2ntブログ
06月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08月

2016.07.26 (Tue)

蒼い月光 42(原案 あすか)

千代は、大急ぎで正室の間に戻ると、打ち掛けを脱ぎ捨て、帯を解きはじめた。

「兵吉!降りて参れ!!」

兵吉も只今臨戦の時が来たのだと感じ取ったのだろう、
天井の板を一枚ずらして音もなく飛び降りてきた。
衣装はすでに黒装束に着替えていた。

「兵吉‥‥鎖帷子を着せておくれ」
兵吉が用意してくれた鎖帷子は背面で絞るタイプだったので着用には人の手助けが必要だったのだ。

「ごめん!」
断りをいれて兵吉は手を伸ばした。
天井裏からいつも眺めていた白い素肌‥‥
指先がかすかに肌に触れる、その手触りはまるで絹のように滑らかで何とも言えぬ心地よさを与えた。

「きつくございませんか?」

「大丈夫です」
涼やかな声が鼓膜をくすぐる‥‥

「ほころびなどないか改めさせていただきます」
なにぶん使いこんだ代物ゆえ、ほころびがないとも限りませぬ‥‥
そんな理由をこじつけて兵吉は千代の体を目で舐め回した。

「ごめんつかまつる」
非礼を述べて千代の体の前に回り込んだ。

小ぶりな乳房が帷子の編み目に食い込んでいた。
編み目の隙間から薄い桃色の乳頭が顔を覗かせている。
ダウンロード (16)

ゴクリと生唾が出てしまった。

見事な体‥‥

山賊などに、このお体に指一本さえ触れさせてはならぬと心に誓った。

「異常は見当たりませぬ」
そう告げると、これ以上淫靡な体を目に焼き付けるのは毒だとばかりに
衣装箱から腰元の着物を取り出し、肩にかけて差し上げた。


城内の誰もが浮き足立っていた。

男衆は出陣してしまい、城内には戦力にならない小兵と女だけだった。

腰元の格好をした千代が顔を伏せて城内を急ぎ足で馬舎を目指していても
誰一人とて咎めるものはいなかった。

馬舎に辿り着くと、兵吉がすでに先回りしていた。
「馬の用意は出来ているのですね?」

「はっ!・・・しかし、出陣したために頑丈な馬はすべて持っていかれましたゆえ、
残っているのは老馬しかございませぬ・・・」

兵吉が用意してくれた馬は見るからに老いぼれであったが、
目の輝きは失っていなかった。
これなら峠まで走ってくれるに違いなかった。

老馬にまたがり城の裏門から抜け出し、一目散に峠を目指した。
o0480036012810013409.jpg

城を出るとき兵吉に「影として付いてまいれ!」と命じたが
追走する姿は見当たらず、どこを走っているのかさえわからなかった。
『まこと見事な忍びだわ・・・』
姿、身なりはみすぼらしくとも、兵吉は上忍なのであった。


山道に入ると鬱蒼と生い茂る樹木が昼の陽光を遮断し、ほの暗ささえ感じた。
傾斜がきつくなり老馬も息絶え絶えだった。
少し休ませてあげねば‥‥
そう思い老馬の歩みを止めてあげた瞬間
『これはこれは上玉の女がやってきたものだ』と、
野太い声を轟かし草木を掻き分けて大男達が姿を現した。

「女、どこへ行く?」

「この峠を越えて隣の国へ‥‥」

「可哀想だが、隣国には行けねえな‥‥
なぜなら、お前は俺たちの玩具になってもらわなきゃならねえんでな!」
そう言って股間をみるみるうちに膨らませ始めた。

「そんなご無体な‥‥どうか、通させてくださいませ!‥‥もし、ならぬと言うのなら‥」

「ダメだと言ったらどうするってんだい」
へへへと薄ら笑いを浮かべながら腰紐を解きはじめた。

頭!おこぼれを頂戴させてくださいや
女の匂いを嗅ぎつけて手下共も茂みから姿を現した。
中には我慢できないとばかりに下半身を丸出しにして、
おっ勃てたへのこをシコシコさせてる下衆もいた。

「どうしても通していただけないのであれば‥‥」

「あれば?へへへ‥‥だからどうするってんだい」

「おまえ達を皆殺しにします!」

「へ?皆殺しだとぉ~笑わせるな~!」
千代の目つきが険しくなった。
千代と朱里が入れ代わったのだった。
images (29)

千代(朱里)は、その場にしゃがみ込んで足元の落ち葉を掴んで上空に撒いた。
その動作を目に見えないほどの速度で繰り返した。

養父「疾風」に教え込まれた葉隠れの術であった。
落ち葉はみるみるうちに数を増やし、山賊どもの視界を奪った。

朱里は大地を蹴って飛び出し、懐に忍ばせていた短刀で三人の男の首を刺した。

落ち葉が舞い落ちた後、気づけば手下が三人もやられてしまっているのだから
その驚きようは半端ではなかった。

「なんだ~?また忍びの術使いか?
半年前にも夫婦の忍びを谷底に突き落としてやったが、お前もそうしてやる!」

朱里の体から汗が滝のように流れ落ちた。
一気に全滅させたかったのだが、千代の体力が朱里の意志に追いつけないでいた。
images (30)

テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

11:35  |  蒼い月光(コラボ作品)  |  Trackback(0)  |  Comment(2)
 | HOME |