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2021.06.10 (Thu)

紺屋の女房 10

昨夕、久方振りの党首討論会がありました
党首討論ということで白熱したバトルを期待していましたが
野党からは核心を突いた質疑もなく
総理も相変わらずのらりくらりと
返答にならない同じフレーズの繰り返し…
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きっとこの後、内閣不信任案を提出して
却下された後、審議拒否という
何十年も続いてきた不毛な時間が流れるんでしょうかねえ

私はカラオケクラブを主催していますが
再開に際しては
・新規感染者が20名以下が連続10日であること
・陽性率が2%以下が連続10日を記録すること
という風に上記2項目を満足しない限り
オフ会を再開しないというラインを決めてます

素人でもこのような基準値を設定してるのに
なぜ総理はオリンピック開催の基準ラインを示さないのか?
安心安全というボーダーラインを決めるべきだと思うのですが…

今後もワクチン効果がイマイチという結果になったら
次は大阪万博でやるかやらないかでもめそうな気がします。

さて、気を取り直してお話の方に進みましょう
高嶺の花と諦めていた高尾太夫が嫁に行くと言い出しました。
さてさて、どうなることやら…

。。。。。。。。。。。。

「ほんとかえ?ほんに嫁に来てくれるんかね?」
悔し涙が枯れ、今度は喜びの涙が溢れた。
身請けしないという太夫の言葉にお鈴が異義を唱えた。
「太夫、お言葉でありんすが、
このような主さまのところへ嫁がなくても、
どこぞの御大尽のところへ身請けした方が
花魁のためでありんす…」
確かに金持ちの家に身請けされた方が
裕福に暮らせるであろう。
ただ、身請けといういうのは、
この遊郭から御大尽の屋敷に買われてゆくという
人身売買なのだ。
身請けされたとて正妻にはなれず、
御大尽の屋敷で飼い殺され
男の性処理の玩具になるだけなのだ。
「お鈴…、あちきは裕福な暮らしよりも
女の幸せが欲しいでありんす」
女の幸せ…
お鈴はそんなことを考えた事がなかった。
此処に売られてきて女盛りの時期は男に買われて
身請けされて、どこかの御大尽の屋敷で
籠の中の鳥として死んでいくか、
どこにも行く宛もなくこの遊郭に女中として残り
掃除洗濯に明け暮れるかの二者択一だと思っていた。
慕われている男のもとへ嫁ぐという選択肢など
売られてきたときから無いものだと思っていた。
太夫は、嫁となるその道を選ぼうとしている。
羨ましかった。
醜女(しこめ=ブス)の自分には
縁のない道だと己の容姿を呪った。

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月日は流れ、高尾太夫の年季が明ける日が来た。
久蔵は高尾太夫がやってくるのを
今か今かと待ちわびた。
「可哀想に…
野暮(田舎者)だから上手くあしらわれただけさ」
吉兵衛はおそらく訪ねてこないであろうと思い、
しょげかえる久蔵をどうやって慰めようかと思案した。
お玉もまた、高尾太夫が来なければ自分の出番だと
久蔵に抱かれてやろうと心を決めていた。

やがて日が暮れ、
店を閉めて夕餉(ゆうげ=夕食)を済ました頃、
カランコロンと下駄の音が紺屋に近づいて来た。
「太夫だ!」
久蔵は悦び勇んでソワソワし始めた。
「日が暮れてから嫁いでくる馬鹿はいねえよ。
どこぞの女中が用事を言いつけられて
歩いているだけさ」
吉兵衛はこの期に及んでも
花魁が嫁に来るなんざ信じていなかった。
お玉も今夜のために裏の井戸端で
せっせと股を洗っていた。

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やがて木戸をとんとんと叩く音がして
「ごめんなんし、夜分にごめんなんし」と
なんとも、耳に心地よい声がした。
その声を聞いて「太夫が来た!」と
木戸を開けに久蔵は走り、
まさかとは思いながら吉兵衛はちゃぶ台を片付け、
お玉は慌てて股を手拭いで拭いた。
久蔵に案内されて現れたのは、
これまた絶世の美女だった。
「紹介します、高尾太夫にございます」
そのように紹介された高尾は
居間の手前の廊下に座り三つ指を付いて
「高尾でありんす、可愛がっておくんなまし」と
頭を下げた。
白粉も塗っておらず、
帯は前帯でなくちゃんと後ろに結び
頭には鼈甲(べっこう)の簪(かんざし)もなかったので
美人ではあるけれど、
それが太夫とはにわかには信じられなかったが
話し方が郭言葉(くるわことば)であったので
太夫本人だと信じないわけにはいかなかった。

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「あんた、本当に高尾太夫かえ?」
失礼かとは思ったが吉兵衛は念のために聞いてみた。
「ほんざんす…
あ、年季が明けまして、もはや太夫ではござんせん」
依然として廊下に三つ指をついたままだったので
「そうかい、そうかい、
よくぞこんな馬鹿の野暮野郎に嫁いでくださった」
ささ、こっちに入んなよと
吉兵衛は高尾を居間に座らせた。
「ほんにべっぴんさんだねえ」
男に買われて股を開いてきたおなごだから
きっとろくでもないおなごだと思っていたお玉も
礼儀正しく美しい高尾を褒め称えた。
「で…、祝言は明日でいいかい?」
そのように吉兵衛が尋ねたので
そのように段取りをお願いしますと
言いかけた久蔵を制し
「あちきは卑しい女郎あがりでありんす
人並みの祝言などもったいないでありんす
此方に来るのも人目を忍んで夜分を選んだのも
そのような思いからでありんす」
その言葉を聞いて久蔵は惚れ直し
吉兵衛もお玉もすっかり高尾を気に入った。
「そんなことは気にする事はねえ、
お前さんは立派な私たちの息子の嫁だ!」
取り敢えず、質素だけれど
明日に形だけの祝言をあげることにした。
「さあさ、今夜はもう遅いからゆっくりとお休み
久蔵の部屋に煎餅布団だけれど用意してあげるよ」
お玉はそう言って居間を出て
嬉しいような寂しいような複雑な涙をそっと拭った。

さて、寝るとしても嫁入り道具はおろか
何も持たずに来たものだから高尾の寝巻きがない。
「真冬でもごさんせんから
裸で寝ても良いでありんすか?」
高尾の白い肌を見ただけで久蔵は激しく勃起した。
我慢できねえと高尾の背後から抱きついて
豊満な乳を揉んだ。
「ダメでありんす…
まだ祝言も済んでないざんす」
高尾は処女のように恥らんだ。
久蔵は手さえ握ったことのない高尾に
いきなり乳を揉んだ事を詫びながら
「もう何年もおなごを抱いていないから
きっと下手だと思うけど抱かしてくれ」
貴方があちきを惚れてくれてるだけで幸せでありんすから
上手い下手は二の次でありんすと
高尾は久蔵に身を任せた。

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