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2016.03.29 (Tue)

女優

宮崎愛子は台本を読んで愕然とした・・・・

「マネージャー!なんなの?これは?!」
恋愛映画というふれこみだったが8割がベッドシーン・・・
これではまるでピンク映画ではないか。

「愛子ちゃん、ここらで一発、
アイドル路線を脱却しましょうよ~」
マネージャーの臼杵はヘラヘラしながらも目は怒っていた。

「私に素っ裸になれというの?!」
愛子は元国民的アイドルグループのセンターだったが、
女優を志してそのグループから卒業した。
最初の頃は元国民的アイドルグループというレッテルで
いくつかのドラマにも出演したが、
次第に演技力がマズイということで仕事が減っていった。

「もう誰も元アイドルという神輿を
担いでくれなくなったということに目を覚ましたらどうだ」
もう脱ぐしか仕事がないんだよ!と、
マネージャーは台本を愛子の胸に押し付けた。
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そしてクランクインの日がやってきた。

愛子を乗せたマネージャー臼杵の運転する車は
都内のとあるラブホテルに入っていった。
「マネージャー、これは・・・・」
さあ、到着しましたよと降車を促す臼杵に
愛子は不審に思って尋ねた。

「なにせ低予算の映画だそうで・・・
セットを組む予算を削りたいそうなんです
このホテルの一室が映画の内容にぴったりの部屋だそうですよ」

その時点で愛子の不機嫌は絶好調に達したが
心の片隅には隠微なスペースに足を踏み入れるという
微かなドキドキ感も同居していた。

部屋に入ると、すでにカメラマンと監督がスタンバイしていた。
マネージャーから聞いていた話では
この映画の監督は巷で有名な新鋭の女性監督ということであったが、
「私が監督の押本です」と名乗り出たのは
髭面の冴えないオヤジだった。

「女性監督だったのじゃありませんか?」
そう言うと、
「あ~彼女は降りました。ギャラが折り合わなかったのです」
私は安いギャラでも引き受けましたけどね。と言って
髭面の冴えないオヤジは卑屈に笑った。

さあ、部屋代がもったいないからさっさと撮ってしまいましょうと
バスタオルを手渡された。
「こ、これって・・・」
戸惑っていると、
「濡れ場を撮るのにシャワーも浴びないつもりですか」と
バスルームからマッチョな男が姿を現した。
「きゃあ!!」
マッチョ男はタオルで前を隠そうともせず
男性自身をブラブラさせながら愛子の横をすり抜けた。
「お先にシャワーを使わせていただきましたよ」
そう言いながらマッチョは全裸でベッドに寝転んだ。
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「ま、前張りなしですか?」
そうマッチョに言うと
「今時、前張りなんかして撮影したりしないですよ」と
小馬鹿にしたように笑った。

と、とんでもない!!
アンダーヘヤーもすべて見られるなんてとんでもない話だわ!
私、この映画、降板させていただきます!!
そう言って帰りかけた愛子の耳元へマネージャーの臼杵が
「そんなことしたら違約金が発生しちまうだろが!
この仕事を取ってきた私と会社に泥を塗るつもりか!!」と
小声ではあるがドスのきいた声で愛子を叱った。

そんな二人のやり取りを遮断するかのように
「これだから元アイドルとかいう奴と仕事をするのはイヤなんだよなあ」
とベッドのマッチョ男はふてくされた。

「バカにしないで!与えられた仕事はちゃんとやるわ!!」
そう言うと愛子はマネージャーの手からバスタオルを奪い取ると
バスルームに駆け込んだ。

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テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

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