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2014.07.17 (Thu)

キャンバスの華 6

次郎が華に弟子入りして3ヶ月が過ぎた。
あいかわらず雑用ばかりの毎日だが
それでも少しずつ絵を書かせてもらえるようになった。

キャンバスと絵筆を渡されて
「自由に描けばいい」と言われた。

「筆使いやタッチの強弱は見よう見まねで覚えなさい
でも色彩や構図は真似しちゃダメよ
次郎ちゃんには次郎ちゃんの個性があるんだから
それをしっかり表現しなさい」
放任主義のようかもしれないが
絵画は手とり足とりして教えるものではないというのが
華の考えだった。

だが、夜の布団の中ではやさしく手とり足とり教えてくれた。
若い次郎は飲み込みも早く、48手を猛スピードでこなしていった。
なによりも持ち物が素晴らしいので
画家で芽がでなければ女のヒモとして立派に暮らせていけるわと
冗談か本気かわからないが華は次郎にそう言った。

。。。。。。。。。。。。

ある日、銭湯が新装するというので
華のもとへ富士山の壁画を描いてくれないかという依頼があった。
まだ看板屋という職業が確立されていない時代だったので
大きな壁画が描ける華は風呂屋からかなり重宝されていた。

一通りの道具を持って依頼のあった銭湯に二人してでかけた。
脚立を立てて足場を組むのが次郎の仕事だった。
ペンキで描く壁画は下書き無しの一発作業なので
まだまだ素人の域をでない次郎は蚊帳の外であった。

壁を目の前にして
華は長いこと目を閉じて瞑想しはじめた。
「先生・・・まだ描かないんですか?」しびれを切らせて次郎が問うと
ペンキ画は下書きのない1発勝負なんだよ
頭の中でしっかり構図を決めなきゃ話になんないのさと言われた。
おまけに次郎がそばにいると気が散るからどこかへ行けと追い払れた。

仕方なく次郎は銭湯の釜を見学した
まだ使われていない釜はピカピカで鏡のように自分の姿を写せた。

「きれいでしょ?」
不意に女性に声をかけられたものだから
情けなくも次郎は飛び上がってしまった。
そんな姿を見て、声をかけた女はクスクスと笑った。

彼女はこの銭湯の女将さんで年の頃は40過ぎのように思われた。
「あんたは絵を描く手伝いはしないのかえ?」
そう聞かれたので素人同然の見習いなので足でまといになるから
どこかへ行けと言われたと素直に白状した。

「おやおや・・・それじゃ、わたしのお茶の相手でもしておくれ」
返答に困っていると有無を言わさず裏の屋敷の方へ連れていかれた。

「うちの亭主も桶屋に桶を買いに行って、
今日は夜まで帰ってこないんだよ」
そう言って茶菓子にみたらし団子まで勧めてくれた。

仲間はずれ同士、仲良くしようじゃないか
そう言って、もっとこちらにおいでよと女将さんに手を引かれた。
しかし、慣れない正座で座っていたものだから
足がしびれてよろめいてしまい
おもわず女将さんに寄りかかってしまった。
そして、こともあろうか咄嗟に伸ばした手が女将さんの胸へと・・・

「あらいやだ・・・あんたったら色気づいちゃってさあ・・・」
わざとじゃないんですと弁解しても、いいからいいからとさらに体を摺り寄せてきた。

「あんたさあ、あんたとこの師匠と・・・デキてるんだろ?」
好奇心に満ちた目で次郎の心を読むよう微笑んだ。

「ええっと・・・・」
返答に困ってると、若い女もいいけど年増女もいいものよと
次郎の上に覆いかぶさってきた。

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12:51  |  キャンバスの華  |  Trackback(0)  |  Comment(0)
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