2019.04.19 (Fri)
ロビン 15
マリアが外へ飛び出すと向こうの闇の中から走って近づいてくる人影があった。
『ロビンだわ!』
暗闇の中で顔は見えなくても、その体格、走り方でロビンだと確信した。
「ロビ~~~ン!!」
マリアは力の限り腹の底から声を振り絞った。
「マリア!!」
駆け寄ってくるスピードが加速する。
「マリア…良かった無事で…」
お互いに裸同士で闇の中で抱擁を交わした。
「私は無事だけど…自警団のリーダーが…」
ロビンが納屋の中を覗いてみると、
口から泡を噴いてクックがのびていた。
口元に耳を寄せると息をしていたのでホッとした。
だがしかし、こんなことをしでかしてしまえば
後でどんなことになるかは容易に察することが出来た。
「マリア…今すぐにでもこの村を出よう」
もう、この村では暮らして行けない…
ロビンはマリアにそう告げた。
「私、あなたとならばどこでもいいわ」
そうと決まれば一刻も早い方がいい。
二人は家に戻って当面の着替えをバッグに詰めることにした。
ロビンの家ではレスリーとマーガレットが待機していた。
ロビンとマリアが無事に帰ってくると安堵の表情を浮かべて出迎えた。
「ロビン…ほんとにすまない…俺、とんでもないことをしちまって…」
「そんなことはもういいんだ。早かれ遅かれこうなっていたと思う。
レスリー、君も気付いただろう?マリアには不思議な力がある」
「じゃあ、自警団から逃げ出せたのもその力のおかげ?」
まだ納得出来ないという表情でマーガレットは問うた。
マリアは色仕掛けと念動波で窮地を脱したと説明した。
「こうなった以上、俺とマリアはこの村を出て行くよ」
気をつけて…
お元気で…
二人はレスリーたちとお別れの言葉を交わして村を後にした。
「大丈夫かしら…」
二人の遠ざかる背中を見つめながらマーガレットは呟いた。
「あの二人なら大丈夫さ」
たとえ何があろうとも二人なら乗り越えるだろうとレスリーは思っていた。
数年後…
十字軍の大群がイングランドに攻め込んできていた。
この村も数日後には支配されるだろうとレスリーは覚悟を決めた。
そんな折、風の便りでひと山向こうのシャーウッドの森に
弓の名手と絶世の美女が現れて攻めてくる十字軍を蹴散らしたと言うのだ。
弓の名手の名は「ロビン・フッド」絶世の美女は「マリアン」と名乗ったそうだ。
完
あとがき
プロットもなしに書き出してしまったものだから
なんだか尻すぼみな終わり方になってしまいました 恥
起承転結がぐちゃぐちゃですね(笑)
最初に時代設定を明確にしてなかったので
読まれてる方には「いつの時代?」と思われたことでしょう
とりわけ洋ピンは書きにくいと思い知らされました。
次回作、少しずつ書き始めています
熟女モノと学園モノをMIXさせてみようと考えています
まあ、支離滅裂になった場合は・・・
それはそれでご勘弁下さいませ
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