の一部始終を朱里の意識は見ていた。
やがて谷底から光の帯が2本、天に向かって伸びていく。
その光の橋をウズメと疾風が昇ってゆく・・・・
ウズメと疾風は生まれたばかりの魂なので生きていた時の姿をしていた。
意識だけの姿となった朱里をウズメが見つけた。
『一緒に行こう・・・』手を差し伸べてくれたが、朱里の怒りの意識は
地上に留まることを選択した。
白い霞がサーっと晴れてゆく・・・・
「そいつが朱理が討ちたい相手・・・」
握りしめていた手のひらがジットリ汗ばんでいる。
そいつを私が討てるのか?
あまりにも強敵すぎる・・・
相手は徒党を組んで喧嘩争いを生業(なりわい)としているのだ。
『千代さま・・・その時は私が前面に出てお相手いたします
どうか・・・どうかお力をお貸しくださいませ』
もとよりこの体を朱里と共有すると決めたあの日より
命を懸けるのはいとわないと思っていた。
だが剣山殿を心底愛してしまった今となっては命が惜しい・・・
一日でも長く剣山殿と愛し合う日々を暮らしたい
そんな思いが強くなってしまった。
『私は決してあやつらには負けません。
お願いです、どうか私の無念を晴らさせてくださいませ』
乳房に内側からキュウっと掴まれた痛みが走った。
「わかりました・・・
朱理を信じます。あなたとどこまでも駆け巡ろうではありませんか」
千代は覚悟を決めた。
「忍びの者!!そこにいるんでしょ?」
千代は天井の片隅を睨みつけて叫んだ。
剣山殿は思いのほか細やかな神経のお方でございます、
千代様にも護衛の忍びの者をいつも天井に忍ばせております・・・
と朱理がこっそりと教えてくれていた。
「降りてきなさい!」
「いえ、拙者は影の者ゆえ、姿を現すことは憚(はばか)りまする・・・・」
自分は天井裏から私たちの愛の行為を盗み見してるくせに、
なんと都合のよいことを申すか・・・
「あなたは、私が一人でつぶやいているのが不思議で仕方ないでしょうね」
「いえ・・・そのようなことは・・・・」
まるで誰かと対話しているように喋っているのだから、気のふれた女だと思っているだろう。
「すべては後日に話します。今は見聞きしたことを誰にも言わないでおくれ・・・」
「御意・・・・」
「ところで、お前は鎖帷子(くさりかたびら)を用意できますか?」
「・・・・それは私たちが身につけている鎖帷子のことでございましょうか?」
どうしてそんなものがいるのかと怪訝に思っているのだろう
声に微かな動揺が感じられた。
「そうです・・・すべては先ほど申したように後日にすべてを話します故、
用意してくれませんか・・・」
「・・・・わかりました。
昼餉(ひるげ(昼食))までに用意して鬼食い番(毒見係)の兵吉に渡しておきましょう」
「無理を言ってすいませぬ・・・どうかよろしくお願いします」
山賊を討ちにいくまでに武器と防具を揃えておく必要があった。
膝をついてその場にしゃがみ込んでしまった。
「ちょこまかと飛び回る奴らじゃのぉ」
猛者の一人が脇差しを抜き、疾風に襲いかかった。
疾風は足元の小石を拾い上げると、その小石を指で弾いた。
弾かれた小石は、まるで弾丸のようにその男の胸を突き抜けた。
「ぐふっ!!」口から血を吐き出しながら男は絶命した。
「みんな、油断するな!こやつら、ただの百姓なんかじゃねえ!
