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2020.10.16 (Fri)

蒼い春 13

幸久が帰宅すると、
妻の弓子がリビングから飛び出してきた。 
「おかえりなさ~い」 
いつものようにおかえりのキスをチュッと交わしたあと、
「あら?奈央ちゃんは?」
奈央の姿が見えないことに気づいた。 
「いや、同期の青年と食事にね・・・」 
そういうと一気に膨れっ面になった。 
「いやん、もう!!・・・
お祝いを兼ねて
ご馳走を用意してずっと待ってたのにぃ~」 
ははは・・・まあ、いいじゃないか
若い者同士が仲良くなるのはいいことだよ。
そう言って弓子をなだめた。 
「でも・・・同期って大勢なの?」 
「いや、奈央ともう一人男性教師の2人だよ。」 
そう言うと、膨れっ面から一気に顔が曇った。 
「大丈夫かしら・・・あの子、心の傷が・・・」 
「だから行かせたのさ、
いつまでも傷を引きずってちゃいけない。
僕らが出会ったように男女が出会うのは自然の摂理さ。
僕らもそろそろ子離れしなきゃいけない年齢になってきたってことさ。」 
やさしく弓子を抱きしめ、
「今夜は僕らだけで奈央のお祝いをすればいいさ。」
そう言って唇を重ねた。 

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奈央は居酒屋の個室で固まっていた。 
飲めるんですか?そう沢口に聞かれて思わず
「はい・・・」と答えてしまったことを悔やんでいた。 
ビールは成人式が終わったあとに
幸久に勧められて口にしたことはあったが
おいしいとは思わなかった。 
「何を飲みますか?」そう聞かれ
「じゃあ・・・オレンジジュースを・・・」と答えた。 
「あれ?もしかしてほんとは飲めない?」 
問いかけにコクンと頷いた。 
「そうなんだ~。
こりゃレストランにすりゃよかったかな・・・」 
がっかりする顔が可愛かった。 
「でも、居酒屋さんのお料理メニュー好きですよ。」 
にっこり笑ってあげると沢口も
「そっか~、じゃあ、しっかり食べましょう。」と笑った。 
沢口は話題も豊富で饒舌だった。
最初は緊張していた奈央もすっかり打ち解けて
おおいに笑った。 
「サワーを飲んでみようかしら・・・」 
美味しそうにゴクゴクと喉を鳴らして
サワーを飲み干す沢口を見ていると、
飲んでみたい衝動にかられた。 
「じゃあ、これを一口飲んでみる?
美味しければ頼むといいよ」
沢口のサワーを一口飲んでみると
甘くて飲みやすかった。 
「これなら飲めちゃう~」
じゃあ、注文しようか。
タッチパネルで注文してから、
奈央が口をつけたグラスを手に喉を潤した。 
「あ!やべえ・・・
森下先生と間接キスしちゃったよ・・・」 
そう言われて沢口の唇を見つめた。 
なんだかほんとにキスしたように
奈央の女性部分がジュクっと潤んだ・・・ 

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2時間ほど食べて飲んで
おしゃべりして楽しいひとときを過ごした。 
「遅くなったら月島先生も心配されるだろうし、
そろそろ帰りましょうか。」 
沢口に促され席を立ったそのとき、
視界がグルンと回った。 
口当たりのよいサワーを飲んで、
すっかり酔いがまわってしまったのだ。 

おっと、あぶない。
よろめいた奈央はそのまま沢口の胸に抱きとめられた。 
「森下先生・・・」 
すいません、大丈夫ですから・・・
そう言おうとした唇を沢口の唇が塞いだ。  
「奈央・・・好きだ・・・」 
名前を呼び捨てにされて奈央の心が甘くとろけた・・・ 
「どこかで休んで帰りましょうか?」 
沢口の問いかけに
「うん」と甘えた声を出して
そのまま沢口の分厚い胸板に顔を埋めた。

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テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

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