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2018.07.14 (Sat)

白い雫(あすか原案) 28

 最終章

僕は、密かに「白い雫」の構想を考えていた。
担当の吉岡は、しきりに
「先生、今度の新作、学園ものにしましょうよ。
中年の粘つくようなSEXでなく、若い性を書きましょう。
うーん、そうだなあ、処女を喪失した女学生が性に目覚めて
誰ともやっちゃう。って、こんなのどうですか?
いいですよ~女 子 高 生は。胸もお尻もプリプリで・・・」

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目を閉じ、むふふとスケベ笑いをする吉岡を見て
『おいおい、妄想だけにしておいてくれよ。
まさか、どこかで援助交際なんてしてないだろうな』と我が担当者ながら、そのスケベ度には脱帽だ。

「白い雫」は僕自身を主人公にした。
ヒロインは、もちろん理恵。
書き始めて、5ページもしないうちにペンが止まった。
理恵との付き合いは中 学へ入学したときから、わずか5ヶ月で終わってしまっていたからだ。
あまりにもエピソードが無さ過ぎる。

迷ったあげく、直樹や里中さんを登場させることにした。
できれば、直樹を主人公にした方が、エロい小説になるのは間違いなかった。
『なんせ、あの巨根だからなあ。
あんなのを突っ込まれたら女性達はヒィ~、ヒィ~泣いて喜ぶぞ』
しかし、あくまでも主人公は僕自身。小さなペニスも、包茎も包み隠さず描写しよう。
理恵は・・・そうだなあ、おしとやかな反面、少し淫乱な性格にしてみよう。
里中さんは、ぼくの性教育係。彼女によって、僕は性に目覚めていく。
うんうん。いいぞ。なかなか面白くなりそうだ。

僕の意識は中 学へ入学した時期へとタイムスリップする。

『直樹に陰毛のことを聞かれ、ドギマギしたっけ。
陰毛がないとキスできないって真剣に悩んだもんなあ。
理恵は胸が大きくて可愛い子だったなあ。
ブラのラインシルエットを見て勃起するなんて僕って純情だったよなあ。』
こうして、僕の回顧録というべき「白い雫」がスタートした。

初めて射精したときの衝撃は、今でも鮮烈に覚えている。
腰がカクカクと揺れた瞬間、過去に経験したことのない快感が脳天を突き抜けた。

『ほんとに驚いたよなあ。あんな白いモノが飛び出すんだもん』
ペンはスラスラと進んだ。
わずか1週間で「白い雫」を書き上げた。

しかし、官能小説としてはイマイチだ。
序章が長すぎる。おまけにエロさが足りない。
でも、この作品を世に出したい。

僕は恐る恐る、原稿を吉岡に渡した。
吉岡は読み終わると、原稿をクズカゴに投げ捨てた。
「ダメですよ!こんなの!まるで先生の日記じゃないですか!」

僕は仕方なく、吉岡の希望どおり、別の「白い雫」を大急ぎで書き上げた。
吉岡は、かなりご立腹だったようで磯崎が原稿を受け取りにきた。

「先生、編集の意見を無視して突っ走ったんだって?」
僕の首に腕を絡ませながらいたずらっぽく笑った。

「いいじゃないか。書くのは僕なんだ。僕が書きたいものを書く」

「でも、理恵さんとの思い出を綴った小説がボツになって可哀相・・・」
磯崎の香水の香りが、僕を刺激させる。

「もういいって言ってるだろ。そんなことより・・・」
僕は磯崎をソファに押し倒した。

「久しぶりにどうだい?いいだろ?」

「うふふ、最初からそのつもりよ。」

磯崎の体に馬乗りになり、豊満な胸を揉んだ。

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「あん、もうせっかちなんだから。
先生は包茎なんだからシャワーできれいにしてきてください」
はいはい、わかりましたよ。
いいかげん、包茎の手術を考えたほうがいいかな。

磯崎との体の相性がよかったので、
あれ以来、月に何度かはSEXを楽しんだ。
彼女も割り切った関係を楽しんでいるようで、
肉体関係になったからといって、何かを見返りに求めたりはしなかった。

シャワーを浴びて戻ってみると磯崎は先日に吉岡がゴミ箱に捨てた原稿を探し出して熟読していた…

「先生、素敵な初恋をされたんですね…」
物語に感情移入したのかウットリとした表情でそう告げた。

「そうかい?でもボツになったからそのお話が世に出ることはないのさ」

「あら、勿体ない…
そうだ!先生、自主出版しましょうよ
自主出版なら弊社も文句言えないわ」

そうか、その手があったか!

「それもペンネームでなく、本名で出すの。
ひょっとしたら、理恵さんが手にとって読んでくれるかもしれないわ」
ナイスアイデアだ。

手筈はすべて磯崎が整えてくれた。
題名は、すでに「白い雫」が別編で出版されていたので、「白い雫(しずく)」とした。
理恵・・・どうか見てくれ。
淡い期待だった。女性が官能小説を購入してまで読むとは思えなかったからだ。

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テーマ : 18禁・官能小説 - ジャンル : アダルト

12:37  |  白い雫  |  Trackback(0)  |  Comment(4)
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