どうやら忍びの術を身に付けてるようじゃ!」
山賊の頭の一言で、猛者どもの目つきが変わった。
「あっという間に二人がやられた。気合い入れて掛かれや!!」
「おう!!」と言うかけ声と共に、山賊達が一斉に刀を抜いた。
「あなた!!」
ウズメは太ももを押さえてうずくまる疾風のもとへ駆け寄った。
「大丈夫だ。古傷が痛みだしただけだ」
そう言ってはいるが、疾風の額からは激痛のために脂汗が噴き出ていた。
「そいつらは、お前たちに任せたぞ、俺はお宝を拝ませてもらうぜ」
山賊の頭が大股で朱里の棺に近づいてゆく。
「やめてー!」
朱里を汚らわしい山賊の目に触れさせたくはなかった。
「俺は大丈夫だ。行け!!」
疾風がウズメの背を押した。
刀を振り回し、敵を威嚇しながら一目散に棺を護ろうと走った。
「その汚い手をどけろー!!」
棺の蓋に手をかけてる山賊の頭の腕を切り落とそうと
上段に構えたウズメのわき腹に激痛が走った。
矢が深々とわき腹に突き刺さっていた。
『ぐっ!まだ敵が隠れていたのか!』
鏃(やじり)には毒が塗られていたのだろう
ウズメの体は瞬く間に痺れて自由を失っていた。
「あばよ!年増のくの一さんよ!」
頭の刃が頭上から振り下ろされた。
次の瞬間、ウズメは袈裟懸けに体を切り裂かれた。
「ウズメー!!」
痛む足を引きずりながら、疾風はウズメのもとへ駆け寄ろうとした。
だが、その背中に何本もの刃が刺し貫いた。
「うぎゃー!」
切っ先は背骨を削り、内臓を切り裂いていた。
「ウ‥ウズメ‥‥」
目が霞み、視力が失われる前にかろうじてウズメの手を握った。
ウズメはすでに絶命していた。
『待ってくれ、俺も逝くから‥‥』
ウズメの体に重なるように疾風も絶命した。
「けっ!!面倒かけやがって・・・仲間が2人も減っちまったじゃねえか」
ブツブツ言いながら「どれ、お宝を拝ませていただくか」と柩の蓋を跳ね上げた。
そこには腐りかけの朱里の骸が横たえられていた。
「なんだ~~?ほんとに棺桶だったのかよ!」
やってらんねえぜ、と言いながら大八車ごと柩を谷底へ蹴落とした。
「おい!!そのくたばった奴も谷底へ落としちまえ!!」
頭の命令で部下の男たちがウズメと疾風の亡骸を谷底へ投げ込んだ。
事の一部始終を朱里の意識は見ていた。
やがて谷底から光の帯が2本、天に向かって伸びていく。
その光の橋をウズメと疾風が昇ってゆく・・・・
ウズメと疾風は生まれたばかりの魂なので生きていた時の姿をしていた。
意識だけの姿となった朱里をウズメが見つけた。
『一緒に行こう・・・』手を差し伸べてくれたが、朱里の怒りの意識は
地上に留まることを選択した。
白い霞がサーっと晴れてゆく・・・・
「そいつが朱理が討ちたい相手・・・」
握りしめていた手のひらがジットリ汗ばんでいる。
そいつを私が討てるのか?
あまりにも強敵すぎる・・・
相手は徒党を組んで喧嘩争いを生業(なりわい)としているのだ。
『千代さま・・・その時は私が前面に出てお相手いたします
どうか・・・どうかお力をお貸しくださいませ』
もとよりこの体を朱里と共有すると決めたあの日より
命を懸けるのはいとわないと思っていた。
だが剣山殿を心底愛してしまった今となっては命が惜しい・・・
一日でも長く剣山殿と愛し合う日々を暮らしたい
そんな思いが強くなってしまった。
『私は決してあやつらには負けません。
お願いです、どうか私の無念を晴らさせてくださいませ』
乳房に内側からキュウっと掴まれた痛みが走った。
「わかりました・・・
朱理を信じます。あなたとどこまでも駆け巡ろうではありませんか」
千代は覚悟を決めた。
「忍びの者!!そこにいるんでしょ?」
千代は天井の片隅を睨みつけて叫んだ。
剣山殿は思いのほか細やかな神経のお方でございます、
千代様にも護衛の忍びの者をいつも天井に忍ばせております・・・
と朱理がこっそりと教えてくれていた。
「降りてきなさい!」
「いえ、拙者は影の者ゆえ、姿を現すことは憚(はばか)りまする・・・・」
自分は天井裏から私たちの愛の行為を盗み見してるくせに、
なんと都合のよいことを申すか・・・
「あなたは、私が一人でつぶやいているのが不思議で仕方ないでしょうね」
「いえ・・・そのようなことは・・・・」
まるで誰かと対話しているように喋っているのだから、気のふれた女だと思っているだろう。
「すべては後日に話します。今は見聞きしたことを誰にも言わないでおくれ・・・」
「御意・・・・」
「ところで、お前は鎖帷子(くさりかたびら)を用意できますか?」
「・・・・それは私たちが身につけている鎖帷子のことでございましょうか?」
どうしてそんなものがいるのかと怪訝に思っているのだろう
声に微かな動揺が感じられた。
「そうです・・・すべては先ほど申したように後日にすべてを話します故、
用意してくれませんか・・・」
「・・・・わかりました。
昼餉(ひるげ(昼食))までに用意して鬼食い番(毒見係)の兵吉に渡しておきましょう」
「無理を言ってすいませぬ・・・どうかよろしくお願いします」
山賊を討ちにいくまでに武器と防具を揃えておく必要があった。