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2020.10.06 (Tue)

蒼い春 6

「おなか、減ってない?・・・」 
先生のお弁当でよかったら食べない?
そう言ってかわいい花柄のクロスに包まれたお弁当を
目の前に置いてくれた。 
お弁当を見たとたん、
奈央のおなかがグゥ~と可愛い音をたてた。 
「いいのよ。おなか減ってるんでしょ?」 
そう言ってお弁当を開いてくれた。 
お弁当は女性らしく色が鮮やかで
バランスのとれたおかずが一杯だった。 
「い、いただいても・・・いいんですか?」 
奈央が尋ねるとコクンと頷き、
やさしい笑顔をみせてくれた。 
お弁当を食べ終えると、
体が温まりようやく落ち着いてきた。 

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「わ、私・・・義父に・・・・」 
レ イ プされたんです。
小さな声でそう告げると、
涙がみるみるあふれてきて
先生の胸に顔を埋めてしゃくりあげて泣いた。 
「え?な、なんですって・・・?」 
奈央が落ち着くのと反比例して
先生の顔がみるみる青ざめていった。 
「あなたはここにいなさい!いいわね!!」 
そう言い残して、
弓子は慌てて職員室に行くと
家庭訪問ファイルを探し出し、
奈央の自宅までの経路図を引き抜き
マイカーに飛び乗った。 

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奈央の住居の文化アパート脇の道端に停車させると、
弓子は深呼吸を2,3度繰り返し、
奈央の玄関の呼び鈴を押した。 
「はい・・・どちらさまですか?」 
パジャマにカーディガンを羽織った母親が
対応に顔を出した。

 ○○中学校、美術教科の月島と申します。
娘さんの奈央さんの事で伺いました。
そう告げると母親は怪訝そうな顔をした。 
「奈央がなにか?・・・」 
「奈央さんは校内で保護しております。」 
「はあ?なにを言ってるんです?奈央は・・・」 
「お父様はまだ在宅でしょうか?」 
母親の言葉を遮り、
弓子は父親への面談を頼んだ。 

「何を朝っぱらから騒いでるんだ?」 
眠気眼の義父が玄関に顔を出したのと同時に
弓子の平手が義父の頬を引っ叩いた。 
「な、何をするんだ!!!」 
いきなり頬を打たれた義父が声を荒げた。 
「何をするですって!!!
じゃあ、あなたは奈央さんに何をしたっていうのよ!!!!」 弓子の足がガクガク震えた。 
興奮のあまり、声が擦れた。 

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弓子の脳裏に20年前の出来事が走馬灯のように駆け巡った。 中学3年の秋、
最後の部活を終え、家路をいそいでいた。 
美術部の部活動は卒業まで続けたかったが、
志望校の受験のために試験勉強を優先しなくてはならず、
2学期半ばでクラブを退部した。 
晩秋ともなると、
日の落ちるのが早くなり
夕方6時にはすっかり暗くなっていた。 
家に早く帰りたかった弓子は
大通りから中央公園を抜ける道を選択した。 
日の落ちた公園は、なんだか気味が悪かった。 
ふと気づくと、
弓子が向かう方向から
パーカーのフードを被った男が走ってきた。 
その男は弓子とすれ違いざまに、
弓子の腕を取り脇の雑木林の中に引きずりこんだ。 
あまりにも突然のことで、
弓子は声が出なかった。 
男は弓子を引き倒し馬乗りになって首を絞め始めた。 
「声を出すな!!!騒げば首を絞めて殺す!!!」 
男はスカートの裾から腕を差し入れ、
下着を荒々しく破った。

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テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

12:25  |  蒼い春  |  Trackback(0)  |  Comment(4)
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