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2016.01.29 (Fri)

私は管理人 5

大野さんとの朝の密会はしばらく続きましたが
別れは唐突にやってきたのです。
大野さんはある女性と遠距離恋愛をしていたのでした。
彼はその女性を選んで彼女のもとへ引っ越したのでした。
二股されていたんだと怒る気にはなりませんでした。
だってわたしは夫のいる既婚者・・・
いつまでも世間に顔向けの出来ない関係を続けようなんて
むしのいい話ですものね。

大野さんの空き室はすぐに埋まりました。
「今度、このマンションに入居させていただく吉岡と言います」
若いのに律儀に挨拶に来られました。
彼は見習いのカメラマンでした。
いつかはアイドルの写真集を手掛けたいと、
熱く語っている青年にわたしは好感を持ちました。

ある日、男の独り暮らしだとコンビニ弁当ばかりだろうと、
お節介だとは思いましたが手作りのお弁当を
差し入れてあげようと彼の部屋を訪ねました。
「えっ?管理人さんの手作りですか?」
彼は凄く感激してくれて、わたしの目の前で美味しそうにお弁当を食べてくれました。
「料理の上手な女性っていいなあ、俺、管理人さんに惚れてしまいそうです」
社交辞令とわかっていても心がキュンとなってしまいました。
「そうだ、お礼にポートレートを撮ってあげますよ」
彼の申し出に普段着のままだったので遠慮すると
「ではヌードはどうですか?」
と、まったくいやらしくなくさりげにそう言いました。

9.jpg

ヌードだなんて・・・
とまっどている私を尻目に「ね、そうしましょう」と
彼はバッグからカメラを取り出しました。
素人目に見ても高そうなカメラでした。
「素敵なカメラをお持ちなんですね」
そう言うと「一応、商売道具なんでね」と言って
照れくさそうに笑う彼の笑顔が素敵でした。
ヌードかあ・・・どうしようかなあ・・・・
悩んでいるわたしにおかまいなしに
彼は照明をセッティングしだしました。
「管理人さん綺麗だもの、
その美しさを永遠に残しておくのは絶対にいいですよ
それに旦那さんもきっと喜ばれると思いますよ」
こう見えて、けっこういい仕事するんですよとサムポーズでにっこり笑いました。

ああ・・・この笑顔・・・
この笑顔がたまらないのよねえ・・・・

見習いといえども彼はプロなので
わたしは意を決してヌード写真を撮ってもらうことにしました。
しかし、セーターやスカートは脱ぐことはできても
ブラとショーツだけは脱ぐことに恥じらいを感じ、
脱衣の手がとまってしまいました。
「誰でも最初はそうですよ」
わたしの下着姿を凝視することなく、
あくまでも自然体で接してくれる彼に少しずつ緊張がほぐれてきました。

「はい、これ」彼が熱い蒸しタオルをわたしに手渡しました。
「?」戸惑っているわたしに
下着を脱いだらそれを身体に当てて下着あとを消すんですと
教えてくれた。
「ほんとは入浴していただけたら完璧に下着あとを消せるんですけどね
でも俺が一緒にお風呂に入ってしまう衝動に駆られるんで」
そういってアハハと少年のように笑った。

あ・・・また笑顔が・・・・
この笑顔、ほんと素敵なんです
わたしはヌード撮影というよりも
初夜を迎える花嫁のような心境で
高鳴る鼓動を感じずにはいられませんでした。

最初は恥ずかしくてなかなか前を向くことができずに
バックショットを数枚撮影していただきました。
背中が綺麗だよとかお尻がセクシーですよなどと
彼が明るく話しかけてくれたのとシャッター音が耳に心地よくて
なんだか自分自身が一人前のモデルになった錯覚を起こしそうでした。
彼がわたしの気持ちがほぐれたのを感じ取ったのでしょうか、
おもむろに「じゃあ、思いきってこちらを向いてみましょうか」と
前を向くことを催促しました。
その時点で不思議なことに、
なんの抵抗もなく彼にヘアヌードをさらけ出したのでした。
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